二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 君の隣で [テニスの王子様] ( No.5 )
日時: 2011/12/19 19:47
名前: 花 ◆tZ.06F0pSY (ID: qgDGZVdh)


**一章 [Pure love]**〜004.純愛


**越前リョーマside**


『つぅ……っ!!い、たい、よっ……!!やっ……!!うぇっ……!!』


目の前で泣く、大事で、大好きな幼馴染の憂花。
見ている事しかできないのが本当に苦しくて、泣いている憂花を見ていると悲しかった。


『リョ、マ……は、るく……ごめっ……っう!!』

『……喋らんでよか。大丈夫じゃ、傍におる。ほら、ゆっくり息吸ってみんしゃい』

『っ、は……ふ、う……っは……』


薬の副作用からか、体が痛いと訴え続ける憂花を、俺ともう1人の幼馴染の雅治で見守る。
雅治は憂花に声をかけるけど、俺は何だか体が動かなくて。目の前の憂花を見ているのが、ただ辛かった。


『リョー、マ……』

『……な、に??』

『ごめ……ごめ、んね……』


涙を流しながら、俺に向かって謝ってくる憂花を見て、俺は決意した。
俺は、……俺は憂花を守る、って。


「……リョーマ??おーい、リョーマー??」

「……ん。あ、ごめん、聞いてなかった」

「えぇ〜!!結構長く話してたのにー!!」

「ご、ごめんって……」


頬をふくらます憂花を見ていたら、リョーマは笑みがこみ上げてきた。


「……まっ」


—————今はこの笑顔を見れてたらいいか。
なんて、リョーマは思ったのだった。

**side out**

*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*


「ブッフ!!!」


勢いよく食事中の味噌汁をふきだした母に驚く憂花。
慌てて母——美咲みさきはふいてしまった味噌汁を布巾で拭く。


「ちょっと待って、憂花。……それ正気??」

「イエス!!!」

「イエス!!!じゃ、ないっっ!!運動系の、しかもテニス部のマネージャーやるなんてホントに正気?!」

「う、うん!!」


美咲はリョーマと全く同じ反応を見せた。
びくびくしながら憂花は美咲の顔色をうかがう。俯いていた美咲は顔を上げると、何やら爆発した。


「ばっかじゃないの憂花ぁッ!!アンタ病気なんだよ?!また再発するかもしれないんだよ?!てゆーか再発する可能性が高いんだよ?!」

「いや、あの……」

「あんたが倒れたらどうすんの?!リョーマ君に迷惑かけるだけだよ?!雅治君だって心配するよ?!馬鹿?!馬鹿なの?!」

「馬鹿馬鹿いわないでよ!!私だってやりたいことはあるんだよっ!!」


大きく声を荒げた憂花に驚き、美咲は声を詰まらせる。
憂花の目に迷いは無く、ただただ自分のやりたい事をするという意志の光があった。


「……ほんとに、アンタは……」

「……やっぱ、ダメ??」

「ダメって言ってもやるくせに言うんじゃない」

「ゴメンナサイ」


小さくなった憂花に、美咲は困った様に笑い、溜息をついた。
そして、ポンポンと憂花の頭をなでる。


「やりたいことがあるんなら、無茶しない程度にやりなさい。その代わり言う事は聞く事、ね」

「うんっ!!ありがとうっ!!」


喜び始めた憂花を見て、美咲は微笑んだ。


(なんだかんだいって……私ってこの子に甘いのよね……)


そしてまた小さく溜息をついた。


(まぁ……いっか)


そんな母の気を知らずか知ってか。
憂花はとても喜び、明日の入学式を心待ちにしたのだった。


**一章 [Pure love]**end

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**アトガキ**


これにて第一章完結です!!
リョマの気持ちなどをかきたかったのが一章の目的でした。
最後の最後にかけたっ!!!(((←
今はリョーマ、仁王、幸村の3人で落ち悩んでるんですが……。

もしも「この人にしてほしい」っていうのがあれば考えます。
そして、「このキャラも落ち予定のキャラにしてほしい」ということがあれば考えます。

にしても主人公はのんびりだ、私に似て((←
とにかく、これからもよろしくお願いします!!

読んでいただき、ありがとうございました!!
次回からは第二章です!!