二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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【07-GHOST】 闇に舞う蝶の行く先
日時: 2010/03/12 19:53
名前: 獅堂 玖赦 (ID: 6Yf0UZnU)

ども!! はじめまして、獅堂 玖赦と申します。
知ってる人少ないかもだけど、

07-GHOSTの二次小説書かせていだだこうかなァと思います!!
ちなみに長編、滅茶苦茶長い。
ご覚悟をよろしくお願いします。

アーンド 作者の趣味入りまくりの小説なんで
温かい目で見守ってやってくだせぃ。

て訳で、
「闇に舞う蝶の行く先」
お楽しみ下さい。

■闇に舞う蝶の行く先■
Kapitel.1

■お客さん■

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Re: 【07-GHOST】 闇に舞う蝶の行く先 ( No.1 )
日時: 2010/03/12 20:18
名前: 獅堂 玖赦 (ID: qK7zPu7S)

Kapitel.1 「空」

季節は春。
心地良い風に銀色の髪が揺れる。
桜の花も満開を迎えていた。
俺は高く昇った太陽に掌を向けた。
「春、良い季節だー……」
寝ぼけた頭でそんな事を呟きベッドから起き上がる。
ピンク色の花びらがひらりひらりと目の前に散る。
足元には蝶が。
なんとも良い光景だ。
俺は寝間着を脱ぎ捨て、白いワイシャツに黒いネクタイを軽く締め、ドアを開けた。
「今日はどこへ幸せを運ぼうか」
俺の今住んでいる場所は二区の郊外。
俺は今まで第七区から二区まで旅をしてきた。
名付けて「幸せ運びの旅」だ。
寄る所々で得意の手品やお菓子を配り歩いてきた。

「次なる目的地は、第一区“ホーブルグ要塞”かな」

あそこは選ばれた軍人の入る特別要塞。
頭の堅くなったお偉いさん方に笑顔になってもらおうじゃないか。
この浅はかな俺の考えが大きな波紋を呼ぶ事になるなんて、この時は気付きもしなかった。

ホークザイルを飛ばし一気に第一区まで。
時間はそう掛からなかった。
しかし問題はここからだ。
「どうやって要塞に入るか。だよな……」
ホーブルグ要塞のセキュリティーはそう簡単には破れない。
中に入れたとしてもすぐに捕まってしまうだろう。
それは出来れば避けたい。
俺が頭を悩ませていたところに軍人らしき人物が要塞内から出てくる。
どうも機嫌が悪いようだ。
「んー。一番手っ取り早いのは、軍服、盗む。かな?」
ナイスアイデアと自分を褒め、俺は軍人に近づく。
「どもー。幸せ配達人でーす。軍人さん、機嫌お悪いようですね?」
そう声を掛けると軍人は眉を寄せ怒鳴る。
「私に話しかけるな!! 今、非常に虫の居所が悪いのだっ!!」
あー偉そう。
俺、こういう人好きじゃないんだよなー。
て訳で、作戦決行しちゃいましょう。
「レッツ、マジックショー!!」
俺はその掛け声と共に軍人との距離を縮める。
「なっ」
彼が驚いている隙に服を掠め取る。
呆然と立っている軍人に手を振りながら俺は要塞近くまでホークザイルを飛ばした。
「じゃーねー。機嫌最悪の軍人さん」

   *

カリカリとペンの走る音が室内に響いていた。
六つの机が並んだ部屋の机それぞれがペンを走らせている。
ただ一つの机を除いてだが。
「アヤたーん。人斬りたいー」
物騒な事を言うサングラスの男は机の上に溜まった書類に顔を伏せていた。
「死にたいか。ヒュウガ」
そう言う男の瞳は冷たく、しかし綺麗なアメジストの色をしていた。
「ヒュウガ、僕が一息に殺してあげようか? ねぇ、ハルセ?」
紫色の髪を三つ編みにした子がそう笑顔で告げる。
「い、いけませんよクロユリ様。やるなら仕事を終わらせてからにしてくださいね」
ハルセと呼ばれた蒼の髪の青年は焦ったようにそう言う。

「空、雲ってきましたね。雨でも降ってきそうです」
「ホントですね」
金髪の青年と落ち着いた雰囲気の男性が今までのやり取りを完璧に無視し、そう言った。
「ねぇ、コナツ。俺のべグライターなのに庇ってくれないの?」
ヒュウガがサングラスの向こうの瞳を涙ぐませて呟いた。
その会話を無視するかのようにその部屋にいる六人は空を見つめた。



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