二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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【NARUTO】 〜木の葉の白と黒の牙〜
日時: 2010/04/11 18:21
名前: 空 ◆EcQhESR1RM (ID: MQ1NqBYl)

 今、あいつは木の葉で忍者ごっこをしているんだろうね〜……。

 リンネは、ゆっくりと流れるマシュマロのような雲を眺めて、思っていた。

 そうだ。あれから、木の葉の暗部を抜けて抜け忍になったあの日から、もう二年……いや、三年経つのか……。

 あの時のアイツの顔を今でも思い出す。

 必死に私の名前を叫んでいた。それと共に「行くな」と必死に叫んでいた。

 しかし、その声に背を向けて木の葉から飛び出した。

 なぁ、恨んでるか? 私を。

 あの時は、そうするしかなかったんだ……。

 なぁ……カカシ……。

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Re: 【NARUTO】 〜木の葉の白と黒の牙〜 ( No.1 )
日時: 2010/04/11 18:23
名前: 空 ◆EcQhESR1RM (ID: MQ1NqBYl)

はぁーい! こんにちは!
作者の空です!

えぇっと、なんか分かっちゃってる方もいると思うんですけど、同時連載してます。

ブリーチとD灰です。
なんか、ちょっとお話が連結しちゃってる場合があるんですけど、まぁ気にしない程度なんで、ついていけます!

荒らし等の迷惑スレはやめましょう。

それでは、お話を進めていきましょうか!

Re: 【NARUTO】 〜木の葉の白と黒の牙〜 ( No.2 )
日時: 2010/04/11 19:11
名前: 空 ◆EcQhESR1RM (ID: MQ1NqBYl)

「今、木の葉隠れに大蛇丸が襲っているらしい!」
 砂隠れのラーメン屋に、そんな噂が飛び込んできたのは、丁度お昼時のいっぱいの客で混んでいる時だった。
 ざわめくこの場。
 砂隠れと木の葉隠れは隣同士の里。
 木の葉の飛び火がいつここに来るかわからない住民は、お代も払わないで外に飛び出していった。

 そして、外を見て見える筈もない木の葉隠れを見ようと、精一杯背伸びをする。
「こらー! 食い逃げをするなー!」
 リンネは、ラーメン屋のおじさんの怒号を聞きながら、お代を払う。

「りんねさーん! ちょっと連れ戻してきてくだせぇー。あいつら、きっとお代を払ってないことを忘れて、すぐにふらっとごっかへ行っちまうでさー」
 おじさんが、リンネに言う。
「ああ、いいだろう」


 彼女の名前は、すずの リンネ。
 真ん中分けをした黒色の綺麗な髪の長い女だ。
 リンネは後ろに腰に差さってある大きな扇子を取り出す。
「縮小舞(しゅくしょうまい)!」
 大きな声と共に、どんどん扇子が小さくなったかと思うと、片手で大きく扇子を広げる。

 そして、大きく横に一振りすると、凄まじい突風が駆け巡り、店の前で背伸びをしている客、どさくさに紛れて食い逃げしようとしている客を、すべて店内に連れ戻した。

「皆さん! ちゃんとお代は払いましょう」
 リンネが笑顔で客に言うと扇子を元の大きさに戻し、背中に差した。

Re: 【NARUTO】 〜木の葉の白と黒の牙〜 ( No.3 )
日時: 2010/04/22 14:21
名前: 空 ◆EcQhESR1RM (ID: 9qYqZOsB)

あげますねw

Re: 【NARUTO】 〜木の葉の白と黒の牙〜 ( No.4 )
日時: 2010/04/22 15:15
名前: 空 ◆EcQhESR1RM (ID: 9qYqZOsB)

 木の葉隠れの隣に位置する砂隠れの里。
 この里には、神と崇めている木の葉の抜け忍がいる。
「いやぁー! さすがリンネ様だぁー!」
 ラーメン屋の店長が包丁で麺を切りながら言う。
「それほどでもないさ。それじゃぁ、お代はここに置いとくよ」

 リンネは笑顔でカウンターにお金を置く。
「いいよ、お代なんて! ちゃんとお客さんを連れ戻してくれたお礼さ! 受け取ってくれ!」
 目が垂れさがり、口角がキュッと上がるとつられてリンネも笑った。

「それじゃぁ、お言葉に甘えて奢(おご)らせてもらうよ」
 リンネは、カウンターから立ち上がる。
「木の葉は、大蛇丸の襲来で大変なことになってるらしいねぇ〜。このご時世、夜の一人歩きが恐くなってきたよ、まったく……」

 店長は焦点の合っていない遠い目をすると、ため息をついた。
 そのため息を聞いていたリンネは一瞬止まると、また歩き出して扉を閉めてしまった。


 木の葉隠れ——。
 リンネは、その名前を聞かないようにしていた。
 木の葉隠れの隣の砂隠れで、今はこうやって平穏無事に暮らしているものの、いつ抜け忍を捕まえに追い忍が来るかわからない。
 木の葉隠れには、いい思い出もあったが悪い思い出しかリンネは出てこなかった。

 木の葉隠れの抜け忍になり早六年。
 確かに、木の葉の抜け忍になってしまったが、生まれ育った里が大蛇丸という部外者に滅ぼされようとしている。
「聞いたか? 木の葉隠れの忍者達は他の患者に手がいっぱいでどうする事も出来ないんだとさ」

「このままじゃ、木の葉隠れは壊滅するぞ!」
「この世界を築き上げてきた木の葉隠れも、もうここまでか……」
 さっきのラーメン屋しかり、商店街には様々な思惑が飛び交っていた。
 リンネは、商店街の一本道の真ん中に立ち止まり、周りを見渡す。
「もうここまで噂が届いているのか……」

 住人同士で耳打ちをして、このままどうなるのか思案顔にふける住人達。
 この砂隠れにも、とばっちりが来るのか怪訝な顔をしている。
「木の葉隠れ……」
 もう絶対に口にしないだろうと決めつけていたこの言葉を、ゆっくりと呟く。
 リンネはゆっくりと目を瞑った。

 まぶたの裏で、目に見えない筈の木の葉隠れの情景が浮かぶ。
 そこには、カカシという名の上忍も闘っているのだろうか……。
 一緒に共に闘う日が来るのか、それは今なのか?
 自分で自問を繰り返すリンネ。

 果たして、自分を信頼していた数々の人間を裏切って木の葉に背を向けた私に、また木の葉に訪れる権利はないのか……否!
 リンネはゆっくりと目を開けた。
 そこに不安の色はない。
「木の葉か……久しぶりだな……」

 蛇のように舌を出すと、リンネは走り出した。
 チャクラを一瞬にして練り上げ、足に溜める。
 そのチャクラコントロールは、数々の修羅場をくぐりぬけた上忍の技だ。
 商店街の家を、屋根から屋根へ移り木の葉隠れへ急ぐ。
 今、リンネの血には久しぶりの闘争心がよみがえっていた。

Re: 【NARUTO】 〜木の葉の白と黒の牙〜 ( No.5 )
日時: 2010/05/01 17:09
名前: 空 ◆EcQhESR1RM (ID: sq.MYJuj)

 木の葉隠れと砂隠れとの距離は、一度も休まず進んだところで三日はかかる。
 しかし、この長い距離をたった数時間で木の葉隠れに辿り着いてしまうのは——……。
「あぁ〜あ……。木の葉も堕ちたもんだねぇ〜」
 大木の天辺に登り詰めたリンネが呟いた。

 目の前に広がっているのは、大蛇丸の大蛇によって木の葉隠れが荒らされている姿。
 逃げ惑う人々、大蛇を止めようと必死の上忍、血と薬の匂いが充満している病院……。
「今や大きく発展したこの里も、数匹の大蛇も止められないのか……」
 リンネは、頭を抱えてため息をついた。

 前を見据える。この悲惨で残酷な現状を。
「……やるしかないか。目の前で生まれ育った里が死んでいくのは、ヤダからね。いくら——いくら私が抜け忍だからって!」
 リンネは、思いっきり太い枝を蹴った。


「くっそ……!」
 カカシの頭から血が滲む。
「今、上忍不足で里が回らないというこの時に、大蛇丸……」
 カカシがクナイを投げつけると影分身が煙となって消えた。

「ハ! 呟きが聞こえちまったぜ? カカシ」
 ガイが背中合わせで印を結ぶ!
『火遁・豪火球の術!』
 二人は、背中合わせになってかかってくる砂隠れの中忍を相手に、ここ中忍試験会場で暴れていた。
『千鳥!』

 千鳥を発動すると目にもとまらぬ速さで中忍を切っていく。
 赤い写輪眼を発動し、片目はつぶっている。
 カカシは、不意に下を見る。
 そこには、黒く大きな影が。それはカカシの影をすっぽりと隠している。
「カカシ! 離れろ!」

 ガイが叫んだ瞬間、地面を蹴るとそこには一匹の大蛇の頭が落ちてきた。
 ズンという地面が一瞬下がったような地響きがなる。
 それは、戦闘で緊張している糸がプツンを切れた瞬間だった。


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