二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 織田信奈の野望 うつけ姫と未来の最強軍人 ( No.4 )
日時: 2012/11/04 14:47
名前: ぜにがた (ID: .mrUqyHH)

龍介は、後ろに気付かれずに立たれたことに対して、ほとんど反射的に対応した。
しかし、横目でナイフの終着点を見た龍介は、ぎりぎりのタイミングでナイフをとめた。
なぜなら、そこには黒装束に身を包んだ赤目の(顔をマスクで覆っているのでよくは分からないがおそらく)少女が立っていたからだ。
ナイフは少女の首筋、5センチほどの場所で止まった。
龍介は刃を突きつけたまま聞いた。

「お前は誰だ?さっきのセリフからすると、藤吉郎のおっさんの知り合いか?」

すると少女は、ナイフに対して恐怖を微塵も見せずに腕を組んだ。

「拙者の名は蜂須賀五右衛門でござる。木下氏の相方でごじゃった」

かんだ。聞き間違いではない、確かにかんだ。
まっ、味方ならいいか。
龍介はドカッ! と胡坐を組んだ。

「見た感じ、そのー、五右衛門ちゃんは忍びかなんかか?」

「うにゅうぅぅ。ちゃん付けはやめてほしいでござる」

マスクの下で五右衛門の顔が、ポッと赤くなった。
この辺りを見ていると、ちゃんとした子供に見える。

「分かった分かった。で、忍びなのか?」

「読みどうり、忍びでござる」

「じゃあもう一つ、主人が死んだらどうするんだ・・・?」

すると予想していたが、衝撃の言葉が

「木下氏の夢を継いだあなたが新しい主人、とゆうことになりますでちゅな・・」

チャンチャーン!五右衛門が仲間になった!
(・・・って、そうじゃねーし!確かに今の俺にはありがたいけど!)
頭を振り、現実逃避をしようとした意識を、無理やり戻した。

「わりぃけど、俺は何もできねぇぞ」

「織田家に行って雇ってもらえばいいでござる!」

「俺みたいな得体の知れないやつでも雇ってもらえるからか?」

龍介はため息紛れに言った。

「おぉ!、よく知っていますな」

「ハハッ・・まあな」

さすがに未来で知ったとは言えまい、っていうか信じてもらえるのか?
なれた動作でナイフをしまうと、バックからすね当てと肘当てをとりだした。

「さて、そんじゃ戦場にでも繰り出してみますか?」

「鎧もなしに行ったら、あぶないでござるよ」

右手を握ると、自分の胸をドン!と叩いた。

「この服はな、みためによらず鎧よりも強いんだぜ?大丈夫さ」

そう言いながらしゃがむと足軽五人から、脇さしの短いほうを頂戴した。
そしてそれをベルトの間に挟みこむ。

「よし!ではいきますか」

龍介は少し姿勢を低くして藪から出て行った