二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- レッドレイヴン —幻想記—
- 日時: 2012/08/01 15:32
- 名前: 黒猫 (ID: bUOIFFcu)
初めまして。黒猫です。
少々文才に問題ありですが、頑張ります。お楽しみいただければ幸いです。
※注意
・この小説は「レッドレイヴン」を題材としたものです。
・荒らしや中傷、パクリはしないでください。
・キャラ崩壊可能性あり。
・注意ではないのですが、感想を頂けるとありがたいです。
- Re: レッドレイヴン —幻想記— ( No.14 )
- 日時: 2012/09/29 14:54
- 名前: 黒猫 ◆9fw1ZntG8Y (ID: bUOIFFcu)
ありがとうございます、赤さん!(すみません、前のほうの文字が読めませんでした)
コツとかは特にありません。あえていうなら、好きな本をとことん読んで話の作り方を学ぶ、です。
- Re: レッドレイヴン —幻想記— ( No.15 )
- 日時: 2012/09/29 15:57
- 名前: 黒猫 ◆9fw1ZntG8Y (ID: bUOIFFcu)
第六話 首狩り屋は敵意を示し
『—それで、結局逃げられたのか』
アンディは無言で肯定した。
新たなリバースナンバーの出現の報告に、カルロは電話越しからため息をついた。
「自分の目で確認したわけじゃないけど、リバースナンバーの可能性が高い。…どうする?」
もしあの黒ずくめがリバースナンバーであるのなら、スキャッグスに関する情報を持っているかもしれない。
『見つけられるか?』
「向こうは赤コートを着たやつの誘拐を依頼されているらしいからね。ウォルターが担当しているダグールとつながりがあるみたいだから、街を回っておくよ」
囮になる—アンディの言葉の意味を理解したカルロは、指示を出した。
「なら、見つけ次第捕え、処刑せずにここに連れてこい。…ただし、ウォルターに同行する形で、だ」
付け加えられた言葉は、シャルルのためのものだ。
「わかった」
「頼んだぞ。…無茶はするな」
アンディは答える代わりに受話器を置いた。
「—そう、カルロに言われたのかアンディ?」
本日五回目の迷子を体験したアンディはこくりとうなずく。
別行動をしようと提案した答えがこれだと、反論が無くなる。
(カルロの野郎…被害が広がっただけだぞ)
ウォルターは内心毒づきながら、アンディの迷子の恐ろしさに戦慄した。
隣にいたはずなのにふとした時には消えている。神隠しにあったかのような現象だ。
「よくお前、生きてこれたな…」
しみじみとつぶやいた言葉にアンディは首をかしげた。
「なんか言った?」
「いや…腹の傷はもう大丈夫なのか?」
ウォルターはさりげなくごまかして、そう訊いた。
「そこまで深くなかったからね。もうふさがったよ」
「相変わらず、傷の治りが速いな」
しかし、アンディは浮かない顔をしている。
「どうかしたのか?」
「あの黒ずくめ…手加減してた。おまけに、ウォルターが窓を割った時庇われたんだ」
「あぁ、あのときか…」
後ろ姿しか見てないが、確かに体当たりをしてアンディを窓から離していた。
どうやら、敵に情けをかけられたのが嫌だったらしい。
(らしくないな…)
ウォルターは、敵意に染めた瞳で前方を見るアンディを見て思った。
「まぁ、落ち着けよ」
「…落ち着いてるよ」
返答はやや遅かった。気まずい空気が流れる
教会の鐘の音が遠くで聞こえた。ウォルターは話をそらした。
「そういや、もうすぐ誕生祭だな」
十二月二十五日はウォルターが信仰している神が誕生した日だ。
「この町も聖歌とか歌うのか?…その日くらい仕事がない…わけがなさそうだが、楽だといいな」
「聖歌…」
アンディはポツリとつぶやいた。
「ん?興味あるのか?」
「いや、昔友達が歌ってたから…」
「友達、か」
友達などがいたのか、と失礼な考えをするウォルター。
「どんな奴だったんだ?」
「普通に優しくて、結構可愛い女の子だよ。一時、一緒にいたんだ」
懐かしそうに話すアンディは、そこらにいる普通の少年のようだった。
シャルルはぼそりと、
「大変だっただろうな、その子…」
遠くを見るように空を見上げた。
そんな時だった。
ガンッ—銃弾が近くの街灯を割ったのは。
- Re: レッドレイヴン —幻想記— ( No.16 )
- 日時: 2012/10/03 19:46
- 名前: 御砂垣 赤 (ID: GFkqvq5s)
ずいぶん立ちましたが、お久しぶりです。
うちの名前はみさがき あかと読みます。
この前はコメントありがとうございました。
更新を楽しみにしてます。
- Re: レッドレイヴン —幻想記— ( No.17 )
- 日時: 2012/10/15 11:46
- 名前: 黒猫 ◆9fw1ZntG8Y (ID: bUOIFFcu)
第七話 傷
肋骨を押さえて舌打ちをした。
(折れてないが…ひびが入ってるな)
ずきずきと痛み熱を持ち始めた傷にもう一度舌打ちをして、痛覚を遮断する。
大きく息を吐いて傍らに置いていたケースを取ると、これからについて考えた。自分としてはあの金髪を斬り合いたい。しかし依頼はまだ残っている。では、どうするべきだろう。
(探すしかないか…)
面倒なことだが、仕方ない。
ケースを肩に下げて、壁を見上げる。路地を挟んだ茶色い壁は五メートルくらいの高さだ。
(…力を少し使えば何とかなるな)
地面を蹴って三メートルくらい飛んだ。落下する前に前の壁を強く蹴って、上にまた飛ぶ。三角飛びという技だ。
カツン—風が吹き荒れる屋根の上を、靴が音を立てて着地する。
アルローラ一家のアジトはどっちだったかと首を回すと、
(……あれは?)
少し離れた道に黒光りする車があり、その窓からダグールの姿があった。何やら部下と話し合っている。
一応依頼の中にダグールの身を守るというのも入っていたから、しぶしぶそちらに向かう。
「…勝手に街に出ては困る」
彼らの前に飛び降りてそう言うと、一瞬部下が懐に手を入れて警戒した。
「やめろ、ジム。…私が何をしようと勝手だろう。そもそも、貴様がさっさと赤コートを着た奴らを連れてこないからだ、役立たず」
「…だから、頭領がじきじき街に出てきたのか。よほど部下の数が少ないのだね」
ダグールの言うことは確かだったが、認めるのは癪だったので嫌味を言う。三流のマフィアに、何故役立たずと言われなければならないのだろうか。自尊心が傷つけられた。
「貴様……ふん、まぁいい。今部下が奴らを探しに行っている。貴様は私の身でも守っていろ」
自分が言えたことではないが、ずいぶんとこの男は偉そうだ。
(だいたい何故いつも貴様なのだ?)
名前を教えてないから当然だとしても、もっと言い方があるはずだ。それなら、まだ怪人のほうがいい。
(それにしても、“ゼロ”か。…あながち偽名ではないな)
くだらないことを考えていると、ふと気になることがあった。
ダグールは先ほどから“奴ら”と言っていた。何故複数だと知っていながら言ってくれなかったのだろうか。
しかしその考えは、遠くで鳴った銃声で遮られた。
- Re: レッドレイヴン —幻想記— ( No.18 )
- 日時: 2012/10/15 11:42
- 名前: 黒猫 ◆9fw1ZntG8Y (ID: bUOIFFcu)
第八話 力
派手に出てきてくれた。
ウォルターはそう思いながら釘を投げた。釘は真っ直ぐ敵の手に当たる。
「アンディ、ここ任せられるか?」
ウォルターの仕事はあくまでもダグールの処刑だ。雑魚が持っているスキャッグスも壊さなければならないが、まずは目標を処刑した方がいい。幸い、三流マフィアだから部下の数は少ない。これぐらいならアンディ独りで倒せると思う。
アンディがうなずくのを見て、ウォルターは走った。こういう時仲間がいてくれて助かる。
ここまで派手にやっておいたからにはダグールは近くにいるだろう。奴だけなら問題ない。厄介なのは—
(あの黒ずくめがいたらダルいな…)
リバースナンバーの力は正直強い。アンディが言うに、物体を自由に操る力らしい。
大通りに出ると予想通り立派な車があった。そして、黒ずくめの姿も。
すかさず、棺から釘をだしタイヤに向かって投げた。
「…なんだ、君のほうか」
タイヤに突き刺さった釘を見て、ようやくこちらの存在に気付いた黒ずくめは悠長に声を発する。焦りなどは全く感じられなかった。
「貴様、早く奴を捕えんか!」
車から出てきたダグールは黒ずくめを怒鳴った。敵がいる前でいくら車が動かなくなったとは言えども、盾となるところから出てくるとはずいぶんと頭が弱い。
「…あちらを捕えることに専念していいのかね?」
「さっさと捕えろとい—」
最後まで言わせてやる気はなかったので、釘を投擲する。
黒ずくめはそれをケースで払うと、
「…面倒だ」
ボソッとつぶやいて、刀を取り出す。そしてケースを投げてきた。
ウォルターが横に避けながら釘を何本か手に取ると、鞘を外さぬまま黒ずくめは刀で“殴り”かかってきた。
棺で受け止めてダグールに釘を投げつける。
「—がはっ!?」
しかし呻き声をあげたのは、彼の部下だった。
(あの野郎、部下を盾にしたか)
「…最低な奴だな」
黒ずくめは自分と同じことを思ったのか、淡々と吐き捨てた。
「…面倒だ」
もう一度黒ずくめがそういう。
とたん、ウォルターは後ろから腕を押さえつけられた。
「なっ—!?」
首を回す前に棺ごと地面にたたきつけられた。ゴトッと自分の頭から嫌な音がした。
意識はそこで途切れた。
この掲示板は過去ログ化されています。