二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- ハイスクールD×D 〜孤独の悪魔〜 非日常 壊れた日常? ( No.5 )
- 日時: 2012/02/27 18:48
- 名前: 紙々の黄昏 (ID: UWa9xSxf)
→<閃霞side>→
がばり!そんな音が聞こえそうな勢いで、オレは飛び起きた。普段なら有り得ない事態だが、今回ばかりはそうも言ってられない。
オレは、昨日、殺されたはずなのだから…
しかし、現実生きている。これは一体どういったことか、魔法と云うある種奇跡に、見慣れたオレでも、迷う出来事。まだ夢だという方が納得がいく。だが、それは違うと本能が警鐘を鳴らす。魔法に見慣れたオレだからこその直感だ。そうなると疑問が湧いてくる、それは、どうやって?だ。
ふと、何の気なしに時計をみる。時計が示す時間は、[AM11:57]だった。
「…よし、寝よう」
一つ頷いて布団に入る。
違うぞ!一気に色々あって、疲れただけだ!決して現実逃避じゃない!
そんな、下らない事を考えながら閃霞は眠りについた。
翌日
「ふぁ〜あ、ねみー」
欠伸をしながら考える、やはりおかしい。
朝、普段から朝は弱かった(単純に起きないだけ)が、今朝はそれに輪を掛けて酷かった、今も、朝日が肌に突き刺さる感覚を覚える。
対して、昨日の夜は逆だった。体調どころか眠気も疲れもなかった。
異常だ。これらが、もし、全て当てはまる状況を考えるなら一つだろう。
だが、それはまだ早計だ。もっと、情報を集めてからでも遅くない。可能性だけならまだ、沢山あるのだから。
そんなことを考えていたせいだろう、オレはオレを観察するように
見つめる視線に気付かなかった。
- ハイスクールD×D 〜孤独の悪魔〜 非日常 悪魔 ( No.6 )
- 日時: 2012/02/28 15:57
- 名前: 紙々の黄昏 (ID: UWa9xSxf)
あの日から暫く経った、予想でしかないがおそらく、自分は悪魔になったのだろうという確信に近いものは得た。
それは、今の所隠している。
悪魔だとバレれば、天使、堕天使、悪魔問わず狙われる。そんなのはゴメンだ。
うん、そのはずだ。なのになんで、
「ーーと、いうわけで、僕についてきてほしい」
コイツにこんな事いわれてんだ?
目の前にいるのは、爽やかイケメン。誰だかは知らない。
近くで、キャー!!とか聞こえるが、んなもん無私だ無視。
とにかく、コイツは間違い無く悪魔だ。なんで判るかって?そりゃ、術式見えればわかるにきまってんだろ?
まあ、バレたからには仕方ない。逝くしかないか。(誤字に在らず)
しかし、後ろにいるのは誰だ?いや、目の前にいるコイツもオレは知らないんだけどさ…。しょうがないだろ!めんどくさくて、クラスの奴すら覚えてないんだぞ?他クラスの奴なんか覚えてるわけない。
まあいいか、とにかく、
「わかった」
そう答えたんだが、クラスの奴らも、目の前の奴らも呆然として(驚きすぎて)固まってる。…普段、どういう風にオレが、見られているのかよくわかった。
「あ、ああ、ゴメン。じ、じゃあ、行こうか」
そう言って教室を出て行く、イケメン君にオレはついて行った。
イケメン君に連れ来られたのは、校舎の裏手にある現在使われていない旧校舎。まぁ、古いちゃ古いが、どっかてーと趣があると言える程度、まだまだ使える。
「ここに部長がいるんだよ」
ここまで来る途中でわかったが、もう一人の方も連れてこられたみたいなんだよな。てか、部長って誰さ。
中に入れば、意外と綺麗だ。掃除はこまめにされてるらしい。
色々考えてるうちに着いたらしい。イケメン君は、ある教室の前で止まる。
戸に掛けられたプレートには、『オカルト研究部』そう書かれていた。
…それでいいのか、悪魔。いや、隠れ蓑には最適なんだろうけどさ…。
隣の名も知らぬ奴は、しきりに首を傾げてる。
「部長、連れてきました」
そうイケメン君が確認をとると、「ええ、入ってちょうだい」と女の声聞こえてくる。部長とやらか?
イケメン君が戸を開け、後に続けば、中にあったのは、魔法陣だ、巨大な魔法陣。
更に、室内の至るところに補助、保護の呪文が書き込まれている。
見たところ、転移の魔法陣だ。この規模なら町一つ分は自由に転移出来るだろう。
周りを見てみれば、ソファーに小柄な女の子が一人座っている。
中庭で昼寝するときに、よく見る顔だ。名前は知らない。美少女と言っていいだろうが、当然、悪魔だ。
更に、視線を動かす。よく見れば、幾つか、強力な呪物もある。呪物というのは、儀式を行う際の媒介の事だ。そんな事をしてるうちに、イケメン君が女の子に紹介をしていた。どうやら、もう一人の連れてこられた奴は「兵藤一誠」と、いうらしい。女の子はペコリと頭を下げていた。
「こちらは、桐塚閃霞くん」
またもや、ペコリと頭を下げてる。
「よろしく」
こちらも、返す。それを確認すると、食べていた羊羹をまた食べ始める。
話すのが苦手なのか、話す必要性を感じていないのか。
また、周囲を見渡して思考する。
見渡していると、視界に入るのはシャワーカーテン。
「…いや、なんでさ…」
思わず、突っ込んでしまった。シャワーついた部室なんて、普通ねーよ!付けるんならベットを付けてくれ!寝に来るから!
キュッ。
そんな不毛な事を考えてると、水を止める音が聞こえてきて。
「部長、これを」
女の声が聞こえてきた。
「ありがとう、朱乃」
もう一人、女の声が聞こえてきた。どうも、あの声の主が、部長と呼ばれる人物らしい。で、もう一人は、朱乃という名前のようだ。
「…いやらしい顔」
ポツリと呟く声、声のした方向には女の子がいるはずだ。
別段、何も思うところはない。オレはなにも答えず、思考を続ける。
ジャー。
カーテンが開く、そこにいるのは、紅色の髪の女性。美女と言っていいが、
やはり、悪魔だ。おそらく、彼女が部長とやらだ。
「ゴメンなさい。昨夜、イッセーのお家にお泊まりして、シャワーを浴びてなかったから、いま汗を流してたの」
聞く必要性は感じないので、次の観察を続ける。
「あなたははじめましてよね。私はリアス・グレモリー、悪魔よ」
「ふーん、オレは桐塚閃霞。よろしく」
「驚かないの?」
「慣れてる」
面白い物を見つけたような、表情をしているが、構わず、オレは観察を続ける。
今は彼女の後方にいる女性を観ている。
そちらは、黒髪のポニーテールに和風の雰囲気を持つ女性。朱乃という人物だろう。こちらも、当然、悪魔。
「あらあら。はじめまして、私、姫島朱乃と申します。どうぞ、以後、お見知りおきを」
笑顔で丁寧な挨拶。当然、
「こちらこそはじめまして。オレは桐塚閃霞っていう。以後、よろしく」
それなりに丁寧に返す。面倒でもこういうのは大事だ。たぶん、女性二人は上級生だ。
「こ、これはどうも。兵藤一誠です。こ、こちらこそ、はじめまして!」
一誠は緊張してるらしい。ガチガチになる要素がどこにある?
それを「うん」と確認するリアス・グレモリー。
「これで全員揃ったわね。兵藤一誠くん。いえ、イッセー。そして、桐塚閃霞くん」
「は、はい」
「何の用ですか?グレモリー先輩?」
上、一誠。下、オレである。
「私たち、オカルト研究部はあなたを歓迎するわ」
「え、ああ、はい」
「ッ!まさか」
「悪魔としてね」
ーーっ!
やっぱりか。良いんだか悪いんだか、判らんが、オレを悪魔にした人物が出て来たわけか。
- ハイスクールD×D〜孤独の悪魔〜非日常 悪魔として ( No.7 )
- 日時: 2012/03/01 00:52
- 名前: 紙々の黄昏 (ID: UWa9xSxf)
「粗茶です」
「どうも」
「あっ、どうも」
ソファーに座るオレと兵藤に姫島朱乃先輩がお茶を淹れてくれた。
飲むことにする。
「うまいです」
「…これに昼寝が付けば、オレはひとまずなにもいらないな」
いや、わりとマジで。
「あらあら。ありがとうございます」
嬉しそうに微笑む姫島先輩。笑顔が綺麗だね。
テーブルを囲んでソファーに座るオレ、兵藤、イケメン君、女の子、グレモリー先輩。
オレと兵藤は同じソファーに座っている。
「朱乃、あなたもこちらに座ってちょうだい」
「はい、部長」
姫島先輩もグレモリー先輩の隣に腰をおろす。
そして、全員の視線がオレ達に集まる。
いや、なにさ、これ…。
「単刀直入に言うわ。私たちは悪魔なの」
…確かに、一般人に教えるならそれが一番だが…。オレ?オレは一般人じゃないよ、言うなれば、逸般人。一般を逸脱しちゃった人ね。
「信じられないって顔ね。まあ、仕方ないわ。でも、ーーーー」
この辺はわりとどうでもいいな。兵藤への説明だし、悪魔、堕天使、天使が云々てのは、大体知ってるし。お、この菓子旨い。
まあ、そんな事してるうちに、話しはかなり進んでた。…進んでんだよな?
「彼女があなたに近づいた理由はあなたの身にとある物騒なモノが付いているかいないか調査するためだったの。きっと反応が曖昧だったんでしょうね。だから、時間をかけてゆっくりと調べた。そして、確定した。あなたが神器を見に宿す存在だとーー」
神器ーー。
イケメン君が口を開いた。
「神器とは、特定の人間の身に宿る、規格外の力。例えば、歴史上に残る人物の多くがその神器所持者だと言われているんだ。神器の力で歴史に名を残した」
「現在でも体に神器を宿す人々はいるのよ。世界的に活躍する方々がいらっしゃるでしょう?あの方々の多くも体に神器を有しているのです」
イケメン君と姫島先輩が説明していた。
グレモリー先輩が更に続ける。
「大半は人間社会規模でしか機能しないものばかり。ところが、中には私たち悪魔や堕天使の存在を脅かすほどの力を持った神器があるの。イッセー、手を上にかざしてちょうだい」
どうやら、実演して信じさせるらしい。
「いいから、早く」
その声で、兵藤は左腕を上に上げた。
「目を閉じて、あなたの中で一番強いと感じる何かを心の中で想像してみてちょうだい」
「い、一番強い存在……。ド、ドラグ・ソボールの空孫悟かな」
「では、それを想像して、その人物が一番強く見える姿を思い浮かべるのよ」
「………」
なるほどね。
「ゆっくりと腕を下げて、その場で立ち上がって」
兵藤は、腕を下げて、立ち上がる。
「そして、その人物の一番強く見える姿を真似るの。強くよ?軽くじゃダメ」
……ドラグ・ソボールといえば、花形はドラゴン波だったはず。ここで真似るってほぼ罰ゲームだよな…。
「ほら、早くなさい」
グレモリー先輩、鬼畜だな。←他人事
「ドラゴン波!」
本当にやった。ドラゴン波だ。
「さあ、目を開けて。この魔力漂う空間でなら、神器もこれで容易に発現するはず」
兵藤が目を開けると、
カッ!
兵藤の左腕が光りだす。
光はしだいに形を取り始め、左腕を覆っていく。
光が止んだときには、赤色のかなり凝った装飾が為された籠手が装着されていた。
「な、なんじゃ、こりゃぁぁぁぁぁ!」
叫ぶ兵藤。ウルサい。
「それが神器。あなたのものよ。一度ちゃんとした発現ができれば、あとはあなたの意志でどこにいても発動可能になるわ」
ふーん、武具系神器か。
「あなたはその神器を危険視されて、堕天使ーー天野夕麻に殺されたの」
あの殺された少年は兵藤だったわけか。
「瀕死のなか、あなたは私を喚んだのよ。この紙から私を召喚してね」
そう言って取り出したのは、一枚のチラシ。
その紙には、『あなたの願い叶えます!』という言葉と共に、簡易召喚陣が描かれていた。
「これ、私たちが配っているチラシなのよ。魔法陣は、私たち悪魔を召喚するためのもの。最近は魔法陣を描くまでして悪魔を喚び寄せる人はいないから、こうしてチラシとして、悪魔を召喚しそうな人に配っているのよ。お得な簡易版魔法陣。あの日、たまたま私たちが使役している使い魔が人間に化けて繁華街でチラシを配っていたの。それをイッセーが手にした。そして、堕天使に攻撃されたイッセーは死の間際に私を喚んだの。私を喚ぶほど願いが強かったんでしょうね。普段なら眷属の朱乃たちが呼ばれているはずなんだけれど」
…あれ?
「召喚された私はあなたを見て、すぐに神器所持者で堕天使に害されたのだと察したわ。問題はここから。イッセーは死ぬ寸前だった。堕天使の光の槍に身を貫かれれば、悪魔じゃなくても人間なら即死。イッセーもそんな感じだったの。そこで私はあなたの命を救うことを選んだ」
んー、あー、わかった。ものすごく理不尽で、理解したくないけど。つまり、
「悪魔としてねーー。あなたは私、リアス・グレモリーの眷属として生まれ変わったわ。私の下僕の悪魔として」
バッ!
その瞬間オレ達以外の奴等の背から翼が広がる。
少し間をおいて、
バッ。
オレ達にも翼が広がる。
「そして、あなたもよ。桐塚閃霞くん。あなたはイッセーが殺される瞬間を見てしまったがために殺されたの」
まあ、そうなるよな。
「普通なら有り得ないことなんだけれどね。人払いの結界の中に入っていることなんて。けれど、実際にあなたは入っていた。だから、あなたの命も救ったという事よ」
よーするに、オレは兵藤の面倒事に巻き込まれた挙げ句、殺されて、今また、面倒事に巻き込まれつつあると?更にいえば、オレは兵藤を助けたついで、と。
…………なんか、色々と、やる気なくなってきたな。いや、もともとんなもんに、縁無いけどさ。
「とりあえず、あなたにも有るみたいだから発現しましょうか」
不意に、グレモリー先輩がそんなことを言う。
有る?なにが?
「神器よ。あなたにも神器が有るの。そうじゃなければいくらなんでも助けたりしないわ。タダじゃないんだから」
…まあ、そりゃそうだ。
「じゃあ、さっき、イッセーに言った通りにやってちょうだい」
最強を想像しながら、立ち上がる。ふと、脳裏にある言葉と、情景、そして、一人の後ろ姿が浮かんできた。気づけばオレはそれを唱っていた。
「Oneself is the only unmanned,
(我が身は無数にして唯一)
spend eternity in a moment and then infinite, there is nothing,
(無限にして無人、一瞬にして永遠の時を過ごす)
there is not any where,champion worthy of an absolute one,
(そこは何処にもなく、何もない)
play the clown in the land of loneliness.hence the numernus,
(絶対足る覇者は一人、孤独の大地で道化を演じる)
meaning is not required in his life,
(故に、その生涯に意味は不要ず)
someting that solves things by means of knitting "all the expressions"
(そのモノは、以て『全ての式』を解き編みしモノ)
その瞬間、オレは『全てが理解できた』。
「何もおきないわね…。もしかしてはずれ?いやでも、
それならあれは一体?」
落胆したような様子を見せてから、なにか考えるグレモリー先輩。
「まあ、とりあえず置いておきましょう」
区切りをつけると紹介を始める。
「改めて紹介するわね。祐斗」
「僕は木場祐斗。兵藤一誠くんと桐塚閃霞くんと同じ二年生ってことはわかってるよね。えーと、僕も悪魔です。よろしく」
どうやら、イケメン君は木場祐斗というらしい。知らねーや。
「……一年生。……塔城子猫です。よろしくお願いします。……悪魔です」
女の子は塔城子猫というようだ。
塔城は小さく頭を下げる。
「三年生、姫島朱乃ですわ。いちおう、研究部の副部長も兼任しております。今後もよろしくお願いします。これでも悪魔ですわ。うふふ」
相も変わらず、礼儀正しい姫島先輩は深く頭を下げる。
最後にグレモリー先輩。紅色の髪を波の様に光を反射させながら、堂々と言う。
「そして、私が彼らの主であり、悪魔でもあるグレモリー家のリアス・グレモリーよ。家の爵位は公爵。よろしくね。イッセー、センカ」
色々わかったのはいいが、どうやら、これから逃れることはできそうもない。嗚呼、オレの平穏が、睡眠時間が…。