二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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 D.Gray-man*world
日時: 2011/03/10 22:04
名前: 神田 マナ (ID: RMd4mwvD)
参照: http://kannda.mana


*1 =実はね=


「おっきろーーーアレン!!!」

ドサッとお腹の辺りに
のしかかってきたのは、
声からして明らかにラビだ。

「げほっ!!」

任務から帰ってきてそのまま寝たから
昨晩何も食事をとっていなかったことが
幸いし、もどしはしなかった。

「ラビぃぃ〜、朝からうるさいですよ……。」

足を蹴り上げて、ラビをベッドからぶっ飛ばすと、
アレンは再びウトウトとしはじめた。

(それにしても、ラビはなぜだか
 鍵のかかった部屋や、密室された場所に
 普通に行き来することができる。
 本当に、困るんだよなぁ・・・・)

ーバッ!!!!


一瞬、何かが起きたことに気がつかず、
夢の世界に連れて行かれるのを待っていたのだが
やけに体に冷たい空気があたるのを感じて
目を開けた。

あぁ!
布団をとられた!!

「何するんですか、ラビ!!」

ガバッと起き上がったアレンを、ラビは満面の笑みで
むかえた。

「おはよう、アレン。コムイが呼んでる。
 早く行こうぜ?」

そういうこと・・・・ですか。

何か用があるなら、そういって起こしてくれればいいのに。

「先に行ってていいですよ。
 着替えたり、歯磨きしたりいろいろあるんで。」

「そっか。じゃあ、先行ってるから 
 ちゃんと来るさよ!!!」

「ラビじゃないですし、ちゃんと行きますよ。」

にこっと笑うアレンを、
ちぇっ、といってふてくされるラビが見つめると、
ラビはさっさと部屋の鍵を開け、出て行った。

あれ?

鍵、今開けたの?


じゃあ、ラビは鍵を開けて僕の部屋に入ってきたんじゃないんだ…



じゃあどうやって入ってきたんだろう・・・・。



ラビは謎が多い。



アレンはラビにはぎとられ、
床に無残にも放り投げられた布団をベッドへ戻すと
布団を綺麗にたたみなおし、
シーツのしわをとってから教団服に着替えた。


歯磨きも終え、いざ室長室へ向かおうとしたとき
お腹が雷のごとく鳴り響いた。


あぁ・・・・

ジェリーさんの料理を食べたいなぁ・・・


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 D.Gray-man*world ( No.1 )
日時: 2011/03/16 15:44
名前: 神田 マナ (ID: vWhir.lo)
参照: http://kanda.mana

部屋を出、鍵をしっかりかけたのを確認して
後ろをふりむいたアレンは、
大きな影が後ろに立っていることに気づき
驚いて息をのんだ。

「ぅわっ!!」

「チッ…おい、モヤシ。いつまで寝てんだよてめぇ。」

「神田?」

立っていた大きな影は神田 ユウだった。

早朝だからなのか、長い黒髪が
無造作に高い位置で一つに結ばれている。

「朝からどうしたんですか?僕なんかになにか用でも…?」

「コムイがてめぇを呼んでる。ラビの野郎にてめぇを連れてくるよう
頼んだらしいが、まだここにてめぇがいるってことはラビは伝え忘れたらしいな。 チッ。手間かけさせやがって。」

「あぁ、それならラビが教えてくれたあとですよ?」

「あ?」

「だから、僕今から行くんです。コムイさんとこへ。」

「・・・・あ?」

「なんですか?ちょっと、そこどいてくださいよ。
 早く行かなくちゃなんですよ。」

「てめぇ知ってたのか?」

「はい?」

「おい、ラビに後から俺のところへ来いと
 伝えろ。一人でな。」

「・・・・はぃ?」

「ガタガタ抜かしてんじゃねえよ。」

「…分かりました。言っときます。」


神田はイライラと指の関節を鳴らしながら
六幻をふりまわし、廊下の奥へと消えた。


「なんなんだよ、今の・・。」

首をかしげるアレンをティムキャンピーのしっぽが
なでた。









「なんでさぁ!!!!????コムイ考えなおしてくれよ!!!」

床一面に散らばったイノセンスの情報が書かれた紙を
なるべく踏まないようにしながらラビが悲痛の叫びをあげた。

「ごめんねって言ってるじゃないの〜。
 何度言わせるんだよラビくん……。」

「だって、だって、だって俺、俺マジで無理!!!」

アレンはラビの顔をちらっとみた。

ラビは奈落の底に突き落とされたような顔で
コムイに今回の任務を拒否している。

「でもねぇ、今回の奇怪はエクソシスト一人でいかせると
 ちょっと危ない気がするんだよ。
 アレンくんだけで行かせるのも、鬼畜だろう?」

「アレンは良いと思うさ別に!!」

「ちょっと!僕だってこういうのは苦手ですよ!!」

ラビが向けるひとさし指を、アレンははらいのけた。

「でもねぇ・・。リナリーは別の任務に行ってるし、
 神田くんには…絶対こなせない任務だと思うんだよねぇ。
 絶対に。」

‘‘絶対‘‘を繰り返す室長を
アレンは苦笑いして見つめた。


朝から真夜中までずっと泣き続ける少女がいるという。
その少女の首には青白く光り輝くペンダントがさげられている。
そして、真夜中から朝になるまでの
少しの時間。

その時間だけ少女は泣きやみ、どこかへフラッといなくなるというのが
今回の奇怪だという。

どんなに町の人間が少女をなぐさめようと、
元気づけようとしようと、

絶対に涙をとめることはない。

そして最も不可解なのがなぐさめに来た町の人間が

みんな少女の泣きやむ少しの時間に
姿を消すというのだ。



そこでコムイさんは僕とラビを呼び、
少女を見つけ次第、泣きやませて話しを聞いてほしいというのだ。
イノセンスが関わっている可能性が
きわめて高いとコムイさんはいう。



まぁ・・・少女を泣きやませるなんて神田には
絶対


無理でしょうね…たしかに。


ラビは泣いてる女の子が一番苦手らしく、
今回の任務を先ほどからずっと拒否っているのだ。


「ラビくんならさぁ、ほら冗談とかいけそうじゃないかぁ〜」

コムイはラビを説得しつづける。

「アレンくんもそう思うだろ?」

「えっ?あ、はい。」

突然ふられ、しどろもどろになりながらもきっぱりといった。

「もう、やだ・・・。俺本気で無理なんさ…。」

ラビは今にも泣きだしそうな勢いだ。

「コムイさん、ミランダさんじゃだめなんですか?」

「ああ、おそらくね。戦闘タイプのエクソシストが良いだろう。」

コムイの目が、一瞬かすかに不気味な光を発した気がした。


「じゃあ、マリは?」

ラビがすがるようにコムイさんにたずねた。

「マリはティエドール元帥とパリに派遣中だ。
 ほかの元帥はわけあってヴァチカンに行っている。」


「あのぉそれって・・・・。」

アレンは嫌な予感がしてコムイさんにたずねた。

「うん、もちろんクロス元帥はどっかに逃げちゃったよ。」

やっぱり・・・・



「そういうことなんだよ、ラビ君。
 頼んでいいかい?」

「ラビ、大丈夫ですよ。女の子は僕がなぐさめますから。」

「ほんとさ・・・?」

「ええ(ニコッ」

ほほえんだアレンのほっぺたをギュっと
誰かがつねった。

「いてっ」

「そんな簡単な話しじゃないんだってぇばぁ。
 一人で少女から涙を流すことを止められるなら
 アレンくんだけで行かせるよ。
 でも、それが無理だからラビ君にも一緒に行ってほしいんだ。」


アレンのほっぺたを離したコムイが

まじめな顔でそう言った。


ラビが俗に言う体育座りをして
グズグズ言っている。


「頼んだよ。」

そういってコムイは自分の机へ戻った。

「場所はカナダ南部。探索部隊(ファインダー)を
 現地に二人派遣させたが、どちらとも
 連絡がつかなくなった。
 昼間に少女と接触させた日の真夜中が過ぎ、
 朝になる前の時間にだ。」



アレンは胸の内で不安が風のように
ざわつくのが分かった。

Re:  D.Gray-man*world ( No.2 )
日時: 2011/03/21 17:08
名前: 神田 マナ (ID: 9qyxNSv4)
参照: http://kannda.mana

「まだ朝の五時過ぎだし、さすがに今行けとは言わない。 
 でも、今日の日没までには向かってもらいたいな。」

コムイは手を組んで、その手にあごをのせた。

「日没?!暗くなってから行くのか?!」

ラビが心底驚いたというふうに立ち上がり、
コムイににじりよった。

「日没までに汽車に乗れれば、
 少女のいる町には明日の昼には着けるだろう?」

「…あぁ。そういうことか。」

「ふふん。僕をみくびってはダメだよ、ラビ君。」

「別にみくびっちゃねえさ。」

「じゃあ、日没までゆっくり準備してくれ。
 アレンくんは、たくさんジェリーの料理を食べておくんだよ。」

「はいっ。」

アレンが返事をすると、
コムイは伝えきったことに安心したのか、
ぱたりと机に倒れ伏し、眠りに落ちた。

ラビが、へっ?とコムイを起こそうと手をのばす。

「寝かせといてあげましょ?
 きっとコムイさん、徹夜明けなんだ。」

伸ばしかけた手をビクッとひきつらせて
ラビは、そうだな。とうなずいた。


司令室をでて、食堂に行く道ながら
アレンはふいに足をとめた。

「ん?どしたんさ、アレン。」

ラビが不思議そうに立ち止まった。

「えっと・・カナダ南部とは聞きましたけど、
 カナダ南部の、なんて町か聞きませんでしたよね?」

「あ!」

二人の間に、コムイさ〜ん・・・・という
倦怠感のような空気が流れた。

「どうしましょ・・・。ファインダーの方たちは
 先に現地に行ってしまってるようですし・・・。
 行けば分かる、という感じでもなさそうですよね?」

「…まぁ、どうにかなるさ。
 今は朝飯食べちゃおうぜ!」

意外とあっさりしているラビに少々驚きながらも
アレンは、こくりとうなずいた。




「アレン、どんだけ食べれば気がすむんさ!!!」

ふくれたお腹をさすりながら、ラビがそういった。

大量のお皿をすでにつみあげていながら、
まだまだ料理が入ったお皿もスタンバイしている
テーブルに、アレンは座っていた。

「まだまだいけますよ!」

チャーハンを食べたところでアレンはラビにそういった。

「だって何皿目・・・」

そういってラビはアレンの食べた料理の皿を数え始めた。

「・・10…63……え!!アレン、もう85皿分食べてるさ!!」

「食後にみたらしが300本待ってますよ。」

肉団子をいっきに三つほおばり、アレンは嬉しそうにラビに言った。

そのとき、ラビの後ろに大きな影がひそんだ。

「ぉ?」

ラビは不思議そうにふりむき、そして息を呑んだ。


「・・・ゆ、ゆう?どしたさ、そんなに目に怒りをたたえて…。」

怒りで目をぎらつかせる神田と目があった瞬間、
アレンは一気にむせかえった。

「あぁぁあああああ!!!!」

ビクゥッとラビが飛び上がる。

「な、なんさ・・・。」

「すいません、神田!ことづけをラビに言うの完璧に忘れてました!!」


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