二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 名探偵コナン —最後の銀弾(シルバーブレッド)— ( No.108 )
- 日時: 2012/10/11 18:18
- 名前: 未熟な探偵シャーリー ◆CwIDAY6e/I (ID: YxL1EeSq)
- 参照: 更新とまってました。すんません。
本編の更新しばらく出来そうにないので…サイドストーリーみたいなの書きますね。
和葉と平次が東京に来る前のお話です。
和葉目線のストーリー、そして少女漫画ちっくになると思います。
苦手な方は見ないほうが宜しいかと…。
んでもって、どこかにおかしな関西弁あると思います。
まぁイラつかないで見てくださいな。
Special File 和葉の恋
あたしは改方学園二年、遠山和葉!!
なんとあたしは関西で有名な服部平次の幼馴染やねん!!
……とか少女漫画ちっくに語ってみたけんやけど、なんや気色悪いな。
このストーリーは東京での連続殺人事件が起こる前の平次とあたしの話。
***
「松坂さん、あんたが犯人や!」
平次はビシッと松坂さんを指差した。
「お、俺やない!なんで俺が原野を殺すん!?証拠でもあるんか!?」
「あぁ、あるで……。松坂さんのそのシャツの右の袖口になぁ!!そこに原野さんの血痕がついてんで」
揺るがない証拠を指摘された松坂さんはガックリ肩を落とし、警察に連行されていった。
翌日、あたしが教室に行くと、早速平次の周りに人がたかっていた。
いつもの事なんやけど、……男はともかく、女子にちやほやされてんの見ると、偉く腹立つねん。
「服部君!昨日も事件解決したらしぃな!!」
「ほんま服部君すごいわー!!そんな服部君の友達になれて、あたしムチャクチャ幸せやわー」
最後の「やわー」って語尾んところにハートマークがついてるようでほんま腹立つ。
で、特に何が腹立つかって言うと。
「そうかそうか!いやー、あの事件はちょろいもんやったわ。ま、あの事件くらいなら俺がおらんくても、すぐに解決してたと思うでー」
そう、当の本人が女子にチヤホヤされて鼻の下のばしてるところが、ごっつ腹立つわ。
でもな、そういう時でも
「おう、和葉」
ちゃんと朝、挨拶してくれんねん。
「全く、朝からクラスメイトにチヤホヤされて……鼻の下のびてんで、平次」
「鼻の下なんかのびてへんて。俺の人気ぶりに嫉妬するんは構へんけど、それを露骨に言うのやめてくれへん?」
「だーれが、アンタに嫉妬するか!!」
あたしは両方の頬を膨らまして席についた。
ほんま相変わらず口悪いわぁ……。
幼馴染から彼氏彼女って、やっぱなれへんのかなぁ。
その日の合気道から帰ってくる途中の公園で二人の影が見えた。
またどっかのカップルがおるんやろうなぁ、思て通り過ぎようとした。
「も、もし良かったらなんやけど付き合ってくれへん?」
まさかの公園の二人組みはまさしくカップル誕生の瞬間か、失恋の瞬間!!
例え他人であろうと、告白の行方は気になったあたしは物陰に隠れて相手の返事を待った。
「ごめん、無理やわ」
その声を聞いて、あたしの心臓がふっとい矢にさされたんとちゃうかと思うぐらいに打った。
平次やんけ。平次がどこぞの女に告られて断ってる!!
「そ、そっか……。好きな人、おるの?」
い、いや、落ち着けあたし!
声が似てるだけの平次じゃない別の人物かもしれへんやん!
「おる」
「そっか、わかった……。ごめんね」
ふられた女の子は私のすぐ横を走り去ってった。
私はこっそりとその場をあとにした。
もしあれが平次やとしたら……好きな人おんねや。
あの子でもない好きな人がおるんや。
私の知らない好きな女の子が。
胸がズキズキと痛む。
即効で家に帰って、あたしはベッドにダイブした。
でも、すぐに。
「和葉、これ平次君とこに届けてくれへん?」
「なんやぁ、もう」
お母さんが部屋に入ってきよって、私に袋を差し出した。
中身を見るとコロッケが入ってた。
「こんなん自分で届けに行ったらええやん」
「お母さん、9時半から見たい番組あんねん。見逃すの嫌やねんて。このコロッケむっちゃ美味しいからお裾分け。ほな、お願いね」
「……はぁい」
あたしは立ち上がって、平次の家に向かった。
インターホンを鳴らすと平次のオカンが出てきて、すぐに玄関にきてくれはった。
「和葉ちゃんやないの」
「これ、あたしのお母さんがむっちゃ美味いからお裾分け言うて……。ま、あげます」
「あらーありがとー。ちょっと上がってく?」
「あ、ハイ、そうしますー」
あたしはお邪魔します、と言って家にあがった。
そういえば、平次の家にくるの久々やったな。
あたしは平次がいる部屋まで忍び足で行って驚かそうとした。
「平次ーいるー?」
「うわぁっ」
ベッドで横になって何かの雑誌で見てた平次は勢いよく飛び上がった。
「なんや和葉か……」
「なんやってなんやー!そないに驚かんくてもええやん」
「何しにきてんねん」
「コロッケお裾分けしてきてん」
「んじゃ、早よ帰ればええやん」
「別にええやんか」
しばらく無言でいて、あたしはさっきの告白がほんまか聞くことにした。
「平次、さっき告白されてたんとちゃう?」
「んな!」
平次は慌てた様子であたしを見た。
ほんまやったんなぁ……。
「何盗み見しとんねん」
「たまたま視界に入っただけや!あと、たまたま聞こえた!!」
本当は意思で聞いたんやけど、それ言うたらアカンわ。
平次は顔をしかめた。
「好きな人おんねんな」
「そこまで聞いてたんか」
「聞こえたんやって!なぁ、平次の好きな人誰なん?」
「……」
「なぁ誰なん?」
「じゃあかしぃ!俺勉強するわ!もう帰れ!」
「なんやねん!あたしは平次の事————」
そう言いかけて口をつぐんだ。
「なんや、オレの事がなんて?」
あたしはすぐに苦笑いを浮かんだ。
「やっぱなんもない!」
「なんやねん。せや、今度俺東京行くやねんけど、お前も来るか?」
今は平次といるだけで幸せや。告白なんて今はどうでもええか。
「行くっっ!!」