二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 金木犀で創るシャングリラ (inzm/小説集) ( No.77 )
- 日時: 2012/04/22 18:19
- 名前: さくら (ID: te9LMWl4)
- 参照: http://www.youtube.com/watch?v
真っ黒な世界。身体が反転した。重力はやはり重力であって、俺の願いを聞き流して使命を果たす。俺は重力という物に逆らう事が出来なくて、墜ちた。
ぐちゃり。
×
落ちるのが怖かった。同時に眠るのも怖かったから、俺は眠くならない様に必死に練習をして逆に眠気を誤魔化した。
眠ると必ずあの時の夢を視る。幼い頃、兄さんとサッカーをしていたあの日の事だ。俺の所為で兄さんは立てなくなった。
だから、罪滅ぼしみたいに俺は毎日兄さんの病室に通い続けている。結局は自己満足だ。何時か忘れられる。自分のやった事は一生償いきれない事だから、少しでも其の罪から逃れたくて、毎日、毎日。
兄さんの手術費が欲しいからと言ってフィフスセクターに入った。身体が悲鳴を上げる事は多々あったが声には出さない。全て兄さんの為に、俺の為に、俺が兄さんという呪いから解放される為に、只管練習に励んだ。
寝たくなかった。俺はまだ中学生の子供だから自分で罪は償えない。俺があの時仮に大人だとしても、一生分の罪を償い切れないまま兄さんという人に縛られて死ななければならないだろう。
俺が寝れば必ずあの時の記憶が先程までかの様に蘇る。だから何より夜が怖かった。
兄さん、兄さん、兄さん、俺、俺の所為。俺が兄さんの脚を殺した、俺が。そうやって今日も俺の意識はあの頃へと飛ぶ。
嗚呼、またあの夢。
真っ暗な世界。身体が反転した。重力はやはり重力であって、俺の願いを聞き流して使命を果たす。俺は重力という物に逆らう事が出来なくて、墜ちた。
怖くて、下までの時間がとても怖くて涙も出ない。
だってそう、何時も落ちる俺の下で待っているのは、兄さんなのだから。
「兄さん退いてくれええええええええええええええ」
叫ぶ俺、そんな俺を見上げた兄さんのする表情は、何時も同じだ。
光の無い瞳で俺を嗤った。そんな兄さんは本当に怖くて、悲しかった。
だから、俺は眠るのが嫌いだ。
(( 落雷インターバル、 ))
240422
今日は塾の試験日でした。
何か兄さんが凄い悪者(・ω・` )
剣城のトラウマネタです。あの二人が幸せになってくれたら何よりです。