二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 君の隣で [テニスの王子様]*参照数100突破、感謝です!! ( No.9 )
日時: 2011/12/28 18:09
名前: 花 ◆tZ.06F0pSY (ID: T3UB3n3H)


**二章 [幸せ]**〜007.マネージャー


その日も終了し、残るは部活動のみだ。
リョーマには先に行ってもらい、憂花は教室でぼんやりとしていた。


(返事が来ない……。やっぱり、ダメなのかな……)


そう考えるとテンションが下がってきて、憂花は俯いた。
——そんな時、むにぃ〜っと憂花の両頬が引っ張られる。一瞬フリーズした憂花の頭上から、明るい声がふってきた。


「にゃ〜に1人でぼんやりしてんのさっ」

「ふぇんふぁひっ?!」

「……かなりのびる頬だな。いいデータがとれた」

「っは……。そ、そんな事データにとらないでください!!」

「でも本当によくのびてたよ??クスッ、気持ち良かったよ」

「人の頬を勝手にのばさないでくださいっ!!!」


憂花は叫んだあと、はたりとなった。
朝出会った先輩方、4人ともう1人……眼鏡の先輩がいる。コホン、とその先輩は咳払いをした。


「……男子テニス部部長、手塚国光だ」

「っ!!」

「マネージャー希望の、葉月憂花だな??」

「は、はい……」


急に心臓がバクバク言ってきたので、憂花は少しビビる。
が、あくまで普通。あくまで普通を装い、憂花は目の前の手塚を見つめた。


「1つ、聞いても良いか??」

「は、はい」

「——……どうしてマネージャーをやるんだ??」

「…………」


憂花は目を伏せた後、真っ直ぐに手塚の瞳を見た。


「……詳しく言うと長くなるのでアレなんですけど、」

「……あぁ」

「……私、小さいころからずっと、誰かを助けられる事がしたいって思ってたんです。でも、ちょっと訳ありでそれは叶わないようで……」


あはは、と苦笑しながら憂花は言う。
——小さいころから病で、やりたいこともろくにできず、数回だけ小学校に行ったときはいじめられた。


「それで、幼馴染がテニス部に入るって聞いて、だったらそれを助けたいって思ったんです。……幼馴染には、小さいころからずっとお世話になってるもので」

『憂花。俺、憂花を守るから。憂花の隣に居るから。……一緒に、頑張ろう』


だから、と憂花は言った後、微笑んで言い放った。


「私はマネージャーになって、幼馴染を……部員の人を助けて、全国に行きたい。そして……“優勝”を見届けたいんです」

「……そのためなら、どんな辛いことでも頑張れるか??」

「……もちろんです。酷い事されたって、私は続けます。どんな仕事が与えられても、頑張ります!!」

「——…………」


じっと、手塚は憂花の目を見た。
迷いのない、真剣な瞳。頑張る人間の瞳である。


(大石達の言っていた通りだな……)


手塚は1度瞑目した後、憂花に向かってすっと手を差し出した。


「……一緒に、全国へ行こう」

「——っ!!はいっ!!」

「いっえーいっ!!これからよろしくにゃーっ、憂花ーっ!!」

「クス。頼もしいマネージャーだね。よろしく」

「よろしく、葉月」

「よ、よろしくお願いします!!」


ぺこぺこと憂花はお辞儀をした後、先輩方と共に、コートに向かったのだった。


*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*


コートについて、リョーマとも遭遇し、マネージャーになった事を伝えれば微笑んでくれた。
だがこれからが本当の仕事だ。憂花は乾に連れられ、部室にやってきていた。おおまかな仕事の説明をしてもらえる。


「ドリンクのボトルはそこで、タオルはそこ。洗濯機は、各部活専用のがあるから、それを使ってね」

「はい」

「あとは球拾い。……と言っても、ほとんどは1年生がやると思うから、葉月はドリンクを配ったりする仕事が中心かな」

「他にはないんですか??」

「各選手の常日頃の様子をしっかりと見ておくこと。体調管理をしてやるのもマネージャーの仕事だから。それに、怪我の治療。スポーツには怪我がつきものだから」

「包帯の巻き方とか、覚えておいた方がいいんですか??」

「その通り。あ、それに救急箱の管理も。シップがきれてたりしたら買いに行ってくれると助かる」

「分かりました!!」

「うん、良い返事。じゃあ、あとよろしく」


部室を出て行った乾の背中を見送った憂花は、早速仕事をはじめた。
まずは、各自のドリンクづくり。あらかじめ聞いておいた好みの味に合わせられるようにしながら、憂花はドリンクを作る。
タオルもとっておき、とりあえずそれは置いておいた。


「ちょっと掃除……するかな」


しばらく掃除をした後、憂花はドリンクとタオルを手に、コートへと向かった。
……少しだけ重くて、憂花はよろけてしまう。


(力……つけないと。ドリンクがすっごく重く感じる……)

「……憂花??」

「え??……あれ??リョーマ??」


後を振り返れば、そこにはリョーマがいた。
どうやら走らされたのだろう。……が余裕のリョーマ。さすがだ。


「……もつ」

「え?!いや、いいよ!!」

「遠慮しない」

「ダメ!!これは私の仕事だからっ!!」

「……無茶しないでよ」

「うん」


よろよろと酔っ払い状態で歩き続ける憂花のペースにあわせ、リョーマもあるいてくれた。
そんなリョーマに、憂花は少し感謝をしたのだった。



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**アトガキ**


リョーマのフラグしか立ってないってゆ(((((
ま、まぁ……いいk(((
読んでいただき、ありがとうございました!!