二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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【目高箱】螺子少年と従順少女【めだかボックス】
日時: 2016/01/09 16:26
名前: 弥薙 (ID: g1CGXsHm)

えーっと、初めまして。の方が多いと思いますので初めまして。
現在ハリポタ逆トリの小説を書いております、弥薙と申します。
…で、ハリポタ連載を残して何勝手に新しいの連載開始してんだこの野郎な状態な私ですが、何か無性にめだかボックスが書きたくなったのですはい。
この頃読み始めためだかボックス、この連載も続くかどうか分かりません、マジで。本人でも分かりませんし。

あのですね、題名の語呂が何か聞いた事あるかもしれませんが、言わないでください私も何となくおもってます。
題名で誰落ちとか誰寄りとか分かるのではないでしょうか、少なくともキミコトよりは。

ではでは、今回の設定です。恐らくジャンルは、「微既知転生トリップ/半傍観/半シリアス/たまにギャクほのぼの/甘?」になるかと。あ、微既知ってのは少しだけ原作の知識有りって事です。
そして、またまたこの小説はストックなんてないので。絶対更新不定期になります、ハリポタと同時進行です。気乗りする方が進むでしょう。原作沿いになるかは…気まぐれって事で。多分半々になると思のですが。

なおー、この小説をみる際にはご自分の好みのジャンルかお確かめいただく事をオススメします。上に書いたのでもう書きません面倒なので。




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Re: 【目高箱】螺子少年と従順少女【めだかボックス】 ( No.1 )
日時: 2011/08/26 16:11
名前: 弥薙 ◆W0QYWn4g4E (ID: w/qk2kZO)

傍観主
尊灯 契(みことび ちぎり)

転生前は25歳、立派な成人女性であり職業はアニメテレビ関係の仕事をしていた。ある日、書店でめだかボックスの漫画を見つけ一巻から四巻まで衝動買い。その日のうちに三巻までを読み終え、次の日。寝不足の所為かふらふらとしていると赤信号なのに信号を渡ってしまいはいご臨終みたいな。で、気が付いたら赤ん坊でした。
性格は取り敢えず球磨川至上主義とでも言おうか。今回はこれだけ言っておきます。
転生前の容姿は黒髪を肩を十数cmほど過ぎた長さで切っている。普通に茶色の目で、容姿で人と違う所といえば周りより少々身長が高かった事くらいだろうか(174cm)。
転生後の幼少期は、青みがかった黒髪を転生前と同じ長さに切っている。目の色は薄い茶色。成長していくと17歳の時の髪の長さは背中の真ん中辺りでキープされている。17歳の時の身長は165cm。
過負荷でありながら異常性も持ち合わせる。過負荷は「絶対的忠誠」、「暗示の真実」。異常性は「依存心/独占欲」。過負荷の絶対的忠誠は生まれつきで、暗示の真実は安心院から借りているもの。異常性の依存心はあるからといって特別な能力があるわけでもない。本質的にいえば絶対的忠誠と依存心は同じであり、依存心があるから絶対的忠誠という過負荷がある。逆もまた然り。過負荷がどういうものなのかは本編にて、…多分。
一人称は私。所属は最初は三年五組、後から三組マイナス十三組組音楽とお菓子が好きな見た目だけなら平凡な少女。音楽プレイヤーiP●d常備で、それには前世のものに入っていた音楽がそのまま。買ったら何故か入ってた。もしかしたら神様とかの所為かも。逆ハー主が神様に愛された少女ならこっちは死に愛された少女、とでも言おうか。

逆ハー主
転生前姫路 麻美(ひめじ まみ)/転生後御伽原 愛里守(おとぎはら ありす)

トリップ前は14歳、厨二病真っ盛りであり、この麻美という女子中学生も厨二病真っ盛り。その結果、御伽原愛里守という名前に。めだかボックス愛読者で常々トリップしたいと思っていた。所謂既知トリップ。交通事故で死んだが、神様から本当は死ぬはずではなかったのに自分の所為で死なせてしまった、だから好きな所にトリップさせてやる。という有りがち過ぎる台詞を言われて、めだかボックス!!!と即答したらしい。
性格は何処ぞの夢小説みたく元はとても酷く醜い性格ではない。ただ好きなキャラを独占したいという欲からキャラと親しくしている奴に嫉妬して嫌がらせしたり。それもかなり酷いの。
転生前は普通に黒髪に茶色の目。顔立ちは悪くもなく良くもなく、まあ良いかなくらいの平凡容姿。だが転生後、神様に頼んで青みがかった銀色の髪に右が真紅で左が蒼の瞳に。腰までのロングヘアーで、ぱっちり二重。顔立ちはこれでもかという具合に整っており、逆に怖い。
異常性は「完全模写パーフェクトコピー」、「愛され少女ラブリィガール」。完全模写はいわばめだかのと同じ。っぽいが本当は不完全だが、それでも十分最強設定だよね。愛され少女は逆ハー補正の事。好きなキャラは蝶ヶ崎蛾ヶ丸、人吉善吉、球磨川禊、阿久根高貴、宗像形、雲仙冥利、行橋未造、都城王土、……いや、美形キャラほとんど。順位は並び順通り。
一人称は愛里守。所属は本当は十三組だが我儘で一組に、てことで一年一組。正真正銘、神様に愛された少女。神様がそう言ったんだから間違いない。だがめだかボックスの世界に直接干渉は勿論、間接的なものでも難しい。なので夢に現れたりとかしか無理。

『ではでは、球磨川禊落ち連載。』『螺子少年と従順少女、連載スタートとか!』

Re: 【目高箱】螺子少年と従順少女【めだかボックス】 ( No.2 )
日時: 2011/08/26 13:06
名前: 弥薙 ◆W0QYWn4g4E (ID: w/qk2kZO)

【第−0箱】
(??サイド)
やあやあ、初めまして。俺は……っと、言っちゃあまずいんだよな、だから秘密って事で。それはそうと、君達。もし、自分が死んで目が覚めたら赤ん坊になっていたらどうする?まあ、普通は慌てふためくとか泣くとかだよな。赤ん坊だからそんなのしても怪しまれないしさ。…何でそんな事聞いたかって?そりゃあ、今から始まる物語のヒロインがそういう境遇だからだよ。
さあ、お話はこれまでだ。君達は早く物語を読みたいのだろう?じゃあ、いってらっしゃい。嗚呼、最後に俺の正体…は言ってやらないけど、ヒントくらいはやるよ。俺は、めだかボックスとかいう漫画の世界の神じゃない。神なんて崇高なもんじゃない、死にまみれた、汚れた種族だよ。

【第−1箱】「さようなら。初めまして。」

とある街に、ごく平凡な女性が信号へと向かっていました。ですが信号は赤、女性は止まるかと思えばそのまま進んで行きました。そして女性は………車にひかれて、死にました。


____あれ、ここは何処だろう。
とても、とても息苦しい。それに狭い。何も視えない。
でも聴こえる。外から、大丈夫だ、頑張れって声が。
あ、れ。何だろう、外に押し出される____!

おぎゃあ!おぎゃあ!

外に押し出されたと同時に、私は痛くて痛くて泣き出した。でもその泣き声は赤ん坊の、ものだった。周りからは、歓喜の声。良かったですね、可愛い女の子ですよ!なんてお決まりな台詞が聞こえてから、私は悟った。
私は、死んだはずなのに。確か車にひかれて。とての痛かったのを覚えてる、頭から血が流れ出て、全身がずきずき痛んで。なのに、私はこうして赤ん坊として生きている。それはつまり、私は__転生してしまった。

いや、いやだ。認めたくない。"むこう"にはまだ父さんや母さんが、姉が弟が。私を見てくれた、人達が居るのに。あれほど私の事を分かってくれた人達はいなかった!

気付けば私は大泣きしていたみたい。だって、悲しいじゃない。家族が居なくなったのよ。家族の元から離れてしまったのよ。とても悲しいのに…何だか、眠い…。



転生してから、新しい命を得てから5年ほどたったと思う。私は生まれた時から、もう人格形成は終わっていたわけで。というか25年分の知識が頭に詰まっている。だから両親の言葉は全て分かる、両親が元気でしゅか〜、なんて赤ちゃん言葉で話しかけると私は頷く。お腹空いた?と聞かれれば首をふったり頷いたり。最初は両親も近所の人達も、賢いねって褒めてくれた。ズルいかもしれないけど、褒められて悪い気はしない。
けれど、段々と気味悪がられてきた。いや、いやよやめて…!そんな目で私を見ないで。そんな目で見られて、耐えられるほど私は強くないの、捨てないで…。それから両親はよく、何処からしいれてきたのか知らないけど、食事に毒を入れてくるようになった。最初は微量、だけど幼い私相手になら十分すぎるくらい効いた。苦しかった、気持ち悪かった、死にたかった。でも暫くすると慣れてきた。私が耐えてこれたのは、"むこう"の両親をおもっていたから。

ある日、私は…なんだっけえーっと、…そうそう、箱庭総合病院ってトコに連れていかれた。託児室につくと両親に突き飛ばされるように、部屋にいれられた。痛かった、とても。

『君、大丈夫?』

そう聞かれて振り返ると、不気味…と世間は言うだろうが私は結構可愛いと思う兎の人形を持った男の子だった。私は頷くと、男の子はにこりと笑った。

『良かった。』『君も検査を受けにきたの?』
「そう、だよ。ねえ、検査って一体何の検査なの?」
『あれ、君知らないの?』『検査っていうのは、異常アブノーマルかそうでないかっていう検査さ。』

え?今、なんて言った?異常って、まるでめだかボックスみたいじゃない。…嗚呼、そういう事。此処が箱庭総合病院って、箱庭って言葉がつく意味が分かった。…でも、貴方はだあれ?

「そうなんだ、…君、くまがわみそぎくんって言うんだ。」
『うん、そうだよ』『君はみことびちぎりちゃんって言うんだろ?』『仲良くしようよ!こんな所に連れてこられた者同士。』
「仲良く、してくれるんだね。…うん、仲良くしよう。君、いいや、みそぎくんが仲良くしてくれるって言うのなら!」

私がそう言ってにこりと笑うとみそぎくんも笑い返してくれた。そのまま私達は、看護師さんが呼びにくるまでずーっと話してた。また会おうって、約束した。私はうん!と元気よく返事をする。
私は検査結果が曖昧らしい。どっちかまだ分からないんだって。私は異常ではないと思うよ。極々普通の、女の子なんだもの。

あとがーき
ようやく終わったぜ、一話。球磨川が何か違うって?突っ込まないでおくれ。球磨川の事は契は知りません。だって見ていた巻に球磨川まだでてないもの。

Re: 【目高箱】螺子少年と従順少女【めだかボックス】 ( No.3 )
日時: 2011/08/12 13:40
名前: 弥薙 ◆W0QYWn4g4E (ID: w/qk2kZO)

【第−2箱】「貴女と同じというだけで、私は百人力なの」

あの日、私がみそぎくんに会った日から毎日が楽しくなった。例え、食事に毒を入れられても、殴られても蹴られても。そういえば泥水とか新聞紙とか、灯油とか飲まされた事もあったっけ!それでも、私が図太く生き続けているのは、みそぎくんのお陰かな!

『3日ぶりかな、ちぎりちゃん』『遊びにきちゃった!』


そう明るげに言ったのはみそぎくんだった。何で、って言おうとしたけどその前にみそぎくんが、『愛の力で分かったんだ』なんて言って、あとから『嘘嘘、本当はちぎりちゃんを尾行してからだったり!』とネタバラシ。まあそうだろうね、とは思ってたよ。
正直何で此処に来れたっていう理由なんて必要無かったりする。だってみそぎくんが来てくれただけで、嬉しいんだもの。

「凄く会いたかった、会いたかったよみそぎくん。ねえねえ、今日は何して遊ぼうか?」
『うーん、そうだなあ…』『家出ごっこなんてだろうだろう!』
「家出…、それはいいね!ごっことは言わず、このまま出ていってもいいと思う。私、…みそぎくんと一緒に居たい!」

そう言うとみそぎくんは意地悪そうな笑顔を浮かべて、『すぐにやろうよ』と言ってくれた。出ていったって何の未練もない。だって子供に泥水とか新聞紙とか灯油とか、毒入りの食事を食べさせる家だもの、出ていっても何の文句も言われない。
早速私は両親が出かけて現在私だけの家に駆け上がって必要なものをリュックに詰める。まずは、果物ナイフでしょ、食料+水でしょ、…あとはお気に入りの人形に……もうこれだけでいいか。
リュックを背負って家を出るとみそぎくんが待っていて、私が出てきた事を確認するとみそぎくんは手を伸ばしてきた。私はその手をとって、手を繋ぎながら何処かあてもなく足を進めていった。

せっせと足を進めていて(子供の体って歩幅小さいの)、みそぎくんが止まったと思えばそこは箱庭総合病院の前。…そういえば、まだ検査の結果が分かっていない。みそぎくんは異常だって言ってた、私はどうなんだろう。みそぎくんと同じ?それとも違う?いや、私はみそぎくんと同じがいいの、でも同じなの?
託児室で待ってる、とみそぎくんは言ってからさっさと行ってしまった。私はソファに座って呼ばれるのを待つ。横にピコピコとゲームをしている男の子と、可愛い女の子が座っている。女の子は男の子に煩いとかなんとか話し掛けて……あれ、男の子が女の子に釘バットで叩かれた、痛そう。でも男の子はけろっとしてて、呼ばれたからといって行ってしまう。…で、何で男の子が座ってた所が壊れてたの?

飛沫「…お前、驚かないのか?」
「驚いたけど、わざわざ表現する必要はないと「契ちゃーん、検査結果が出たから来てくれるー?」はーい。…私も呼ばれたから、行くね。」

去り際に、「それと、貴女って可愛いね。将来絶対綺麗になるよ。」と言ってみる。おじさんが言ったら変態だけど、私子供だからいいよね。私一回ああいうの言ってみたかったんだ。

飛沫「、何だよ。照れるじゃん…。」

そう呟いて、少し顔を赤くして照れている飛沫が居た事は誰も知らない、と思う。
看護師さんに呼ばれてある部屋にはいるとそこには、小さな女の子。でも医者の格好をしているから、何か大きくなれない病気でも患っているのだろうか。
自己紹介をされた。彼女は人吉瞳、偶然にもあの人吉善吉と同じ名字。まあ、それはおいといて、私は人吉先生が言うに、微妙なんだって。だから今から質問するから、答えて欲しいんだってさ。

瞳「まず契ちゃん、貴女は自分が何処か周りと違うって感じた事ある?」
「はい。虐待されてるって事自体、周りと違いますし。それと、…母さんにお前は他の子よりも誰かに依存してるって、言われた事があります。」
瞳「そう……、じゃあその依存しているって言われた時に、自分でそうだな、とか思った?」
「はい、思いました。」

そう答えると人吉先生はうーんと考え込んでしまった。何々、私困らせるような回答した?ううん、私は正直に答えただけだよ。困られても、私が困る。
考え込んでいた人吉先生が、真剣な顔付きをして口を開いた。

瞳「契ちゃん、貴女は……異常よ。」

そう言われて、私の中に複雑な感情が渦巻いた。みそぎくんと同じなのに、でもその異常の所為で友達が出来なかったら?言っとくけど私は、友達零で生きてけるほど、強くないんだよ。
嗚呼…、でも友達ならみそぎくんがいる!そうだ、そうじゃないか。私にはみそぎくんが居ればいいんだ。他の子なんていらないんだ、そうに決まってる。でもね、さっきの女の子。あの子がもし異常なら、あの子なら友達になりたいな。私、あの子好きだもの。でもみそぎくんはもっと好き!

「そうですか、人吉先生!あはは、そんな深刻な顔しないでください!では私は帰りますね!大切な人を待たせているので!」

みそぎくんと一緒、そう思うととても嬉しくて。そのまま帰ろうとすると、人吉先生からカルテを渡された。それだけは読んでおきなさい、だってさ。でも今は読んでる暇はない。早く、早くみそぎくんの所にいかなくちゃ!
急いで託児室にいくと、みそぎくんが待っていて。

『あ、やっと検査結果分かったんだ。』『僕、待ちくたびれちゃった。』『で、結果は?』
「聞いてよみそぎくん。私、異常だって!」

みそぎくんと一緒だよ!そう言ったらみそぎくんは『じゃあ過負荷マイナス?それともそのまま異常プラス?』と聞いてきた。頭にはてなを浮かべる具合に首を傾げるとみそぎくんは私の持っているカルテを奪いとって、ふむふむ、とでも言うかのように見ている。
暫く、たまに表情を変えながらカルテを見ているみそぎくんを、私は疑問に思いつつ読み終えるのを待った。全て読み終えると、みそぎくんは満面の笑みで私に言ってくれた。

『おめでとう、ちぎりちゃん!』『君は僕と同じ異常アブノーマルで、僕と同じ過負荷マイナスだ!』

過負荷、それがわからなかったけど、取り敢えず私はみそぎくんと一緒だという。その時嬉しくて嬉しくて、泣いてしまったのを今も覚えている。

あとがーき
暫く幼少期編が続くと思います。そして題名が意味不だ。

Re: 【目高箱】螺子少年と従順少女【めだかボックス】 ( No.4 )
日時: 2011/08/26 13:08
名前: 弥薙 (ID: w/qk2kZO)

【第−3箱】「大好きだから、離れたくないのに」

『おめでとう、ちぎりちゃん!』『君は僕と同じ異常アブノーマルで、僕と同じ過負荷マイナスだ!』
そうみそぎくんに言われてから、私達は病院を出て行った。…さてどうしよう。私は家出をした、で、何処に泊まろうか。

「そうだ!みそぎくん、みそぎくん。私みそぎくんの家に泊まりたいんだけど『それは駄目だよ』…何で?」
『君は孤児院へ行くんだ。』『そこで時が来るまで、一人で過ごすんだよ。』
「なに、言ってるの。ねえ、嘘だよね。それじゃあまるで、まるで、…みそぎくんに会えないみたいじゃない。」
『その通り、ちぎりちゃんは僕に会えない。』『でも大丈夫。ちゃんと時が来たら迎えに行ってあげるから。』

頬を伝う生暖かいもの、それはきっと涙。自分でも目から涙が止まらず流れる事が分かる。こんなに泣いたの、何時ぶりだろう。ああ、そうだ。私が此処に転生した時ぶりかな。
いやだ、いやだと私がぐずるとみそぎくんは私を軽く抱き締めて、背中をぽんぽんと、赤ん坊をあやすように叩く。

『泣かないでよ、僕が泣かせたみたいじゃないか。』

そう困ったように言っても泣き止まない私の頭に、何かが置かれた感触。頭を触ってみると何がに当たる。それを取って見てみると、小さな帽子。よく見るとみそぎくんの人形の帽子がない。みそぎくんがいうには、これを僕を思え、とのこと。

『あー、でも。』『僕があげる一方じゃあ、フェアじゃないよね。』
「…それ、なら。ひっく、これあげ、る。」

泣いているからかな、上手く話せないや。私はリュックの中を探って、お気に入りの熊の人形を取り出す。人形の首ついてる紫色のスカーフを外すと、みそぎくんの首につけ直す。

『わぁ、わざわざ付けてくれるなんて、嬉しいよ!』『でもまだ、ちょっと足りないかなあ』

にや、子供の癖に妖しく妖艶ともいえる笑みを浮かべると、みそぎくんが急接近してくる。
ちゅっ
頬に柔らかい感触とわざとらしいリップ音が響く。……、やばい、顔が熱い。

「何を、するのかなみそぎくん。」
『何って、キスだよ。』『次会った時は、そっちのを貰うから!』『誰にも渡しちゃいけないよ?』

みそぎくんは私の、く、唇を指差して言うと私に何かを握らせて走り去ってしまった。みそぎくんの影が、遠く、遠く、とおく、トオクに。また溢れて来そうな涙を堪え、手に握らされたものを広げて見ると、手紙だった。

「ちぎりちゃんへ
『君にとっておきの孤児院を紹介してあげる!』『××市にある、箱庭第一孤児院っていうんだけど。』『捨てられたって言ったら引き取ってくれるから。』
『でも、絶対に僕以上に大切な人を作っちゃいけないよ?』『約束だから。』『破ったら、僕がころしちゃうかも、なんてね!』『じゃあまた、何処かで』
くまがわみそぎより」

みそぎくん、手紙にまで括弧付けちゃって。ああ、これから寂しくなるなあ。いやだなあ。堪えていたはずの涙を流しながら、みそぎくんが手紙でいってた箱庭第一孤児院ってトコを目指して歩き出す。

「あの、私、おかあさんとおとうさんに捨てられちゃって。此処で、引き取ってくださいませんか?」
院長「ええ、いいですよ。可哀想に、さあ、こちらへいらっしゃい。」

これから始まる、最悪最低な日常。今日で終わった、幸せな日常。

「ずっとずっと、大好きだよ、みそぎくん。だから絶対に迎えにきてよ?じゃなきゃ、約束破るんだから。」

あとがーき
まさかの展開だったと思います。幼少期編もうちょっと続けるつもりだったんですけど。

Re: 【目高箱】螺子少年と従順少女【めだかボックス】 ( No.5 )
日時: 2011/08/25 19:03
名前: 弥薙 ◆W0QYWn4g4E (ID: w/qk2kZO)

【第−4箱】「物語が始まる、これが意味する事は」

私、尊灯契が箱庭第一孤児院へ入ってから13年。長かった、めだかボックスという一つの物語が始まるまで。まずは小学校、一度習った事を習うというのは苦痛でしかなかった。名前は……忘れた。次は中学校、これも一度習った事を習うのは苦痛だったけど、まだこっちは新しく知る事があって良かった。名前は、確か一枡女子中学校。そして、いよいよ箱庭学園。1年と2年で、3年の勉強(といってもスキルをして少し何をやるかとかを思い出しただけなんだけど)を終わらせた。じゃなきゃ、勉強なんてする暇ないもの、主人公が入学してくるんだから。
そして、やっと____

世界は平凡か?
(No、この世界が平凡だって?そんな奴こそ平凡だ!この世界は狂いに狂っている。これを異常と言わず何と言うの?)

未来は退屈か?
(いいえ、きっと未来は退屈なんて言葉も思い浮かばないほど、面白いはずだよ。)

現実は適当か?
(適当、ね。その言葉自体適当だね。現実なんてもの、複雑よりももっと上の何か。)

安心しろ。それでも、生きることは劇的だ!
(Yes、劇的じゃない人生なんて、人生じゃないと思わない?)

そう、全校生徒の前で啖呵を切った主人公、黒神めだかが入学してきた。私はそれを聞きながら、笑いを堪えていた(ので、周りの生徒達から変な目で見られました)。そういえば、目安箱だっけ?私もそれに投書してみようかな。私の大切な人、詳しく言えば球磨川禊って人を探してくださいって。
教室に帰ったら、さっきの黒神めだかの話題で持ちきり。凄いよね、あの人は。存在価値がこれでもかってくらいあって、苦労もせずに友達ができて、羨ましいよ、憎らしいよ。…こんな騒がしい教室になんて居たくないから、私は鞄を持って放課後まで屋上で過ごす事にした。
屋上は風が涼しい、それに眺めもいいと言えば良いし。私は鞄から音楽プレイヤーを取り出した。何だかこの音楽プレイヤー、前世のとデータが同じなんだよね。イヤホンを耳につけて、屋上の一目につかない所に寝転がる。

「愛したっていうのですか しがみついてもがくことを
殺したっていいじゃないか キミが嫌うアタシなんて」

音楽プレイヤーで聞いていた音楽が好きな曲だったから、思わず口ずさんでしまった。誰か聞いているなんて、想像もつかない私はそのまま口ずさみ続けた。


放課後、
原作は始まった、なのにみそぎくんは迎えに来てくれない。別に、白馬の王子様を待ったお姫様、なんて大層な思考じゃないけどね。もうそろそろ、迎えに来てくれたっていいじゃない。だって13年、13年だよ。もう十分待った、帽子だって大切に持ってるよ。だからさ、早く来て。そうじゃないと、

「手紙の約束、破っちゃうかもよ?」
____『んー…、それは嫌だよ、ちぎりちゃん』

いつか口にした言葉をもう一度、言ってみると、一陣の風が吹いて、その風に乗ってみそぎくんの声が聞こえて来た。気がしたんじゃない、本当に聞こえたんだ。私はもしかしたら、と思って周りを見渡すけど、誰も居ない。けど、電信柱の所に、さっきまで無かったであろう手紙が置いてあった。考える事もせずただ手紙を拾って、開けて見る。

「『もう直ぐ行くから、待っててね』

P.S 『約束破っちゃあ、行ってあげないから。』」

そう、簡潔に書かれて終わっていた。けど、それだけで私を安心させるのには十分と、みそぎくんは分かっているのだろうか。あーあ、ロマンチックな事してくれちゃって、そんなに私を泣かせたいの?でも、泣いてやんないよ。13年間待たされた罰。あ、それだけで終わらせる気はないよ?だから、覚悟しとくんだねみそぎくん。


___________________


『うん、覚悟しとくよ。』

とあるファーストフード店…もういいや、マクド(※マクドナルド/マックとも)で黒の学ランを着た少年、球磨川禊がそう呟く。そして、その呟きを疑問に思うのは正面に座る二人の男女。

蝶「球磨川先輩……?覚悟しとく、とは?」
飛沫「何だよ、球磨川さん。幻聴でも聞こえたか?」
怒江「幻聴?大丈夫なんですか?球磨川さん、無理しないでくださいね?」
『あ、ごめんね三人共、今のは気にしないで!』『それよりね、僕、明々後日くらいから箱庭学園に転校したいんだけど。』『まずは君達の意見を聞こうと思うんだ。』
飛沫「あたしは球磨川さんが転校したいんならいいけど。」
蝶「同じく、です。」
怒江「私も、球磨川さんがそうしたいなら。」
『ん、有難う皆』『じゃあ、明々後日に箱庭学園に転校って事で』『話は僕がつけとくから、皆は帰っていいよ』

そう言うと皆はしぶしぶって感じでマクドを出て行った。僕は残ったコーラをずずー、と飲み干すとゴミ箱っぽい所にドリンクの入れ物とその他もろもろを捨てる。
ああ、楽しみだなあ!!あと少しで会えるから、もう少し我慢しててよ、ちぎりちゃん。


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