二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 風の守護者とプリンと風紀、 / REBORN
- 日時: 2012/05/28 13:24
- 名前: なゆ汰 ◆TJ9qoWuqvA (ID: 6vo2Rhi6)
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あ、死んだわこりゃ。
クラクションの音とともに、浮遊感。次の瞬間鈍い痛みが体中を襲って、嫁入り前の身体に何してくれとんじゃバッキャローとかそんなことが頭に浮かんだ。あーあ、せめてケーキバイキングにいきたかったなあ。視界が、ぼやけて。全ては暗闇に没した。
/風の守護者とプリンと風紀、【原作沿い】
※転生ヒロイン
※原作15年前から入るお話(原作雲雀は15歳設定)
※過去捏造
無気力主人公が織り成す笑い有りイライラ有り涙とラヴはほとんど無しなぐだぐだ連載。
GWだからってテンション上がりまくりなスレ主が潜伏中。
ときたま雲雀寄りになる可能性があるかもしれないしないかもしれない。
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CONTENTS(目次)
CHARACTER(登場人物)/浅井千歳>>1
【プロローグ】
TARGET 00〝序章〟/>>2
【幼少編】
∟◆[幼稚園編]◆
TARGET 01〝世界が生まれた日〟>>3
TARGET 02〝異端者の集い〟>>4
TARGET 03〝孤高の浮雲〟>>5
TARGET 04〝爆せよ少年〟>>10
TARGET 05〝毒盛りと夢と爆弾と〟>>11
TARGET 06〝即興な世界と幻想〟>>14
TARGET 07〝お遊びはディナーの後で〟>>21
TARGET 08〝溶解度〟>>24
TARGET 09〝Arrivederci!〟>>28
TARGET 10〝怒りんぼ少年と僕らの居場所〟>>30
∟◆[小学校編]◆
01/小学一年生
TARGET 11〝過去の自分に決別を〟>>32
TARGET 12〝此処から創めようか〟>>34
TARGET 13〝無名ライダー〟>>39
【短編】
夢心地カプチーノ/>>6
【小ネタ】
雲雀さんと一緒!/>>23
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【お客様一覧表】
カノン様
ルリ朱雀様
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【更新履歴(最新から2日分のみ)】
5/20 標的09更新/標的10更新
幼稚園篇完結
5/21 標的11/12更新
小学生篇始動
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(いー夢みろよ!)
.5/4スレ設立
- Re: 風の守護者とプリンと風紀、 / REBORN ( No.4 )
- 日時: 2012/05/05 20:07
- 名前: なゆ汰 ◆TJ9qoWuqvA (ID: w0.JbTZT)
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標的02 / 異端者の集い
5歳になった夏のある日。夕方、おつかいの帰りだった。カレーの材料を入れた買い物カゴを肩にかけて、並盛平和公園とかいう在り来たりな名前の公園の前を横切る。するとブランコに乗って、蹲っている男の子を発見。赤い夕日に照らされて、ぐずぐずと鼻を啜っていた。見覚えのある容姿だった。重力に逆らったような髪が一番特徴的だ。
私は、買い物カゴを肩にかけなおして、男の子に近づいた。
「どうしたんですか」
「!……べ、つになんでもな、いよ…っ、」
びくりと震えてあげられた顔はやはりREBORNの主人公だった。その顔は涙でぐしゃぐしゃに歪んでいる。私は今5歳だから、此の子は多分3歳とか4歳とかそこらへんだ。まだ若いのに苦労してるな、と次から次へと出てくる涙をぼんやり見つめた。
彼の肩は震えている。まるで3歳の頃、不安でいっぱいになって泣いていた自分そっくりだ。
「そこの少年、つよがらなくてもいいんだよ。」
「……え?お、れ?しょーねん、って…」
「そうだよ。きみはだめなんかじゃないから。」
彼が泣いている理由は聞かずとも何となくわかる。友達に「ダメツナ」といわれていじめられたのだろう。
私はうずくまる彼の目線に合わせてしゃがみこんだ。このときばかりは舌足らずで上手く言葉にできない幼い声を悔やむ。
だいじょうぶだよ、だいじょうぶだから
ないていいんだよ、わたししかみていないから
わたしみたいに、きみはくるしまなくていいんだよ
きみは、異端者じゃない。れっきとしたこのせかいのにんげんなんだから。
言いたいことはたくさんあっても舌足らずな言葉しか出てこない。
なんだか私まで泣きたくなった。
「…けどっ……っみんな、おれはだめなヤツだ、って…!」
「けっしてきみはだめなヤツではないよ」
「……ほん、と?」
「はい。だからだいじょうぶ。きみががんばっているのはわたしがしってる。きみのおかあさんがしってる。しってくれているひとはかならずどこかにいるから。だからじぶんを責めないで。いつかきっと、きみを慕ってくれる人が現れるよ。」
それは不確かな言葉だ。「だめなヤツではない」だなんてそんな不確かな言葉、気休めにもならないだろう。けれど馬鹿な私にはそれくらいしか言葉が見つからなかったから。だから、其の言葉を君にささげましょう。ごめんね、役に立てなくて。けれど今の私にはそれが精一杯の言葉なんだ。
見れば彼の瞳は、もうぬれていなかった。よかった。泣き止んだんだね。
けれど彼は、もっと悲しそうに顔を歪めて、私の顔を覗きこんだ。
「おねえさん、…かなしそうなカオしてる」
「……そう、かな」
「うん。どっかがいたそうな、カオしてる」
「いたそうな、カオ……」
彼は私を心配そうな顔で見つめてから、そのまま笑顔を作った。
そして私の服の裾を握ると、私の頬に唇を押し当てた。唇を離してから、照れくさそうな顔をして「いたいいたいの、とんでけー」って呟いた。
ずっきゅん、とその言葉に私のハートは射抜かれる。
かわいいすぐるよ。おかげで私は死にそうだよ。
私はぎこちなく微笑んで、彼の頭をなでた。
「きみのおかげで、もう痛くなくなったよ」
「ほんと!?よかったあ!…そうだ!おねえさんのなまえは?」
「わたし?わたしはね、千歳っていうの。」
「ちとせおねえちゃん!おれはね、さわだつなよしっていうの!」
「うん、よろしく、つなよしくん。もうおそいからおうちまでおくってあげるね。きみの家、どこか教えてくれる?」
つないだ手は、暖かい。
私も、前を向いていかなきゃならないんだな。主人公にあっちゃったんだもの。認めるしかない。否定しても、意味が無い。
ごめんね、綱吉くん。ちょっとだけ、泣いていいかな。
だいじょうぶ、痛いわけじゃないから。これが最後だから。
これからは、泣かないと誓うから。
「…ぅ…っく…」
「だいじょーぶ?ちとせおねえちゃん」
うん。だいじょうぶだよ。あ、家がみえてきたね。もうばいばいしようか。え?うん、きっとまた会えるよ。
またね、つなよしくん。
さようなら。さようなら。
元の世界に、さよならを告げるよ。
もう私はこの世界で生きなきゃならないから。
遠藤由香里じゃなくって、浅井千歳に、ならなきゃならないから。
ばいばい、もう泣くのはおわり。
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- Re: 風の守護者とプリンと風紀、 / REBORN ( No.5 )
- 日時: 2012/05/06 12:23
- 名前: なゆ汰 ◆TJ9qoWuqvA (ID: w0.JbTZT)
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標的03 / 孤高の浮雲
「きみはむれないんだね」
幼稚園桃組の教室にて、一人絵本を読んでいた私に、男の子の声がかかった。他の園児たちは集団となって外で遊んでいる。
声がした方に振り向けば、黒い髪とつり目がちな鋭い目が伺えた。すぐにわかった。私が憧れていた人だ。誰とも群れず、一人で強く生きる〝孤高の浮雲〟。雲雀恭弥だった。
「わたしはむれないのではありません。むれることができないのです」
渇いた喉から出た言葉は我ながら意味のわからないものだった。けれど私にはその言葉が一番似合う。そうだ。私は弱い。群れなければ、誰かと同じでなければ安心できない、そんな女子高生だった。けれど今は違う。今は私が異質であるためか誰も近寄ってこない。したがって群れることが〝できない〟のだ。
雲雀恭弥は意味がわからないというように眉間にシワを寄せる。
「なにそれ。いみわからない」
「わからなくてもいいです。わたしさえわかっていれば」
思わず捻くれた口調になってしまった。いけない。こんなのだから私は昔から友達づきあいがうまくいかないのだ。
急いで口元を押さえたが時既に遅しというやつだ。案の定雲雀恭弥は苛立ちを隠そうともせず顔をゆがめている。
「きみ、むかつくね」
「よくいわれます、よ」
「……ふうん、ぼくにそんなコトバをつかえるなんて、キョウミぶかいな。おもしろい。」
雲雀恭弥は、不適にわらった。くそうまだ子供なのになんでこんなに綺麗なのだろうか。なんて、綺麗な笑い方をするのだろうか。
うらやましいことこのうえない。百面相をしながら私は悶々と考える。
雲雀恭弥と、友達になれたらいいのに。そう思った。
だから、私は。私は小さく唇を開いた。雲雀恭弥もそれに気づいたのか、私の言葉に耳を傾ける準備をしている。
「……おもしろいついでに、きみと群れるキョカをいただけますか」
「…ぼくにそんなこといったのきみが初めてだよ。いいよ、特別にキョカしてあげる。」
雲雀恭弥はやっぱり綺麗に微笑んで見せた。
嬉しさが腹の底から込み上げてくる。思わず笑みを零せば、雲雀恭弥は驚いたというように目を少し見開いて、そして、私の元へやってきた。
どうしたものかと目を白黒させれば、雲雀恭弥が喋りだした。
「きみのなまえは?」
「……ちとせ。あさい、ちとせです。」
「ふうん、ちとせ。ぼくはひばりきょうや。」
「…きょうやくんってよんでいいですか」
「…………すきにしなよ」
自己紹介をして、その後、いっしょに幼稚園をサボった。
この世界に来て5年。されど5年。だけど、一番楽しい時間だった。
元の世界のみなさん。やっと、お友達ができた、よ。
友達と呼んでいいのかわからないけど、あいまいな関係だけど。
これから恭弥くんと、仲良くなれますように。
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- Re: 風の守護者とプリンと風紀、 / REBORN ( No.6 )
- 日時: 2012/05/09 20:28
- 名前: なゆ汰 ◆TJ9qoWuqvA (ID: w0.JbTZT)
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短編 / 夢心地カプチーノ
「恭弥くん、今日も随分咬み殺してきたんですね」
「まあね。着替え、持ってきてくれる」
応接室でうとうととしていたら、恭弥くんが沢山の返り血のついた服を着たまま帰ってきた。きっと今の恭弥くんを見た人はびっくりしたにちがいない。だって血がついてるんですからね、しかも他人の。
私は急いで予備のカッターシャツを持ってきた。渡すときにトンファーも預かって、ぬらしたタオルで血をふき取る。
応接室はいつのまにか鉄の臭いが充満していて、思わず顔をしかめた。
「血の臭い、気持ち悪いです」
「我慢しなよ。僕もくさいと思ってるんだから」
「元々は君が返り血をつけてきたのが悪いんですけどね。返り血がつかないように上手く咬み殺していただけますか?」
「むり」
恭弥くんはそう一言だけ言って、給湯室にはいっていった。何か食べたいのならいってくれたらよかったのに。
そう思っていると恭弥くんはしかめっつらのまま給湯室から出てきた。水の入ったコップを片手に持っている。
「疲れた。寝る。」
「え、あ、おやすみなさい…?」
水を飲み干したと思ったら、急に私の膝を枕にして横たわった。
正直やめてほしいと思う。此の人は自分の頭の重さをわかっていないのだ。頭というのは何キロもあるんだぞ。知っているのか。
しかも恭弥くんは葉の落ちる音でも目を覚ますから、恭弥くんを膝枕している間は音も立てずにじーっとしていなければならない。
「…はあ、寝ちゃいましたね」
すうすうと寝に入った恭弥くんの顔をまじまじと見つめる。いつみても綺麗な顔だ。かなりうらやましい。もう一度いう。かなりうらやましい。私にもその美貌を分け与えて欲しいものだ。
ああ、もう膝がしびれてきた。けれどこんな時間も、いいかもしれない。もうすぐ未来篇だ。ミルフィオーネと戦わなければならない。
つかの間の幸せを。
(なんか、夫婦みたいですね)
頭の中だけでぽつりと呟いた声は、誰にも拾われずに。
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時間軸としては未来篇の前
- Re: 風の守護者とプリンと風紀、 / REBORN ( No.7 )
- 日時: 2012/05/09 20:56
- 名前: カノン (ID: KjYpxfgY)
こんにちは、はじめまして!
カノンと申します。
がんばってください!
応援してます^^
- Re: 風の守護者とプリンと風紀、 / REBORN ( No.8 )
- 日時: 2012/05/10 20:04
- 名前: ルリ朱雀& (ID: J/cl5oqb)
はじめまして、こんばんわ。
ルリ朱雀といいます。
千歳ちゃん、可愛いです!くださ(((
文がとても、上手くて読みやすいです!お上手です!
では、更新頑張って下さい。
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