二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: ぬらりひょんの孫〜愛してくれたから〜 コメント募集中!! ( No.6 )
- 日時: 2011/11/28 20:13
- 名前: このみ (ID: 1kkgi9CM)
第三幕 制御とぬらりひょん
『妾を殺してください』
輝夜はそう目の前の男に言った。
この男が何者かなんて知らない。
だけど、この男ならできる、そう思った。
『お願いします』
「嫌じゃ」
男はすぐに言い放った。
掴まれていた手を離され、輝夜の上に載っていた体もどかした。
殺されるかもしれないのに。
『…っ…。何故、ですか。妾はあなたを殺してしまいます。だからその前に…』
輝夜は泣きながら男に向かって叫んだ。
男は一度、きょとんとし、すぐにニヤリ、と笑った。
「殺してねえじゃねえか」
『…!!』
「今、ワシを殺すこともできるのに、殺してない」
『あ…』
輝夜は自分の手を見つめた。
力が体の奥に戻っていく気がした。
耳も尻尾もなくなった。
『な、んで…?』
今まではこんなことはなかった。
月が消えたら自然に元の体に戻っていた。
「制御、できるようになったんじゃねえか?」
『制御…』
そんなことができるなんて思ってもみなかった。
一生、このまま苦しんで生きていくのだと思っていた。
制御ができるようになったのはこの男の前だからだろうか?
金色の瞳、ふわふわと浮いている長い髪、大きな『畏』。
〈〈この人は…何者なのでしょうか??〉〉
『あの、お名前をお聞きしてもよろしいでしょうか?』
「ぬらりひょんじゃ。魑魅魍魎の主となる男よ」
『は、はぁ…』
いきなり「魑魅魍魎の主となる」なんて言われても、輝夜は困る。
〈〈なんて返せばいいのでしょう…〉〉
『ぬらりひょん様、ですか。この度は、妾の暴走を止めてくれてありがとうございます。なにかお礼がしたいのですが、妾の寺に来てはいただけないでしょうか?』
焦りながらも、なにかお礼をしなくてはと思い、輝夜は自分の住む寺にぬらりひょんを呼んだ。
「おお、そうか。ではお邪魔すとするかのう」
ぬらりひょん————
人の家に勝手に上り込み、飯食って帰る妖怪。悪戯好き。+遠慮がない。