二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 風の守護者とプリンと風紀、 / REBORN ( No.6 )
- 日時: 2012/05/09 20:28
- 名前: なゆ汰 ◆TJ9qoWuqvA (ID: w0.JbTZT)
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短編 / 夢心地カプチーノ
「恭弥くん、今日も随分咬み殺してきたんですね」
「まあね。着替え、持ってきてくれる」
応接室でうとうととしていたら、恭弥くんが沢山の返り血のついた服を着たまま帰ってきた。きっと今の恭弥くんを見た人はびっくりしたにちがいない。だって血がついてるんですからね、しかも他人の。
私は急いで予備のカッターシャツを持ってきた。渡すときにトンファーも預かって、ぬらしたタオルで血をふき取る。
応接室はいつのまにか鉄の臭いが充満していて、思わず顔をしかめた。
「血の臭い、気持ち悪いです」
「我慢しなよ。僕もくさいと思ってるんだから」
「元々は君が返り血をつけてきたのが悪いんですけどね。返り血がつかないように上手く咬み殺していただけますか?」
「むり」
恭弥くんはそう一言だけ言って、給湯室にはいっていった。何か食べたいのならいってくれたらよかったのに。
そう思っていると恭弥くんはしかめっつらのまま給湯室から出てきた。水の入ったコップを片手に持っている。
「疲れた。寝る。」
「え、あ、おやすみなさい…?」
水を飲み干したと思ったら、急に私の膝を枕にして横たわった。
正直やめてほしいと思う。此の人は自分の頭の重さをわかっていないのだ。頭というのは何キロもあるんだぞ。知っているのか。
しかも恭弥くんは葉の落ちる音でも目を覚ますから、恭弥くんを膝枕している間は音も立てずにじーっとしていなければならない。
「…はあ、寝ちゃいましたね」
すうすうと寝に入った恭弥くんの顔をまじまじと見つめる。いつみても綺麗な顔だ。かなりうらやましい。もう一度いう。かなりうらやましい。私にもその美貌を分け与えて欲しいものだ。
ああ、もう膝がしびれてきた。けれどこんな時間も、いいかもしれない。もうすぐ未来篇だ。ミルフィオーネと戦わなければならない。
つかの間の幸せを。
(なんか、夫婦みたいですね)
頭の中だけでぽつりと呟いた声は、誰にも拾われずに。
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時間軸としては未来篇の前