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「Family」

　　　　　　　　　——————prologue






この世界では、力って言うのは必要不可欠になっている。

お金であれ、暴力であれ、生きていくためにそれは必要。はっきり言えば、生きたいなら何が何でも力を手に入れなければならないご時世、ということだ。


だからこそだろう。この世界に、マフィアなんてものが蔓延る様になったのは。
武器を作っては奪い、お金を使っては奪いを繰り返す、何の意味もない、力だけの集団。
奪って奪って喜んでのし上がっていく。そんな奴らの脳なんて、多分いかれている。一般人はだれもがそう思う。

しかし、マフィアが生まれて何十年。政府すら尻込みするほどマフィアが力をつけてしまい、治安が最悪とも言うべきものになった頃。

新たな思想を持ったマフィアが生まれ出したのは。
護るべきものを護る、そのために力を使う、そんな市民からすれば夢のようなマフィア。


新たな思想を持った彼らは、今までのマフィアからすれば異常でしかなかった。


彼らが支配した領地の市民は驚くほど穏やかな生活を送れる。それほどの彼らの力。



マフィアは領地の人々を「Family」と呼ぶ。しかし、それはただのしきたりのようなもの。しかし、彼らは護るべきものを本当に、大切にしている。それは、本当の家族「Family」のごとく。