二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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とある世界の平行干渉(インターフェア)
日時: 2010/11/17 21:07
名前: 暁 (ID: 2rTFGput)

本作品は『小説家になろう』で作者が連載してる作品です。


もともと二つの平行世界は一つのFate/stay nightの世界だったが、超電磁砲の世界がFateの世界に干渉し融合してしまったために齟齬が発生してしまう。世界が異常事態を察知し両世界を守るため不完全な状態で分離させた結果「とある科学の超電磁砲」のような世界と「Fate/stay night」のような世界ができあがってしまった。


第1話 運命の夜 FateSide



「−−−−−。」
声が出なかった
俺は混乱していた、いきなり意識を失い目が覚めたら別の場所にいたのだ、混乱しないわけがない、声が出なかった理由としても妥当だろう。
でも違う、声が出なかったのは突然の出来事に混乱していたわけではない。
ただ、目の前の少女があまりにも綺麗すぎて言葉を失っていたのだ。
少女は宝石のような瞳で、なんの感情もなく俺を見据えた後、凛とした声でこういった。

「問おう。あなたが私のマスターか」

これが、俺がこの世界に来て最初に聞いた言葉だった。
彼女の声が脳で反響している中俺は今日の一日を回想していた。


〜学園都市〜

広大な土地を開発し、総人口の大半を学生で占めているこの都市は超能力者研究という名の下、数多くの研究者が人間の脳の開発を行っている。
学園都市とはつまり、学校の授業に平然と『頭の開発』を取り入れた超能力開発の最先端、『神様の頭脳』を得ようとする者たちが集う場所だ。


俺の顔にカーテンから漏れた光が当たっていた。
「ん〜朝か。」
軽く、首を動かすと(ポキコキ)と音がする。

俺はベットから起きあがりカレンダーを見る。今日は、 身体検査( システムスキャン)だ。デジタル時計を見ると時間は昼過ぎ。完全に遅刻だった。
「目覚ましセットし忘れた・・・」
俺には、俺を起こしてくれる人はいない。そう、親もだ。
両親は・・・孤児だった俺を養子にとってくれた衛宮切嗣は俺がまだ小さかったころに死んでしまった。けど悲しくはない、普段からよく家を留守にしていたし、一人で自炊してるうちに料理も上手くなったし悪いことばかりではなかった。
それにここは学園都市、まだ能力開発を行っていないただの餓鬼だった俺には天国みたいな場所だ。
いつかは俺も能力開発を受けて超能力を使えるようになったら親父が俺にしてくれたように他の人を幸せにするんだと、そう思い、信じて生きていた。
でも衛宮士郎は才能が無かった、だけどたとえ才能が無くても努力を続けていればいつかは超能力者(レベル5)になれると信じ今まで過ごしてきたけど結局は低能力者(レベル1)止まり、トラブルに巻き込まれてもなすすべはないし、能力の多寡によって定められる学校の成績は必然的に劣等生のそれ、お小遣いだって上位レベルとは比べるべくもない。
今日の 身体検査( システムスキャン)だって・・・

「どうせ測定したってレベル1だろうしな、いって絶望するより良かったかな?」

は、はははははと自己弁護に回っていると普通に生活してるぶんではまず聞かない爆音が耳に響いた

〜ドガァァァァァァン!!!〜

なんでさ?
音の確認をするため自分の生活拠点であるアパートから飛び出すと信じられない光景が目に飛び込んできた。

「オラ!グスグスすんなよ!」
 銀行から出てきた強盗3人は急いで逃走用の車に向かっていた。

どうやら飛んでもない場面に出くわしてしまったようだ、普通の人ならここで回る右をするはずだが世界は違っても衛宮士郎は衛宮士郎少なくともアンチスキルが来るまでは足止めしないと、と飛び出そうとすると何処かからおかしな口調でしゃべる声が聞こえてきた。
「お待ちなさい!」
「「「あ?」」」
どうやら強盗三人組も士郎と同じ感想を抱いたのか困惑気味に声のする方向を見ている
「ジャッジメントですの!器物損壊および強盗の現行犯で、拘束します!!」
自分の腕に着いた風紀委員(ジャッジメント)の腕章を見せながら謎の少女は強盗達に言った、が……
「「「……………」」」
「うん?」
「「「ギャハハハッ!!」」」
 強盗達は笑い始めた。
「どんなヤツが来たかと思えば」「ジャッジメントも人出不足か〜?」

「そこをどきなお嬢ちゃんどかないとぉ、ケガしちゃうぜ」
強盗の中で一番大きな体格の太った男が息を荒げながら突進するが
そう言って黒子に向かって突進して行くが
「そういう三下の台詞は」
言いながら大男に足をかけて
「なっ!」
ドサッ
「死亡フラグですわよ」転がして倒した。

---------------------------------------

すごい!?テレポーターか?
あんなに小さな体をしているのに大男を簡単に・・・

っく、俺は何もできないのか?

---------------------------------------
士郎が一人思い悩んでいるうちに事は進んでいた。

ボォッ!
強盗のリーダーであろう男が手から炎を出したのだ、パイロキネシストでおそらくこの炎だとレベル4クラス。
「今更後悔しても遅いぞ!お前には消し炭になってもら」
ダッ!
 黒子は道路に駆け出した。
「な、逃がすかよ!」
 リーダーの男は炎を黒子に投げつけるが黒子はテレポートで避けた。

 しかしあろうことか避けた炎の弾は・・・

---------------------------------------

あろうことか士郎に向って飛んで行っていた
「そこの一般人さん! 危ない!」
頭に花飾りをつけている少女に叫ばれ今の事態に気がつくがもう遅い、強盗事件が目の前で起こっているというのに気を抜いて考え事をしている士郎に未来は無かった。

「う うあああああああああああああああああ」

〜ドゴォォォン!〜


---------------------------------------

回想はここまでで終わりである

完全に思い出した・・・俺死んだんじゃないのか?ここは何処なんだろう?と数々の疑問が浮かんでは消え浮かんでは消え最後に口から出てきた言葉はこれだった。
「え・・・・マス・・・ター・・・?」
問われた言葉を口にするだけ。
彼女が何を言っているのか、何者なのかも分からない。
今自分に分かる事と言えば------この小さな体をした少女に俺は恐怖している事だ。
自分だけ時間が止まったのかのよう。
先ほどまで体を占めていた死の恐怖はどこぞに消え、今はただ、目の前の少女だけが視界にある-----
「サーヴァントセイバー、召喚に従い参上した。マスター指示を」
二度目の声。そのマスターという言葉と、セイバーという響きを耳にした瞬間、「------っ」
右手に激痛が走った、無理やり異物を混入させられたような、そんな痛み。
思わず右手の甲を押さえつける。それが合図だったのか、少女は静かに、可憐な顔をうなずかせた。
「---------これより我が剣は貴方と共にあり、貴方の運命は私と共にある。
-----ここに、契約は完了した」
「な、契約って、なんの------!?」
今の状況を全く理解できてない俺だが契約という言葉の意味くらいは理解できる。それに俺だって能力者の端くれだ。今ここで能力者であるということと契約という言葉の意味はまったくもって関係の無い事なのだが自分を落ちつかせるために自分は能力者であると心で何度もつぶやく。
俺が自分を落ちつかせようとしっくはっくしていると少女はうなずいた時と同じ優雅さで顔を背けた。
「っ!」
向いた先は外への扉。
その奥には槍を構えた男の姿があった。
「--------------」
俺が男が槍を持っているという事に疑問を感じるより早かった。
騎士風の少女は、ためらう事なくここから外へと身を躍らせる。
「!」
少女へ抱いていた恐怖も忘れ、立ち上がって少女の後を追った。あんな変質者の前にあの少女をいかせるわけにはいかない。いくらあんな物騒な格好をしていようと、少女は俺より小さな女の子なんだ。
「いく-------!」
ギンッ ガンッ ガキンッ
な、と叫ぼうとした声は、その音で封じられた。
我が目を疑う。
今度こそ、なにも考えられないくらい頭の中が空っぽになる。
「なんだ、あいつ---」
響く剣劇。月は雲に隠れ、庭はもとの闇に戻っている。その中で花火を散らす鋼と鋼。
飛び出した少女に、槍の男は無言で襲いかかった。少女は槍を一撃で払いのけ、更に繰り出される槍をはじき、その度、男は高麗を余儀なくされる。
「--------------------------」
信じ、られない
セイバーと名乗った少女は、間違いなくあの男を圧倒していた。

---------戦いが、始まった。
男の槍は、さらに勢いを増して少女へと繰り出される。
それを、手にした"何か"で確実にはじきそらし、間髪いれずに間合いへと踏みこむ少女。
「チィ-------------!」
憎々しげに舌打ちし、男はわずかに後退する。
手にした槍を横に構え、狙われたであろう脇腹を防ぎにはいる------------!
「ぐっ・・・・・」
一瞬、男の槍に光がともった。
爆薬を叩きつけるような一撃は、真実その通りなのだろう。
少女が振るう何かを受けた瞬間、男の槍は歓談したかのように光を帯びる。
それがなんであるか、男はおろか俺にだって見て取れた。
アレは、なにか俺にはとても予想できないようなものの猛りだ。
その少女の何気ない一撃一撃には、何かが籠っている。その何かは何なのか俺にはさっぱりわからない。
その何かが何なのか、俺の能力でつきとめてやる!

俺の能力それは解析アナライズ
俺のレベルじゃあ物を解析するだけで終わりだけどレベルが上がるにつれて解析した物を強化したり複製したりできる。

「————演算、開始、(トレース・オン )」

構成材質、解明

基本骨子、解明

創造理念、鑑定完了

解析結果:現在の知識の中にある言語では表せれない
「っく・・・やっぱり俺の知らない何かがある、解析できない・・・」


「-----------どうしたランサー。
止まっていては槍兵の名が泣こう。そちらが来ないのなら私が行くが」

実は士郎の解析、さすがはレベル1と言ったところか、解析を始めてから結構時間が経過していた。
そのためかこの戦闘はすでにクライマックスを迎えていた。

「・・・・は、わざわざ死にに来るか。それは構わんが、その前に一つだけ聞かせろ。
 貴様の宝具----------------それは剣か?」
ぎらり、と。
相手の心を射抜く視線を向ける。
「--------さあどおかな。
 戦斧かもしれぬし、槍剣かも知れぬ。いや、もしや弓という事もあるかも知れんぞ、ランサー?_」
「く、ぬかせ剣使い(セイバー)」
それが本当におかしかったのか。男・・・・ランサーと呼ばれた男は槍をわずかに下げた。
それは戦闘を止める意思表示のようでもある。

「?」

「・・・・ついでにもう一つ訊くがな。お互い初見だしよ、ここれで分けって気はないか?」
「---------------------------]
「悪い話じゃないだろう?そら、あそこで惚けてるオマエのマスターは使い物にならんし、俺のマスターとて姿をさらさねぇ大腑抜けときた。
 ここはお互い万全の状態になるまで勝負を持ち越した方が好ましいんだが------]
「-------------断る。貴方はここで倒れろ、ランサー」
「そうかよ。ったく、こっち元々様子見が目的だったんだぜ?サーヴァントが出たとあっちゃ長いする気は無かったんだが------------」
ぐらり、と。
二人の周囲が歪んで見えた。
ランサーの姿勢が低くなる。
同時に巻き起こる冷気

-------!? なんだ? あの槍の中心に何かが渦となって鳴動している---------------

「宝具--------!」
少女は剣らしき物を構え、目の前の敵を見据える。
俺が口を出すまでもない。
敵がどれほど危険なのかなど、対峙している彼女がよ感じ取っている。
「・・・・じゃあな。その心臓、貰い受ける-------------!」
獣が地面をける。
まるでランサーは瞬間移動のように少女の目の前に現れ、

その槍を、彼女の足元めがけて繰り出した。
「--------------」
それは、俺から見てもあまりに下策だった。
あからさまに下段に下げた槍で、さらに足元を狙うなんてあの少女に通じるわけがない。
事実、彼女はそれを飛び越えながらランサーを斬り伏せようと前に踏みだす。

その、瞬間。

「-----------刺し穿つ(ゲイ)」

その言葉自体に強力な何かが帯びる言葉と共に、

「-------------死棘のボルク---------------!」

下段に放たれた槍は、少女の心臓にむかっていた。

「---------------!?」

ジュシュッ

浮く体。
少女は槍によって弾き飛ばされ、大きく方物線を描いて地面へと落下--------いや、着地した。
「は----、く・・・!」
・・・血が流れている。
今までかすり傷一つ負わなかった少女は胸を貫かれ、夥しい量の血を流していた。
「呪詛・・・・いや、今のは因果の逆転か!」
苦しげに声を漏らす。
・・・・驚きはこちらも同じだ。いや遠くから見ていた分、彼女異常に今も一撃が奇怪なものだったと判る。
槍は、確かに彼女の足元を狙っていた。
それが突然起動を変え、あり得ない形。あり得ない方向に伸び、心臓を貫いた。
だが槍自体は伸びもしていないし方向を変えてもいない。

その有様は、まるで初めから少女の胸に槍が突きささっていたと錯覚するほど、あまりにも自然で、故に奇怪だった。
あの槍はおそらく大前提として既に心臓を貫いているという結果を持っている。
つまり過程と結果が逆になるのだ。
既に心臓を貫いているというのだから、槍の軌跡は事実を立証する為の後付けでしかない。
最初っから心臓を貫いているため、敵がどんな回避行動を取ろうと槍は必ず心臓に到達する。

----------故に必殺。
解き放たれれば確実に敵を貫く呪いの槍

が。
それを、少女は紙一重でかわしていた。
貫かれたしたものの、致命傷は避けている。
ある意味槍の一撃より少女の行動は不可思議だった。
彼女は槍が放たれた瞬間、まるでこうなる事を知ったかのように体を反転させ、全力で後退したのだ。
よほど幸運があったのか、槍の呪いを緩和するだけの加護があったのか。
とにかく少女は致命傷を避け、必殺の名を地に落としたのだが----------
「------かわしたなセイバー。我が必殺の一撃ゲイボルグを」
「っ・・・・!?ゲイ・ボルグ・・・?御身はアイルランドの光の御子か--------!」
ランサーの顔が曇る。
先ほどまでの敵意は薄れ、ランサーは忌々しげに舌打ちをした。
「・・・ドジったぜ。こいつを出すからには必殺でなけりゃあヤバイってのにな。まったく、有名すぎるのも考えものだ」
重圧が薄れていく。
ランサーは何もせずあっさりと背中を見せ、隅の方へ移動した。
「己の正体を知られた以上、どちらかが消えるまでやりあうのがサーヴァントのセオリーだが・・・・あいにくうちの雇い主は臆病ものでな。槍がかわされたのなら帰ってこい、なんてぬかしてやがる」
「--------逃げるのか、ランサー」
「ああ。追ってくるのなら構わんぞ。
ただし----------その時は、決死の覚悟を抱いて来い」
トン、という跳躍。
どこまで身が軽いのか、ランサーは苦も無く塀を飛び越え止める間もなく消え去った。
「待て、ランサー!」
傷を負った少女は、逃げた敵を追おうとして走りだす。
「バ、バカかアイツ・・・!」
全力で庭を横断する。
急いで止めなければ少女は飛び出していってしまいそうだったからだ。
が、その必要はなかった。
塀を飛び越えようとした少女は、飛ぼうとした腰を落とした途端、苦しげに胸を押さえて立ち止まった
「く-------」
傍らまで走りよって、その姿を観察する。
いや、声をかけようと近寄ったのだが、そんな事は彼女に近づいたとたんに忘れた。
俺より何歳か年下のような少女は、その-----とんでもない美人だった。
月光に照らされた金の髪は砂金をこぼしたようにきめ細かく。
まだあどけなさを残した顔には気品があり、白い肌は目に見えて柔らかそうだった。
俺がぼんやりと少女に見とれていた間、少女はただ黙って胸に手をあてていた。
それもすぐ終わった。
痛みが引いたのか、少女は胸から手を話して顔を上げる。
まっすぐにこちらを見据える瞳。
それになんて答えるべきか、と悩んで戸惑い、彼女の姿に気がついた。
「・・・・傷が、なくなっている・・・・?」
肉体再生の能力者か? もしかして彼女も学園都市の関係者なのだろうか?
彼女に聞けば俺がここにいる理由が分かるかもしれない。
「------------っ」
とたん頭が切り替わった。
こんな思考している場合ではない、さっきもこれが理由になって死んだ(?)んじゃないか
こいつはとりあえず何かとんでもない奴だ、正体がわからないまま気を許していい相手じゃない。
「あ・・・え、えっと・・・・・・・・・・お前、何者だ?」

半歩だけ後ろに下がって問う。

「?何物もなにも、セイバーのサーヴァントです。
・・・・貴方が私を呼び出したのですから、確認をするまでもないでしょう」
静かな声で、眉一つ動かさず少女は言った。
「セイバーのサーヴァント・・・?」
「はい。ですから私の事はセイバーと」
さらりと言う。
その口調は慇懃なくせに穏やかで、なんていうか、耳にするだけで頭ん中が白く---------

「---------っ」

って、俺は何を動揺しているんだ
「そ、そうか。変な名前だな」
赤くほてった頬を手で隠し、なにかとんでもなくバカな返答をした、けれどそれ以外になんて言えばいいのか。
そんなの俺に判る筈もないし、そもそも俺が何者かって聞いたんだから名前を言うのは普通だよな----------ってならいつまでも黙ったままなのは失礼なのではないかとか。
「・・・・俺は士郎。衛宮士郎っていって学園都市の人間だ、ちなみにレベルは1」
----どうかしてる、なんかさらに間抜けな返答していないか俺?
「-------------------------」
少女・・・セイバーは変わらず、やっぱり眉ひとつ動かさないで、混乱している俺を見つめている。
「いや、違う。今のはナシダだ、聞きたいのはそういう事じゃないくて、つまりだな・・・・・・」
「判っています。貴方は正規のマスターではないのですね、それに魔術師でもない。」
「え・・・? 魔術・・師?」
欠けていたピースが見つかった気がした。
「しかし、それでも貴方は私のマスターです。契約を交わした以上貴方を裏切りはしない。そのように警戒する必要はありません。」

「う・・・?」
やばい。
彼女が何を言っているのか聞き取れるくせにちんぷんかんぷんだ。
それに魔術師・・・だっけか? この少女は少し夢見がちな女の子のようだ、ここは余り刺激せず事態を把握できしだいジャッジメントに引き渡そう。そうしよう。
判っているのは彼女が俺の事を主人マスターなんて、とんでもない言葉で呼んでる事ぐらい。
「それは違う。俺はマスターなんて恥ずかしい名前じゃないぞ」
「それではシロウと。ええ、私としては、この発音の方が好ましい」
「っッ!」
彼女にシロウと口にされた瞬間、顔から火が出るかと思った。
だって初対面の相手から名字じゃなくて名前でよばれたんだぞっ、しかもこんな可愛い子から・・・
「ちょ、ちょっと待って、なんで名前-------------」
「痛っ・・・・!」
突然、右手に激痛が走った。
「あ、熱っ・・・・!」
手の甲が熱い。
まるで火の中に手を突っ込んでるような熱さをもった右手には、入れ墨のような、おかしな紋様が刻まれていた。
「-----な なんだこれ?」
「それは令呪です、シロウ、私たちサーヴァントを律する三つの命令権であり、マスターの命です。
無闇な使用は避けるように」
「お、おまえ--------------」
一体なんなんだ、と今度は問いつめようとした矢先、彼女の雰囲気が一変した。
「-------シロウ、傷の治療を」
冷たい声で言う。
その意識は俺にではなく、遠く----------塀の向こうに向けられているようだった。

っく俺だけ状況を理解できていないのは嫌だ!

「————演算、開始、(トレース・オン )」

内周部解析開始。

構成術式、製造工程 ─── 解析できず。

構成図 ─── 容量オーバー。 情報を破棄。

なんだこのデタラメな量の情報は、塀の外に一体何がいると言うんだ-------
演算公式だけが、俺の脳裏を埋め尽くしていた。

次内周部解析開始。

構成術式、製造工程 ─── 解析できず。

構成図 ─── 容量オーバー。 情報を破棄。

自分の話を聞かず黙ってしまった俺を呆れながらもセイバーはこう言った。

「・・・・・・・・・・・・・。 
ではこのままで挑みます。自己修復は外面を覆っただけですが、後一度の戦闘ならば支障ないでしょう」

「・・・・? 後一度って、 おい、まさか外にいる何かと戦うつもりなのか?」
「はい、外の敵は二人。この程度の重圧なら、数秒で倒しうる相手です」
言ってセイバーは軽やかに跳躍した。
「ちょっと待て!」
体が動く。
後先考えず、全力で門へと走りだした。
「はっ、はっは------!」
門まで走って、慌てる指で扉を開き外へ飛び出る。
「セイバー、何処だ!?」
闇夜に目を凝らす。
こんな時に限って月は隠れ、あたりは闇に閉ざされている。
だが----------------
すぐ近くで物音がした。
「そこか・・・・!」
人気のない小道に走りよる。
----------それは、一瞬の出来事だった。
赤い男とセイバーが対峙している。
セイバーはためらう事なく赤い男へと突進し、一撃で相手の体勢を崩し、今まさにとどめの一撃を加えようとしている。

それは、駄目だ。
何が何だかわからないまま目の前で起きている殺人を俺は容認できない・・・・・!

「止めろ、セイバーーーーーーーーーー!!!!!」

「っ----------!?」
軽い痛みが走った。
右手の甲に刻まれた印が一つだけ消えていく。
それを代償とするかのように、
本来ならば止められないはずの一撃を、セイバーは止めていた。
「っ-----」
一瞬、銀の甲冑が石化したかのように停止する。その隙をついて、赤い男は即座に間合いを外す。
「正気ですか、シロウ。今なら確実にアーチャーとそのマスターを倒せた。だというのに、令呪を使ってまでその機会を逃すとは・・・・!」
「マスター、指示を撤回してください。貴方がそのような態度では倒せる相手も倒せなくなる」

「再び手にした何かを構えるセイバー。
その先には、倒しそこなった赤い男の姿はある-------------
「違う。止めてくれセイバー、正直俺にはなにがなんだかわからない。
それに俺は目の前で人殺しが行われようとしているのを何もせず見ているはいやなんだ。」
「何を言うのです。彼らは私たちの敵なのですから、ここで仕留めておかなければ」
「--------------------------」
敵・・・・?
あの赤い男と、あの少女が・・・・敵?
「・・・そんな事は知らない。
だいたいな、マスターなんて言ってるけど、こっちは点で判らないんだ。俺の事をマスターなんて呼ぶんだから、少しは説明するのが筋ってもんだろう」
「・・・・それはそうですが、しかし・・・・」
セイバーは困ったように言い淀む。

そこへ、

「-----------ふうん。つまりそういうコトなワケね、素人のマスターさん?」

丁寧なくせにとげとげしい声で、その少女は声をかけてきた。

振り向いた先には赤い男と、それを押しのけて前に出る制服の少女がいた。
「---------------」
思わず息を呑む
「え・・・誰・・・?」
「え?なに、私のこと知らないの? 私は遠坂凛よ。
とりあえず今晩は、衛宮くん」
なんのつもりなのか。遠坂凛となのった少女はとんでもなく極上の笑顔で、挨拶をしてきやがったのだった。
「っく!----バカかおまえ、今はそんな状況じゃないだろ! お前なんだんだよ!?」
「ええ、貴方と同じマスターよ。つまりは魔術師って事になるわね。お互い似たようなもんだし、隠す必要はないでしょう?」
「魔、魔術師って・・・」
さっきから耳にするこの言葉、魔術師ということばから色々な言葉が連想される、魔法、魔術、魔王使い

「魔術師、だって------?そんな、おまえ能力者なのか? それに同級生って俺お前みたいな奴見た事ないぞ」
目を見開うて、思わず塔坂を指さしてしまう。
「あ-------------」
・・・・しまった。
なんか知らないけど遠坂・・だっけか?

いかにも不機嫌そうにこっちを見返してきてるんだけど・・・・

「あ、いや、違う。言いたいのは、そういう事じゃなくて」
「---------------そう。納得いったわ。ようするにそういくコトなワケね、貴方」
遠坂は俺たちを一瞥して、背後の男に振り返る。
「アーチャー、悪いけどしばらく霊体になっててもらえる?私、ちょっと頭にきたから」
「それは構わないが・・・・頭にきたとは、どういう意味だ」
「言葉の通りよ。腹いせに現状を思い知らせてやらないと気が済まなくなったの。それまで貴方の出番はないから消えていて。貴方がいたらセイバーだって剣を納められないでしょ」
「ふう、また難儀なことを。まあ命令とあらば従うだけだが・・・・一つ忠告すると、君は余分な事をしようとしているぞ」
男は、それこそ幻のように消え去った。
「と、遠坂、今の・・・!」
「いいから話は中でしましょ。どうせ何も判ってないんでしょ?衛宮くんは。安心して、嫌だと言っても全部教えてあげるから」
さらりと言って、遠坂はずんずん門へ歩いて行った。
おそらくここは遠坂の家なのだろう、じゃなかこんな夜遅くにこの家の前にいる理由が無い。
「え-----待って・・・・」
思わず呼びとめる。
と-----------
振り向いた遠坂の顔は、さっきの笑顔とは別物だった。
「バカね、色々考えてるわよ。だから話をしようって言ってるんじゃない。
衛宮くん、突然の事態に驚くのもいいけど、素直に認めないと命取りって時もあるのよ。」

・・・わかります、そのせいでさっき俺は死んだんだ。
「っ-----------う」
「わかればよろしい。それじゃあ行こっか、衛宮くん、貴方もそれでいいでしょう?セイバー?
見逃してくれた俺に貴方のマスターに、色々教えてあげるんだから」
「・・・・いいでしょう。何のつもりかは知りませんが、貴方がマスターの助けになる限りは控えます」
彼女らは遠坂邸の門をくぐっていく。
「・・・なんかすげえ怒ってるなぁ・・・あいつ」
その理由が全く分からない。
いやもう全然まったくもって判らないのだが・・・・

「まあ話せは判るか・・・」
そして俺も彼女らに続いて門をくぐったのだった。

ここまで読んでくれてありがとうございます^^

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Re: とある世界の平行干渉(インターフェア) ( No.1 )
日時: 2010/12/11 23:00
名前: aaa (ID: 2rTFGput)

ふふふふ

すげえええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ


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