二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- ぬらりひょんの孫〜月下美人〜 完
- 日時: 2012/08/09 23:36
- 名前: このみ (ID: EggErFJR)
こんにちは!!そして初めまして!!!
このみと申します。
*ぬらりひょんと珱姫が出会う前の方から始まっていますので、オリジナルの部類に入るかなと思います。
*このお話はシリアス系です。
それが嫌な方は回れ右してください。
*設 定 >>2
*第一幕 >>4
*第二幕 >>5
*第三幕 >>6
*第四幕 >>13
*第五幕 >>28
*第六幕 >>34
*第七幕 >>35
*第八幕 >>49
*第九幕 >>50
*第十幕 >>75
*第十一幕 >>80
*第十二幕 >>83
*第十三幕 >>88
*第十四幕 >>91
*第十五幕 >>97 * >>101
*第十六幕 >>168
*第十七幕 >>197 * >>208
*第十八幕 >>209
*第十九幕 >>212
*第二十幕 >>216
*第二十一幕 >>221 * >>240
*第二十二幕 >>242
*第二十三幕 >>249 * >>255
*第二十四幕 >>256
*最終幕 >>281
*あとがき >>282
2011/11/27 〜 2012/08/09
応援して下さった皆さん、ありがとうございました。
〜ちょっと一言〜
スマホだと上のリンクが綺麗に縦に並ぶのにPCだとガタガタになっちゃう。
でもPCに合わせるとスマホでガタガタになっちゃう。
どうしましょうコレ。
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58
- Re: ぬらりひょんの孫〜愛してくれたから〜 ( No.2 )
- 日時: 2011/11/27 20:11
- 名前: このみ (ID: 1kkgi9CM)
*ヒロイン設定*
輝夜と呼ばれる月の妖怪。
山奥にひっそりと住んでいた。
とても美しく、誰もが憧れる存在。
満月の夜になり月を見てしまうと、頭に獣耳が生え、尻尾が生え、黒目の部分は縦になる。その状態で人間に出会うと、襲ってしまう。
名前:輝夜
見た目年齢:二十歳前後
身長:155㎝
体重:43㎏
容姿(覚醒前):黒目のぱっちりとした目。黒髪は右側で三つ編みにしてある。下地が黒で、蝶々の模様が入った着物がお気に入り。
容姿(覚醒後):頭に黒色の獣耳、お尻には黒色の尻尾がある。大きな黒目は縦に割れ、肉食動物のような瞳になる。
住んでいる場所:山奥の寺にひっそりと住んでいる。
特徴(覚醒前):山に迷い込んだものを寺に呼び、ご飯を食べさせてあげるなど、とても優しい。
特徴(覚醒後):満月の夜になり月を見てしまうと、自分の中にある「妖怪本来の力」が溢れてしまう。そのため、人間に出会うとどうしても止められなくなり、襲って殺してしまう。
なので、満月の夜は月を見ないように寺に引きこもっている。
一人称:妾
※「かぐや姫」から設定をつくりました。
- Re: ぬらりひょんの孫〜愛してくれたから〜 ( No.3 )
- 日時: 2011/12/09 23:49
- 名前: このみ (ID: 1kkgi9CM)
*蓮さん*
ありがとうございます!!!
私も総大将お相手のお話好きなんです♪
よかったら、また来てくださいね!!
- Re: ぬらりひょんの孫〜愛してくれたから〜 ( No.4 )
- 日時: 2011/11/26 23:12
- 名前: このみ (ID: 1kkgi9CM)
第一幕 〈輝夜〉の噂
山奥の寺————
『ああ…もう明日…。明日が満月…』
そこには、怖ろしい程美しい女が縁側に座り空を見上げ、月を見つめていた。
『妾はもう————人を殺したくはないのに』
涙を流しながらつぶやいた言葉は、澄んだ空に吸い込まれるように消えていった。
江戸の街————
「聞いたかい!明日は満月だってよ!」
「ああ聞いた聞いた!だから〈寺〉には近付いちゃなんねぇ」
「近付こうものなら、美しい女に綺麗に殺される——」
「そういや、おいらの友人がその山に入って行ったんだが…」
「殺されちまうよ!!なんで入ったんだい?」
「殺されてもいいからその女に会いたい!って」
「馬鹿だねぇ!!!」
「あの山でまた死体が見つかるのかい…。ああ、畏ろしい!!!」
満月の日の前は、必ずこのような話がされた。
山奥に住む女は美しい姿で人間を襲う。
その女は満月の日に近づくたびに美しくなる。
その姿を一目見たいと、わざわざ満月の日に山に入り女を探すのだ。
自分の命と引き換えに。
「その女の名は、輝夜」
満月の日に山に入った人間たちは、死ぬ直前、輝夜の最も美しい姿をその瞳に映し死んでいくのだ。
「気になるのぉ。その〈輝夜〉という女」
ぬらりひょんはニヤリ、とわらい山に向かって歩き始めた。
輝夜がいる山に向かって————
- Re: ぬらりひょんの孫〜愛してくれたから〜 コメント募集中!! ( No.5 )
- 日時: 2011/11/27 19:05
- 名前: このみ (ID: 1kkgi9CM)
第二幕 心の叫び
「輝夜—!輝夜—!」
満月の夜、輝夜を呼ぶ声が山に響いた。
『人、間…。来ては駄目…』
輝夜は月が見えないように頭から布を被り、部屋に籠っていた。
その時、輝夜の周りだけに、月の光が当たった。
山にいる、街にいる、家の中にいる人間、妖怪、そして輝夜の頭の中に、〈天の声〉が〈語りかけた〉。
『『『『輝夜』』』』
『『『『顔をあげなさい』』』』
『『『『時が来ました』』』』
『『『『さあ、力を…』』』』
『『『『力を出すのです』』』』
『『『『輝夜…』』』』
輝夜は魂が抜けたような虚ろな目をして、顔を上げてしまった。
黒々としたその瞳に、満月が映った。
その瞬間————
輝夜の瞳は縦に割れ、獣耳が生え、尻尾が生えた。
『あ…うぁ…ううううっ!!!!』
輝夜は身体を丸くし、自分の体が変わる痛みに耐えた。
『ううう…。うっ、つ…。はぁ…はぁ…』
痛みが終わると、輝夜は顔を上げ、ニヤリと笑った。
『人…間…!!!!』
そして、寺を出て人間の匂いのする方へと駆けていった。
涙を流しながら————
「またこの声かい!!」
「困ったもんだ」
街の人々は口々に〈声〉に文句を言った。
〈声〉は誰にでも聞こえる。
そう。
誰にでも。
妖でも人でも誰でも。
もちろん、ぬらりひょんも。
「へぇ…今まで気にしとらんかったが、ちゃんと聞いてみるとこの〈声〉とやらが輝夜をおかしくしとるんじゃな」
ぬらりひょんは、この〈声〉が、輝夜を操っていると考えた。
月を見るように。
いくら見たくなくても、操られているのではしょうがない。
どう足掻いても見てしまう。
「輝夜…か」
そう呟くと、ぬらりひょんは強大な妖気に向かって走り出した。
「輝夜が出たぞ————!!!!」
「輝夜だ————!!!!」
輝夜に遭遇した人間は、死ぬ直前、そう叫んだ。
死に顔は、殺されたにもかかわらず〈笑って〉いた。
それほどまでに、美しい。
美しすぎて、死さえも怖くないと思えるほど。
恐怖を上回る、いや、死を上回る美しさ。
畏ろしく、怖ろしく、恐ろしい。
怪しく、妖しく、美しい。
輝夜を見るだけで、酒に酔ったようになる。
その酔いに浸かっているうちに、殺されてしまう。
ぬらりひょんはその美しさに、酔った。
しかし、ここで酔ってしまっては殺される。
そう自分に言い聞かせ、酔いを払った。
「あんたが輝夜かい」
何事もなかったように、いつものように言った。
輝夜はばっと振り向きぬらりひょんに向かって走り出した。
手を伸ばし、長く伸びた爪をぬらりひょんの首に当てようとした。
しかし、その手はぬらりひょんの手によって抑えられた。
『…!!??』
「一直線に向かってくるんじゃあ、こうやって抑えられちまう」
ぬらりひょんはその手を掴んだまま押し倒した。
「戦い方を知らんな」
『………』
輝夜は涙を流したまま、ぬらりひょんを見つめた。
「…なぜ泣いておる」
『……妾は…もう人を殺したくない…。だから…』
殺したくないのに殺してしまう。
大好きなのに、好きになってはいけない。
苦しくて苦しくて。
逆らえない自分が情けなくて。
涙を流すしかない。
心の叫びを涙に変えて。
流すしかない。
その叫びに気付いてくれたものはいない。
みな、死んでしまうから。
でもここに。
妾を捕まえられる、妾に殺されなかった人がいる。
だから…
『妾を…殺してください』
- Re: ぬらりひょんの孫〜愛してくれたから〜 コメント募集中!! ( No.6 )
- 日時: 2011/11/28 20:13
- 名前: このみ (ID: 1kkgi9CM)
第三幕 制御とぬらりひょん
『妾を殺してください』
輝夜はそう目の前の男に言った。
この男が何者かなんて知らない。
だけど、この男ならできる、そう思った。
『お願いします』
「嫌じゃ」
男はすぐに言い放った。
掴まれていた手を離され、輝夜の上に載っていた体もどかした。
殺されるかもしれないのに。
『…っ…。何故、ですか。妾はあなたを殺してしまいます。だからその前に…』
輝夜は泣きながら男に向かって叫んだ。
男は一度、きょとんとし、すぐにニヤリ、と笑った。
「殺してねえじゃねえか」
『…!!』
「今、ワシを殺すこともできるのに、殺してない」
『あ…』
輝夜は自分の手を見つめた。
力が体の奥に戻っていく気がした。
耳も尻尾もなくなった。
『な、んで…?』
今まではこんなことはなかった。
月が消えたら自然に元の体に戻っていた。
「制御、できるようになったんじゃねえか?」
『制御…』
そんなことができるなんて思ってもみなかった。
一生、このまま苦しんで生きていくのだと思っていた。
制御ができるようになったのはこの男の前だからだろうか?
金色の瞳、ふわふわと浮いている長い髪、大きな『畏』。
〈〈この人は…何者なのでしょうか??〉〉
『あの、お名前をお聞きしてもよろしいでしょうか?』
「ぬらりひょんじゃ。魑魅魍魎の主となる男よ」
『は、はぁ…』
いきなり「魑魅魍魎の主となる」なんて言われても、輝夜は困る。
〈〈なんて返せばいいのでしょう…〉〉
『ぬらりひょん様、ですか。この度は、妾の暴走を止めてくれてありがとうございます。なにかお礼がしたいのですが、妾の寺に来てはいただけないでしょうか?』
焦りながらも、なにかお礼をしなくてはと思い、輝夜は自分の住む寺にぬらりひょんを呼んだ。
「おお、そうか。ではお邪魔すとするかのう」
ぬらりひょん————
人の家に勝手に上り込み、飯食って帰る妖怪。悪戯好き。+遠慮がない。
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58
この掲示板は過去ログ化されています。