二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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・デュラララ・
日時: 2010/08/06 13:04
名前: MIKED (ID: tcDaiqqk)


お初です^^


これから書きしていきたいと
思ってます!


腐向け、BL要素などは
一切ありませんので
誠実に書いていきますよ〜〜

どうぞよろしくです*

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Re: ・デュラララ・ ( No.48 )
日時: 2011/05/10 20:32
名前: MILKED (ID: tcDaiqqk)


第6章 フーアーユー

「先輩も悪いっすよね〜こんなとこでふらふらして。俺悲しいっすよ。うぅっ俺の涙は先輩だけのものですよ。」

「それ、私が貸した目薬だけど」

「正臣…。」

たった三人にかこまれているだけだけど
梨那にとってはかなりの大人数だ

落ち着かないカモフラージュに
持っていたペットボトルのお茶を一口飲む

「で…その子は、」

「よくぞ聞いてくれました。彼女は俺の前世からの…」

「はじめまして。園原杏里です。紀田くんと竜ヶ峰くんには仲良くしてもらってて…」


正臣の会話はほとんどスルーされていく

「福岡 梨那です。」


よろしくねとは
言わなかった。


「あ、そうそうこれが渡したかったんですよ。」

「な、にこれ、署名!?」

「俺がかき集めてきたんですよ〜。今回の騒動について、むこうの教師にも非があったからなんかすっきりしなくて。惚れ直しちゃいました〜?」

「いやいや、私にこんなに署名してもらえる友達はいないんだけど…」

「ファンですよ。ファン。」

「…それはそれでキモチワルイんだけど;」

「ありがたく思わなきゃ〜」

「もしかして二人も協力してくれたんじゃ、ありがとう。紀田くんが迷惑かけました。」

「ちょ、ひど」

「「いえ!!全然!!」」



私の為に何かしてくれる人がいるんだな
初めてだ。こんなの。

「じゃ、俺はこれを持っていきますんで、また連絡しますよ」

「わざわざ本当にごめんね。」


大きく手を振る彼とは真逆に
後の二人は小さく会釈する。
優しそうな彼らに囲まれて、梨那は正臣を見てホッとした

"大丈夫"だ

ほほえましいこのやり取りの後は
あの男に会いに行かないといけない事実に萎えさせられる

「めんどうくさい…。」

一文字一文字ゆっくりはきだしてそう言った。



———————————————


「なんで謹慎にさせたいわけ。迷惑。面倒。馬鹿らしい。」

「急になに?俺には話しがみーえないなぁーーー」


言い方がうっとうしい


「いいから。」

「保護、してあげようと思ってさ。」

「保護?」

「君、斬り裂き魔に斬られかけたこと、もういいわけ?ただの偶然でも、君がそこにいたからでもないよ。奴は君を斬ろうとした、意図的にね」

「どういうことよ」

「光り」


光り


たしかにそう言った


"あれ"は


「君がほしいんだよ。罪歌はね。」

「さいか?」

「切り裂き魔の名前だよ。妖刀、罪歌。人を斬り、寄生して子を産む」

「ちょっと待ってよ、話が…」

「バイト料ひいてもいいならゆっくり話すよ。」

「あんたに雇われてる気はないけどね。」


臨也は罪歌の話をし始めた

生きた刀の

話を


next

Re: ・デュラララ・ ( No.49 )
日時: 2011/05/21 09:38
名前: MIKED (ID: tcDaiqqk)


第6章 フーアーユー


「なにそれ。じゃあ切り裂き魔いっぱいいるんじゃん」

「そうゆうこと。」


その瞬間ゾッとした。
斬られた人間がどんどん切り裂き魔化していく。
つまり数なんて知りたくもないほど。

「今頃シズちゃんがどんちゃんやってんだろうね〜斬られちゃいばいいのに」

「は?静雄さん?なんで」

「彼らが求めてるのは君だけじゃないんだよね。欲しいものは二つ。愛と光。君は光で、シズちゃんが愛ってこと。気持ち悪いけど」

「だから私は…」

「切り裂き魔達は君に光りを感じてるんだよ。人間を嫌う君にね。受け付けようともせず拒み続ける君の代わりに人間を愛することがどんなに快楽なことか、味わいたいんだろうね。」

「馬鹿らしい。」

そういえばこいつ
静雄さんがどうとうかって

「今、なにが起きてるの」

「さあね、殺しあいか殴りあいか、そんなとこじゃない?」

「そう、じゃあお邪魔しました」

「待ちなよ。今出て行ったらタダじゃ生きて帰れないかもよ?」

「知ったことじゃない。そんなの」

「気になるんだ。ずいぶんお友達が増えたみたいだね」

「……そんなに引き留めたいならとめれば?大事な"商売道具"に傷が付いたら大変だからね」



不意打ちだ。
いつもなら無視してやるところだけど
子供みたいに言い返してしまった。
落ち着け。私は何も間違ってない
何も変わってない。人なんて信用していない信じてもいない


{ドン!!}


その瞬間ぐるりと視界が反転し、
天井を見る形になった
すこしソファのかたい部分で頭を打ったせいか、
ふわふわとあたりがぼやける

「いっ……」


少し遅れて頭と体に痛みが響いた


「ねぇ、止められて困るのは君じゃないのかな」

「痛いな。死んだらどうすんのよ。どいてよ」

「強情だよねぇ。分かってる?俺は男で君は女。性だってまったく逆なことはおろか、力の差だって大きく違う。あんまり軽はずみなことは言わないほうがいいと思うよ?」

「わかったからどい…」

「聞こえないなあ」


{ブチッ}


だめだ今のこいつに何言っても。
しくじったな。
この体制じゃあどうしようもない

「どいてください…」

睨みつけて言う梨那に対して
満足そうな笑顔をして臨也は彼女を解放する


「あ、でもひとつだけ条件」

「…なに」

「カメラはここに置いていくこと。それができないなら、」

「待ってよ。なんで」

「壊されて泣くことになってもしらないよ」


こいつが人の為を思うことなんてない
私が使えなくなることを恐れての策だ。


「触ったら殺す」

私は一番大事なものを
一番大嫌いな奴に預けて池袋へ向かった


next

Re: ・デュラララ・ ( No.50 )
日時: 2011/07/26 22:18
名前: MIKED (ID: tcDaiqqk)


第6章 フーアーユー


こんな夜中にひとりで町を走り回っていることだけで
背筋が凍るのに
それどころか化け物のうじゃうじゃする
こんな時に、

きっとわたしはいま


どうかしてる

「…!!静雄さん!!」


公園に群がる無数の人間たち
その目は真っ赤に光り、
手には銀色に輝く刃物やハサミ、

とりあえず人を"裂ける"ものを
彼らは手にしていた、

その中心に一人、
普通とは言い難いが
その中でも最も普通とされる男が立っていた

「静雄さん!!」

「梨那?」


梨那が名前を呼ぶと同時に
その赤い目がこちらを向いて輝きをむけた


「光り…」

「ヒカリダ」

「光がきたアァあ」


そのものたちは
よろこびの声をあげ、
何人かがこちらに迫ってくる

「馬鹿ッ逃げろ!!」

「でも、」

「俺ならなんとかなる!!行け!!後から追いつくから!!」


少女は走り出した。

実際ここへ来た意味も理解できなかった。
わざわざ危険な目にあいにきたのか

—いや、違う

少女は逃げながらもこう思った

—静雄さんが心配だった


「え?」

彼女は自分に問う

—私が誰かを心配する?


{ズサッ!!}


「いたっ!!」


暗闇の中、彼女は地面に倒れこんだ
気がつけばまわりに逃げ場はなく、
もう"これまで"という感じだった


「なにがほしいの。こんなくだらない人間から」


「愛してあげる。アナタの代わりに。」

「そう、人を愛してあげる。」


わき腹から熱いなにかが流れ出した
血だ。
刺された

痛みはあった。
それとどうじに声が聞こえてきた

『ねぇ、人を愛するってすごく気持ちいいのよ。素敵でしょう。あなたの中で私は生まれる。愛して愛して愛して、あなたのなかで私も育っていく。さあ一緒になりましょう。」


気が遠のいていく。
体も動かない

もう

私は………



「…うるさい」

「?」

「愛なんて気持ち悪い言葉、何度も何度も聞かせるんじゃないわよ」

「な・・・・寄生…できない?」

「あたしは人間が大っ嫌い。自分のことばかりで、いい子ぶって、いざとなったら簡単に人を裏切る。」



私も人間だ。


だから


「あたし自身が嫌いなのに、愛することなんてできないでしょう?」



最初から不可能だった
自分を愛せない人間に
他者を愛することなんて。

「梨那!!」

「静雄さ…」

「…!!てめぇらぶっ殺す!!」


静雄は梨那の腹部の怪我を見るやいなや
切り裂き魔達に飛びかかった

その瞬間
赤く光っていた眼がふと
普通の人間のまたたきにかわった

「し、静雄さんストップ!!!」


彼女には人を愛することができない。
また彼女のほかにも

それを代償に寄生をえらんだ人間がいることを

まだ

梨那は知ることはない


Re: ・デュラララ・ ( No.51 )
日時: 2011/08/01 22:16
名前: MI (ID: tcDaiqqk)


第6章 フーアーユー


朦朧とする意識のなかで
ゆっくりと瞼を開くと

見覚えのある扉の前にいた

誰かに背負われたまま

身に覚えのある煙草の香。

その香から連想される人物の名前を
おもむろに吐きだしてみた

「……静雄さん?」


「! 気がついたか?」


よくは見えないが
彼の服は血でべっとりと赤に染まっていた

これは自分の血だと
やがて認識する

すると扉の奥から声が聞こえてきた

「はーい、ってあれ?どうしたの静雄くん。」

「重症人だ、急いで治療してやってくれ」

「…梨那ちゃん!?まさかまたなにかしたの!?」

「俺じゃねえよ。とにかく急げ」


バタバタと騒がしい足音が
室内に響き渡る


「結構深いね。よわったな、今ちょうど麻酔がきれてるんだ」

「俺じゃあるまいし、こいつに麻酔なしで治療すんのはやべえだろ」


ソファのうえでぐったりとして
息を切らす梨那の耳にそんな会話が遠くに聞こえてきた
もう痛みすら感じなくて
体から力がぬけていく。
そんな風だった



—————————————



目の前にはただ、
黒い煙が浮遊していた
それはしだいに影を思わせるように姿を動かし
やがて何者かを把握させた


—セルティ?


そう
ここは岸谷新羅宅
深夜彼女は運ばれた

「気がついた?まる二日目を覚まさなかったんだよ」

「し…んら、せんぱい」

「怪我の具合が良くなるまでは、ここで安静にしてもうけど、問題ないよね」

『とにかく、本当に無事でよかった』

「あの…私はその…」

「切り裂き魔に刺されて気を失った君を、静雄くんがここに運んで来たんだ。」

「…はっきり覚えてないんですけど、あのとき麻酔が無いって…どうやって私の治療を?」

「あれっ。覚えてないの?あれから折原君が来て…−。」

「…臨也?」

「いや、なんでもない。なんでもないよ。」


ははは、と笑う新羅に対して
梨那は不穏な空気を感じた

「…すみません。迷惑掛けて。動けるようになったらすぐにでも…」

『まだこんな状態なんだ。あまり無茶をすると余計に動けないようになるぞ。私たちのことは気にしなくていいから、ゆっくり休め。』

「…ありがとう」

『そんな悲しそうな顔するな、でも、斬り裂き魔に刺されたのによく平気だったな』

「…おかげでこんな状態になちゃったけどね」


一度はいりこんできた罪歌は
光と呼び追い続けてきた梨那の拒絶に圧倒され
そのまま抹消した


光を求めすぎ
最終的に光りにかき消されて


next-

Re: ・デュラララ・ ( No.52 )
日時: 2012/01/27 20:55
名前: MIKED (ID: tcDaiqqk)



「……」

ひさしぶりの自分の部屋。
かれこれ数週間は新羅たちに世話になった梨那は
すぅっと深く息を吸い込んだ。

「おちつくー。」

単位のヤバイこの時期に
この欠席は相当まずい。
学校からの着信と紀田正臣の着信で
彼女の携帯の履歴はうまっていた。
ただひとつ、珍しく奴からの連絡がない。
—情報屋。

ただいうまでもなく自分の状況を知っていたからこそ
腹が立つようなものだった

「このままこっちも放置してやろうか…」

そんなことを口にした瞬間に
携帯がここぞというばかりに震えた

「……なに」

『退院おめでとー。学校のほうは大丈夫だし明日から元気にいっといでー』

このなんともいえなく
高飛車な声がムカツクのであった。

「いまどこ。カメラは?」

『そんな心配しなくても大事に大事に預かってるし、おいでよ』


—てめぇが持って来い。


大事なものにべたべた触られるのもたまったもんじゃないし
仕方なしせっかく帰宅したところをしり目に
奴のもとに向かうのだった。



———————


「よかったねぇー死にかけてたみたいだし安心したよ。」

「死んだら一生呪ってやるとこだったし、あんたも助かったね。」


外を眺めながら楽しそうに話す奴をあしらって
きょろきょろと目だけを動かして
梨那は大切なものを探す。


「預かってくれてありがとーってお礼ぐらい言わないとねぇ?梨那ちゃん」

「…っ!!…な``」

大切なあれはぶらーんと臨也の首から下がっていた。
いつも梨那がそうしてるように。
手をわなわなさせて梨那は顔を真っ青にさせていた

—しね!!

「返せ馬鹿ッ!!」

手を伸ばすもののひょいとたわいもなく避けられて
ますます腹が煮えくりかえる。

「ありがとうは?」

「……いいかげ…」


頭の奥で何かがぷちんと切れたと同時に

「酷いな〜せっかく俺が君の命を救ってあげたのに、そうやってはぐらかすんだ?」


奴がにんまり笑ってそう言った
そして新羅の言葉を思い出す。

—あれから折原君が来て…。いや、なんでもないなんでもないよ


「そういえばあの時あんたも居たらしいけど…」

「うん。俺の大事な友達の大事な妹がちょーっと危ないって聞いて飛んでいってあげたのに」


—ちょいちょい嘘がまじってるな


「救うって…まさかあんたが手術できるタチじゃないでしょ。」

「そ、手術したのは新羅。でもねぇ、あの麻酔がない境遇で君を眠らしたのは俺」

「は、ぁ?」


ますます意味がわからない。
臨也はニコニコしてそういうだけだった。



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