二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 偽りの中の真実と——
- 日時: 2009/12/21 18:09
- 名前: 唯永 ◆Ub.tayqwkM (ID: T6JGJ1Aq)
——もし出会い方が違っていれば
私達の運命は違っていたはずなのに
————————————————————————
【挨拶】
初めまして、唯永と言う者です。
昨日スレッドを製作していたのですが何故か消えてしまったので新しく作り直しました。
【諸注意】
・この小説はどうぶつの森です。
・一度しか小説を書いた事の無い様な人間です。かなり下手です。
・更新がコトブキ村長並みに遅いです。
・少し死ネタが入る可能性大です。
・荒らしは当然禁止です。見かけた方は注意はせずに、無視か通報でお願いします。
以上の事が許可出来る方は次へ御進み下さい。
【目次】
>>1 第一話
Page:1
- Re: 偽りの中の真実と—— ( No.1 )
- 日時: 2009/12/21 18:08
- 名前: 唯永 ◆Ub.tayqwkM (ID: T6JGJ1Aq)
第一話
雨がバスの窓を叩く。雨垂れのせいで窓の外は見えず、代わりに自分の姿が映る。私の瞳は、そのうちの何処を見るでもなく、ぼんやりと虚ろだった。
その中で、バスの振動に合わせて自分の左耳に付いている雫型でシアン色の硝子が嵌っているピアスだけが微動していた。
「アンタ……何だってあんな村に行くんだべ?」
それまで何も言って来なかった河童の運転手が重々しく口を開いた。
私はそれに対し、まだ何処かを見たまま答えた。
「疲れたから。それだけ」
「……噂を知っていて行くんだか? 知らないなら——」
「行くものじゃないと言いたいんでしょ?」
私は運転手の次の言葉を先に言い、何処かを見るのを止めて前を向き直り、ミラーから運転手の顔を窺った。
「あんな村に行く物好きは私位でしょうね。興味本意で行く様な村じゃないから」
運転手は黙った。私は続ける。
「運転手さんこそ、よくあの村のバスなんて走らせてるわね」
運転手はボソボソと答えた。
「あそこは何時も終点。あの村からは出る人間なんていねぇからな。ここ二、三年はあの村に行った事はねぇべ……」
「それはどうもお世話様」
私の行く村——生贄村——は名前の通りの村。
この村では年に数回、生贄池という場所で一人生贄が出されると言う。
勿論村からの外出は一切禁止で、一度入ったら二度と出る事は出来ない。——例外を除いて。
私はもう人を信じる事が出来ない。もう、この世界を信じたくは無い。
だから、あの村に行く。
死ぬ事を覚悟の上で——。
「もう到着すんぞ。悪いが門の手前までしか送れねえんだ」
「分かった」
雨は小雨になっていた。
私は傘も差さずにバスを降りた。
「お譲ちゃん……名前は?」
私は振り返って言った。
「歌譜」
バスは閉まり、元通った道をまた戻っていった。
私はそれを見届けると、一歩前へと動いた。後戻りは出来ない。
私は大きく息を吸うと、門を二度軽く叩いた。
- Re: 偽りの中の真実と—— ( No.2 )
- 日時: 2010/01/07 20:32
- 名前: 唯永 ◆Ub.tayqwkM (ID: S19LK/VD)
第二話
ノックをして数秒……扉が開く気配は無い。
私はちゃんと向こう側に聞こえるようにしたつもりなのだが……仕方ない。
「すみません、今日引っ越して来た者ですが」
そうしてまた数秒。ギギィ、と軋んだ音と錆び付いた音をさせて扉が不揃いに開いた。錆び付いていて開かなかったのか或いは……。
「歌譜様でありますね?」
そう言って出て来たのは柴犬の門番。きりっとしていて何でもきちんとしているといった感じだ。……に引き換え、横ではブルドックの門番が大きな欠伸をしていた。口を手で覆っても覆いきれないほど。睨んだとおり、ついさっきまで寝ていたな、確実に。
さっきの間はこの柴犬門番がブルドック門番を起こしていた……と言った所だろう。
「はい」
「遅くなって申し訳ありません。早速ですが、役場の方へお願いいたします」
「分かりました」
私はそう言って門を出る際に、ブルドック門番を少し睨んだ。するとブルドックは背筋を伸ばして硬直した。
私は「居眠りして相方を困らせない様に」と微笑しながら言い告げた。
◇◆◇
何なの此処は——!
そこは私の想像していた場所とは遥かに違っていた。私が想像していたのはもっと荒れ果てた場所で、黒々しいイメージが強いと思っていた。
なのにだ。此処は花が彩り、木々は囀り、川は透き通った青——場所を間違えたのだろうか。
私が何よりも気になったのは、先程まで雨が降っていたのに地面が全く濡れていなかった事だった。この村
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