二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 君の隣で [テニスの王子様] ( No.6 )
日時: 2011/12/21 23:25
名前: 花 ◆tZ.06F0pSY (ID: 4Xxn38pL)


**二章 [幸せ]**〜005.入学


「に……似合わない」


ズーンと言う効果音がつきそうな勢いで落ち込んでいる憂花。
まっすぐ肩におりていた髪にはウェーブがかかり、相変わらずの青いリボン。そして人形の様に愛らしい顔。

そんな憂花は今日入学式である。……が、かなり鏡の前で落ち込んでいる。


「た、体調はバッチリなのに……せ、制服が……」

「……で、そんな事で入学式から遅刻する気??」

「——へ??」


突如聞こえた美咲の声を気にするよりも、まず時間を気にした。
見れば出発予定の時間よりもかなり遅れている。憂花は目を見開き、悲鳴をあげながら慌てて準備をしたのだった。


*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*


「——で、ギリギリだったわけだ」


なんとか入学式も終了し、クラス発表を見に行く憂花とリョーマ。
学ラン姿がかなり似合うリョーマの隣に立っている自体が憂花はなんとなく気が引けた。


「……何、その顔」

「いやぁ……リョーマの学ラン姿がかなり似合ってるからさ……。私、似合ってないし……ちょっと気が引けて……」

「……それ、本気で言ってんの??」

「え??……うん」

「……自覚なしってホントに怖いよね」

「え??何の話??」

「何でもない。……あ、ほら、クラス発表」


何だか話をまとめられた気がしたが、憂花もクラス発表を見た。
——葉月憂花。名前を発見し、ほっと憂花は息を吐いた。リョーマを見れば、リョーマも発見しているようだった。


「リョーマ、何クラスだった??」

「……同じじゃん」

「えっ?!ほんとほんと?!」


改めて発表を見ると、なるほど、同じクラスだった。
心から憂花は喜び、あまりの喜びにリョーマにとびついた。驚きながらも、何だかリョーマは嬉しそうだ。


「やったね、リョーマっ!!」

「ちょ、苦しいって、憂花……」

「あ、ごめん……」

「嘘」


んべ、と舌を出して笑ったリョーマに、また憂花も笑ったのだった。


*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*


教師やクラスメイトの名前も知り、いよいよ放課後だ。
桜咲く下、リョーマと憂花はゆったりとした歩調で歩く。ウェーブのかかった亜麻色の髪が風にあおられた。


「……風、強いね」

「そうだね。……って、あぁっ!!」


いきなり声をあげた憂花に、リョーマはかなり驚く。
憂花は難しい顔で溜息をつき、困ったようにリョーマに笑った。


「ごめんね、リョーマ。忘れ物、しちゃった」

「……ド・ジ・う・い・か」

「ふふふっ、う・る・さ・い」

(……でた、ブラック憂花)

「早く行ってきなよ。先に行って、待ってるから」


小さく微笑んだリョーマに微笑み返し、憂花は踵を返す。
もう1度桜の下を少し急ぎ足で歩いていると、急に走ってきたおさげの子とぶつかり、憂花は転倒した。


「きゃああああ、ごごごご、ごめんなさいっ!!」

「たたた……。こちらこそ急いでたから……ごめんなさい」

「あれ……。うい、ちゃん??」

「——へ??」


大きな目をさらに見開き、憂花は相手を見つめた。
長い茶髪のおさげ、薄茶色のかかった丸い瞳、そしてなにより、相手の髪につけられているヘアゴムに見覚えがあった。


『サクちゃん、サクちゃん』

『どうしたの、ういちゃん??』

『これ、あげる』

『え??これ……ういちゃんのお気に入りのヘアゴムじゃなかったっけ??』

『いーいーのっ!!あげるあげる!!って言うか、受け取って??』

『……ありがとう、ういちゃん』


たまに家に戻って来た時に、たまたま遭遇し、遊び、仲良くなっていった女の子がいた。
——竜崎桜乃りゅうざきさくの。そうだ。自分がたまに戻って来た時、ずっと遊んでくれて、ずっと心配してくれた女の子。


「サク……ちゃん??」

「やっぱりういちゃんっ?!久しぶりっ!!」

「わわわわわわわっ!!!」


急にとびつかれ、立ち上がった憂花は再び転倒した。
そして桜乃と顔を見合わせ、やっぱり嬉しくて、2人は一緒に笑ったのだった。


*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*


**アトガキ**


2章スタートです。簡単に言うと中学編スタートです。
桜乃ちゃんは結構好きなキャラ。でもなんでリョーマとつり合わないんだ……。
ちなみに憂花ちゃん、「激ニブ」です。
宍戸さん風に言ってみましたが、本当に鈍い子です。
でもまぁ、結構鋭い時もあるって言う((←

憂花の容姿を簡単に説明しますと、まぁ、幸村です。
肩くらいまでのウェーブのかかった亜麻色の髪に、青いリボンがついております。目の色は青です。
あ、言うの忘れてました。憂花の母は日本人ですが、父は外人です。
ので、ハーフかな。髪の色は母親似、瞳の色は父親似です。

そしてどうだろう。最近落ち予定にしたい人が増えてくる(汗)
今は一応、1番の候補は仁王、2番はリョーマ、3番は幸村なんですよ。
ですが……今はただリョーマにしかよってないんですよ。
しかも幸村と関わるのはだいぶ後になりそうなんだよなー……。

でもって最近候補に入れたいのは、「桃城」です。
桃は明るい性格ですし、私も彼の性格は好いてますし、憂花をあの性格で励ましてくれそうです。
まぁ、時間はまだまだあるでしょう!!(のはず!!)

読んでいただき、ありがとうございました!!