二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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澄んだ瞳の色は雲を覆う大空となる—REBORN—
日時: 2010/05/10 13:59
名前: 消失 (ID: X9/3/8Rv)

クリック有難うございます!

今回は主人公が訳アリで転校。
雲雀さん寄りだと思います。
シリアスとか無理って言う方は、Uターン御願いします。

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Re: 澄んだ瞳の色は雲を覆う大空となる—REBORN— ( No.9 )
日時: 2010/05/10 16:35
名前: 消失 (ID: X9/3/8Rv)

第六話 虹と除外


次の日は、休みだった。

暇だったので、昨日の事を考えながら歩いていた時——。
「お前が赤陰錬か」
「・・・赤ん坊?」

何で赤ん坊が歩いている訳?

とか想いながら、ボォっと空を見ていた。
「オイ、お前、赤影家の人間だろ」
「・・・何でソレを?」

僕は嫌な顔をした。

あからさまに。
「・・・だが、赤陰家を見てもお前の名は出てこなかった・・・赤陰家の血を引いておきながら、不明とは・・・お前は何者何だ?」

「・・・僕は除外された存在だ」

「・・・除外?」
僕はフイッと顔を背け、足を進めた。
赤陰家にさえ、除外された存在なんだよ、僕は・・・。



「・・・」

ある一つの木の前に僕は止まった。
桜の木・・・。
桜の花びらが美しく舞う。
僕は木の幹に振れながら眼を閉じた。

「・・・」
『お前・・・何でこんな事をしやがる!』
『・・・この、殺人者がッ・・・』
(赤陰家は皆殺人者だ・・・)

『アンタなんか誰も必要としてないのよ!』

「誰も、必要としていない・・・」

《——————》

誰かが、何かを言った気がした。

Re: 澄んだ瞳の色は雲を覆う大空となる—REBORN— ( No.10 )
日時: 2010/05/10 17:07
名前: 消失 (ID: X9/3/8Rv)

第七話 妙な心情


あの後、僕はウロウロと町を歩いた。

もう何も考えたく無いから。

すると血のにおいがした。

顔をしかめる。
どうやら裏通りかららしい。

「・・・何やってるんですか・・・」
「何って咬み殺してるんだよ」

風紀委員長が居た。
倒れている不良たちをバックに。
僕は頭がくらくらし始めた。
鼓動が早くなる。

《もう一ヶ月も殺して無いんだ。少し位殺せ》

「・・・ッダメだ・・・」
「どうしたの?」

僕はしっかりと自我を保ちながら彼の顔を見る。
「・・・もう、帰ります」
「あ、ちょっと待ちなよ」
「・・・何ですか」
僕は顔をゆがめた。

「キミ、決めたの?」
「・・・まだです。だから、もう、帰らせてください」
「・・・判ったよ」



彼が帰って言った後で、僕は何故か空白を感じた。
何故だろうか。

僕はそんな空白を感じながら、歩いた。

「委員長、お疲れ様です」
「・・・草壁」
「何ですか?」
「・・・何でもないよ」

僕は妙な感情を抑えながら、並盛中へ向かった。



「・・・ハァ・・・」

僕は溜息をつきながら、歩いていた。
「お、・・・刹那」
「・・・山本」
山本が僕の家の前に居た。

僕は少し溜息をついて彼の表情を見る。

「何?」
「いや、その、昨日の事で・・・な・・・」

僕は興味なさそうにしながらも家の鍵を開けた。
「お前は・・・お前は何も教えてくれねぇのか?」

ピタッ——

「・・・ああ、そのつもりだよ」
「・・・!」

僕はそのまま、家に入った。

Re: 澄んだ瞳の色は雲を覆う大空となる—REBORN— ( No.11 )
日時: 2010/05/10 17:24
名前: 消失 (ID: X9/3/8Rv)

第八話 陰


「・・・」
「お、おはよ、刹那」

ギクシャクと、山本は挨拶をした。

僕はソレを無視する。
鞄を机の上において、イスに座り込む。
「・・・」
僕は窓の外を見た。

     —ザァァァァアアアア・・・

屋上の上———黒い人影は、ニヤリと笑った気がした。

ゾクッ——。

「・・・!」

—ガタッ

「刹那?どうしたんだ?」
「な、何でもない・・・」

何でアイツが?体が小刻みに震えるのを感じて僕は震えていた。

「刹那、おはよう」
「・・・風紀委員長さ「雲雀」・・・雲雀さん」
僕は言いなおして雲雀の顔を見た。

「決めたの?」
「・・・ハイ。入るのは、よしておこうと思います・・・」
「何でだい」

僕はスッと眼を一瞬閉じて開けた。

「・・・——僕に関わることが間違いなんです。関わらないで下さい」

「・・・」
僕は席を立ち、教室を去って行った。
「・・・刹那は何で何も言ってくれねぇんだ・・・」

絶望した表情で山本武は呟いた。

「・・・」

そういえば、明日。


夏祭りがあったっけ・・・刹那を誘ってみるか・・・。

Re: 澄んだ瞳の色は雲を覆う大空となる—REBORN— ( No.12 )
日時: 2010/05/10 17:46
名前: 消失 (ID: X9/3/8Rv)

第九話 約束


「・・・夏祭り?」
「うん、キミも行って見ない?」

刹那はフゥン、と興味なさそうにアイスをなめながら僕の表情を見ていた。

すると刹那は急に曇った顔つきになって、

「・・・それって・・・浴衣とか着物とか着ないといけないんですか・・・?」
「・・・当たり前でしょ」
すると刹那は困った風に黙り込み、口を開けた。

「・・・実家に戻らないといけません。」
「・・・実家?」

別居していたんだ、刹那。
だけどそれに困った風に顔つきをまた変える。

「・・・——雲雀さん、明日、ですよね」
「まぁね」
「——いいですよ。息抜きになりますし」

そう言って席を立った。

「明日、校門前で」



「雲雀さん!明日、俺と夏祭り行きませんか?」
「・・・」
「雲雀さん?」

僕はボォッと資料を眺めていた。

「・・・明日、僕刹那と回るから」
「・・・また、刹那ですか」

彼がギリッと歯軋りをしたのがわかった。

「・・・」



「・・・実家・・・」

正直帰りたくも無いけど、帰らないといけないしな。
僕はそんな事を考えながら、廊下をウロウロしていた。

「テメェ!またいちゃもんつきに来たのか!」

獄寺がほえたが僕はスルーした。
「スルーするな!」
「・・・」
スタスタと歩く僕に獄寺はいきり立つ。

「・・・陽炎・・・」

ボァッと僕の周りを黒い炎が包み、弾けた時には僕の姿はなかった。



「・・・もう、戻りたくは無いんだけどな・・・」

そう呟きながら、僕は帰り道を歩いた。

Re: 澄んだ瞳の色は雲を覆う大空となる—REBORN— ( No.13 )
日時: 2010/05/10 18:03
名前: 消失 (ID: X9/3/8Rv)

第十話 実家


「・・・」

目の前にある純和風の屋敷。
これが僕の賊に言う実家だ。
インターホンに手を伸ばす。

—バァンッ

「刹那!」
「・・・苦しい」

いきなり僕に抱きついてきたのは赤陰・・・ではなく蒼陰幸谷。

蒼陰家の——術者だ・・・。

「・・・——なんで僕が帰ってくるのが判ったの」
「情報屋に頼んだんだ」

情報屋、か・・・。

多分——神崎家だろう。

あそこは、情報収集に最も優れてるから。

「・・・それより、着物・・・借りに来たんだ」
「着物?それなら、刹那の部屋にあるけど」
僕はスタスタと実家に入り、自室へ向かった。

「・・・帰ってきたんだね・・・」

除外者——赤影刹那—・・・。



「・・・あった」
高級な生地で作られた着物らしいが——そんな物、どうでもいい。
僕はソレを剥ぎ取り、そのまま、担いだ。
自室を出て廊下で。

「・・・刹那・・・」
「・・・陰陽・・・」

僕は彼の横を通り過ぎた。
興味など、無いように。



「・・・じゃ、僕帰るから」
「ん」
僕は背を向け、歩き始めた。
もう、戻ってこないように。

「残念だよ——赤陰刹那・・・」

キミは、もう赤陰家からは逃げる事が出来ない身なんだ。
キミの血はしっかりと赤陰家を受け継いでいる。

・・・赤陰家の《生き残り》——その、娘を、

「殺さないといけないんだ———」

ニヤリと、蒼陰は笑った。


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