二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 名探偵コナン —最後の銀弾(シルバーブレッド)— ( No.80 )
- 日時: 2012/09/14 11:04
- 名前: 未熟な探偵シャーリー ◆CwIDAY6e/I (ID: YxL1EeSq)
File16 収穫は
「っ!」
ベルモットが振り返った場所に、両手をポケットにつっこんで微笑を浮かべているコナンが立っていた。
「やっぱりな」
「……あら、何かしら?」
ベルモットはニヤリとしてゆっくりとバイクのほうに歩き出した。
コナンもそれに続いた。
「明らかに顎の下にゴムのようなものがめくれていたんだ。博士には見えなくても、子供目線の俺からにはわかる。俺たちがここに来てることを博士のビートルで知って急いで変装したんだよな?だから少しめくれていた」
「それだけで、私だとわかったの?」
バイクによりかかり、コナンを見つめる。
「放火事件の前にここが組織がいたところだってわかってたからな」
「ちょっと、何でここが組織がいたところなんてわかるの?」
「色々あってね」
コナンは決して愛莉から聞いたとはいわなかった。言ったところで、彼女に危険が迫るのは眼に見えてる。
「ふーん、まあ、敵に情報漏れはしたくないからね」
「お前はなぜここに来た」
「探し物よ。見つからなかったけど」
ベルモットはヘルメットをかぶり、バイクにまたがった。これ以上長居する気は無いという事を悟ったコナンは手短に尋ねた。
「何の探し物?」
「……」
ベルモットは一瞬言うか迷ったが、ため息と共に口を開いた。
「メモリカードよ。組織の情報が入った。一個ないの」
「メモリカード……。どんな情報が入ってるんだ?」
「無くしたものによるけど、例えば組織のメンバーの名前だったり、アジトの場所とか……。あなた、見なかった?」
「い、いや……」
コナンはベルモットに悟られまいと平然をなんとか装った。
「にしても、バカな話よね」
「何が?」
「今回無くしたメモリカード、ジンも私も他の誰かもパスワードを知らないのよ。そのメモリカードを管理していた人間が、この情報を売ろうとした所を捕まえられて、その場で自殺。パスワードをかいたメモなんてあるわけないし……。じゃあね」
ベルモットはそう告げてからエンジンの音を轟かせて去ってしまった。
コナンはそのことについて聞きたいこともあったが、断念し、携帯で別の場所に移動していた博士達を呼んで帰る事にした。
今回の収穫は0でもないが、1でもない。
もっと調べる必要があるな、と帰りの車でコナンは考え込んでいた。