二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 君の隣で [テニスの王子様] ( No.4 )
日時: 2011/12/17 15:33
名前: 花 ◆tZ.06F0pSY (ID: 1OZSm3LG)


**一章 [Pure love]**〜003.マムシさん


『なんで立海に来んかったんじゃ』

「え??幼馴染が青春学園に通う予定だから、一緒に行きたいなって」

『……俺も幼馴染じゃろ』

「ふふっ、そうだね」


軽くスルーしながらも、憂花は少し笑った。
仁王雅治、立海大付属中テニス部の3年。憂花の幼馴染だ。


『……まぁいいぜよ。無理はせんようにしんしゃい』

「ふふっ、ありがとう、はるくん」

『……おまんと喋っとると、幸村を思い出すぜよ。ちょっとブラックな所もにとる』

「え??なに、はるくん??……ブラックって言った??」

『……なんでもないぜよ。ちなみに幸村は、うちのテニス部の大将じゃ。……ダメじゃ、寒気がしてきたなり……』

「大将さんなんだ??ふふふっ、また見てみたいな。……じゃあ、はるくん。そっちも頑張ってね」

『ん。おまんもな。無理せんようにするんじゃよ』


電話をきると、憂花は傍にあるカレンダーを見つめた。
——入学式まで、あと2日。自分がやりたい事を実現できる日はもうそこである。そう考えると憂花は嬉しくて、自然と笑みが零れた。


「たっのしみだなぁ〜」

「こら憂花ぁ、調子に乗らない。病院戻んの嫌でしょ〜」

「はいはぁ〜い、ごめんなさ〜い」

「まったく……」


母も少し微笑むと、再び家事にとりかかった。
本来なら病院に行かなくてはならないのだが、憂花はいつ体調が悪くなるか分からない。ため、自宅勤務と言う訳だ。


「ねぇ、お母さん!!ちょっとだけ、外歩いて来て良い??」

「え??……体調は??」

「大丈夫だよっ!!ピンピンしてるっ!!」

「……はぁ、しょうがないわね。15分以内に帰ってくるのよ??」

「っ!!分かったっ!!」


憂花は興奮が沸いて来て、元気よく外に出た。
広がるのは春の空気。ぽかぽかと温かく、お昼寝日和の日だ。とことこと憂花は歩いて行く。


(もうすぐ……もうすぐ、この道を通って学校に通えるんだ!!)


そう考えると嬉しくて、憂花はついウフフと笑ってしまった。
そんな憂花を見た小さな子供が母の手をひっぱり、あのおねーちゃん可笑しいよ〜と言っていたのはいうまでもない。


(良い天気……。こんなふうに、外を歩けるなんて思ってもみなかったな)


そんな時だった。コホン、と咳が出る。
それをはじめとし、咳がとまらなくなった。憂花は服を掴みながら、必死にたえる。


「ゲホッ!!ゲホゲホッ、コホッ!!っは……ゲホッ!!」

「ちょ……大丈夫か!?」


息苦しい中で、憂花は必死に相手を見た。
相手は憂花を安静になれる場所に軽々と運ぶと、憂花を楽な姿勢にしてくれた。そして背中をゆっくりとさすりだしてくれる。


(あぁ……楽になってきた)

「……ちょっと落ちついたみたいだな」

「ふ、は……あ、りがと、ござ……」

「……喋らなくていい。ちょっと大人しくしてろ」


声の低さから、男の人だと分かった。
日陰なのだろう、涼しくて、憂花は静かに目を閉じた。ゆっくりと深呼吸を繰り返しているとだいぶ落ち着いてきた。


(——リョーマ……)


いつだって傍に居てくれたリョーマを思うと、憂花は笑顔が溢れてきた。
相手はその笑顔を見ていたのだろう。少し雰囲気が和らいだ気がした。憂花は目を開け、今度こそ相手を見る。


「……どうだ、気分は」

「もうマシになりました。ありがとうございました」


にっこりと微笑んで憂花が言うと、相手は少し視線をズラした。
そして「そうか」と言うと、すくりと相手はたちあがった。憂花は顔をあげて相手を見る。


「……これからは気をつけろよ」

「はいっ!!あの、お名前、教えてください!!」

「あ??」

「名前ですっ!!」


憂花が元気よく言うと、相手は少し困惑した様な顔を見せたが、憂花に背を向けながら言った。


「……海堂薫だ」

「海堂さん!!ありがとうございました!!……げほっ」

「ちょ!?お前大人しくしてろ!!」


流石に不安になり、海堂は憂花を制止したのだった。



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 ** アトガキ **


憂花は一応「カワイイコ」設定です。
あと、黒属s(((((

個人的に好きなキャラ一位は仁王。

青学→リョーマ、海堂、桃
氷帝→跡部、ジロー、滝、宍戸さん
立海→詐欺師、魔王様、参謀、皇帝、紳士
四天宝寺→スピードスター
ルドルフ→観月さん
不動峰→橘兄

ってな感じです。仁王は最強最高です!!(笑)
読んでいただきありがとうございましたっ!!