二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

俺のオトシモノ——。 【REBORN】
日時: 2010/09/06 21:19
名前: 人間不信 (ID: uT5MQLCg)

うっわ小説三つ掛け持ちになった!
絶対どれか完結させます!
がんばって書き続けますんでよろしくお願いします!


*注意書き*
ツナが四歳で子供です。
メインがツナなのでツナしか出てこないかも・・・。
ツナが結構なスレ設定です。
ボンゴレの秘蔵っ子設定でボンゴレに追われています。



・キャラ設定
蒼崎刹那  本主人公でツナを保護する。精神外科医を務めていて、何らかと言葉遊びが得意。年齢は十八歳。
沢田綱吉  ボンゴレ総本部に追われる少年。そして辿り着いたのが刹那の所だった。すれた性格の持ち主で天才君。
竜牙峰 零(りゅうがみね ぜろ)  刹那の職場の友人。たまに悪友と称されることがある。





・目次
—Data,00— >>1
—Data,01— 暖かい手と涙 >>2-3
—Data,02— 守りたい物 >>4-5

Page:1



Re: 俺のオトシモノ——。 【REBORN】 ( No.1 )
日時: 2010/09/06 17:50
名前: 人間不信 (ID: uT5MQLCg)

—Data,00—


雨の水が跳ねる音がする。
俺は走っていた。
雨がまるで鉄の塊のように体にあたり、急激に体を冷やす。


(逃げないとッ・・・)


あんなところは、もういやだった。
転びそうになりながら、俺は必死で走った。
汗をかきながら、髪から雫を滴らせ、走り続ける。
雨音が耳に響いて煩かった。

「待て!」

黒スーツの男が追いかけてくる。
俺は、足を止めるわけには行かなかった。

「崖・・・!」

俺はジリジリと追い込まれた。
俺は仕方なく崖に向き合い、その中に飛び込んだ。


———ザバァァァァンッ


海が荒々しく、荒れた。

Re: 俺のオトシモノ——。 【REBORN】 ( No.2 )
日時: 2010/09/06 18:06
名前: 人間不信 (ID: uT5MQLCg)

雨の夜の日、俺はキミを見つけた。



—Data,01— 暖かい手と涙


「・・・」

俺は目の前においてあるダンボール箱を見て固まった。


(ちょ、まてやコラ。普通こういうのって猫とか入ってるものだろ。何で何で何で・・・)


「人間が入ってんだよ」

俺は傘を差しながら、そう突っ込んだ。
少年は冷たい雨の中、ドロドロの姿でダンボール箱に入って寝ていた。
俺は急いで傘を少年にさして、俺が羽織っていた白衣をかけてやる。


(とにかく、家に連れて行くか・・・)


俺はそう思って、少年を担いだ。





——ガバッ


「・・・!」
「目を覚ましたか?」

俺は周りを見た。
何処かの部屋らしい。
服が何時の間にか着替えさせられていた。

「大丈夫か?」
「・・・誰だ・・・」

俺は立ち上がり、男か女か判らない人を睨みつける。
ソイツはヘラッと笑うと、俺の頭を撫でた。

「怖がらなくていいんだぞ?大丈夫だ。何があったのかは知らないけど、良く、がんばったな」
「・・・ッ!」


(超直感が、)


やさしくて、暖かい手。
俺は体から力が抜けて、座り込んだ。

「っと、大丈夫か?」
「・・・」
「ホラ、スープでも飲め」

そういって差し出されたスープを、俺は啜る。
毒は入ってないらしい。
飲み込むと、暖かい気持ちになって、自然と涙が零れ落ちた。


「・・・うっ・・・」


ホロホロと零れ落ちる涙に、ソイツは驚いて目を見開いていた。

「お、オイ・・・大丈夫か?」
「・・・」

俺は無言で顔を俯かせる。

「あぁ、名前、言ってなかったな。俺の名前は、蒼崎刹那。精神外科医をしている十八歳だ」
「・・・」
「お前の名前は、話したい時に話せばいいからな」

そういうと、蒼崎刹那は俺の頭をまたポンポンと撫でた。





少年はスープを全て飲みきると、俺の白衣の裾を握った。

「・・・行くあてが無いんだろう?なら、此処でしばらく過ごすか?」

俺がそういうと少年はコクッとうなづいた。
体中に刻まれた火傷や切り傷。
何があったかは問わないが、気になった。


(幼児虐待、)


思い浮かんだのはソレだったが、俺は余り触れないようにした。

「そういえば、何歳なんだ?」
「・・・四」

四歳らしかった。
俺はハハッと笑って少年を膝の上に乗せた。

「まだ眠いんだろ?ゆっくり休め」

すると少年はコクンッと寝てしまう。
俺は布団をかぶせてやって、俺も横で目を閉じた。

Re: 俺のオトシモノ——。 【REBORN】 ( No.3 )
日時: 2010/09/06 18:25
名前: 人間不信 (ID: uT5MQLCg)

俺は目を覚まして朝の準備をした。
白衣を羽織り、鞄に荷物を詰めた。

「・・・ん」
「目覚めたか少年」

俺はニッと笑って少年の頭を撫でた。
寝ぼけ眼を擦りながら、少年は俺を見る。

「悪いけど、今から仕事なんだ。夕方には帰ってくると思うけど、昼食とか朝食とかは———」
「自分で出来る」
「・・・へ?」

少年はタッとベッドから降りると、台所に向かった。
俺もその後を付いていくと、少年は軽く朝ごはんを作っていた。

「・・・スゴッ!」
「自分で作って食べられるから」
「でも、お前・・・」

俺は顔を歪めた。
少年は?マークで首をかしげた。

「・・・いいか、絶対に家から出るなよ?」

俺はそういって、玄関の扉を開けて出て行った。





「・・・」

俺は朝食を口にして、蒼崎刹那の事を思い出していた。
朝食を食べ終わると、椅子から降りて俺は先程寝ていた部屋に入った。
立てかけてある写真立てを勝手に見てみる。
写真のガラスは部分的に割られ、もう1人の誰かが判らなかった。
そしてその隣においてあるオルゴールを手にとって、螺旋を巻き、音を鳴らしてみた。
部屋にオルゴールが鳴り響いた。

「・・・この、曲・・・?」

俺は少しだけだけど、知っていた。

この曲は———。





「ふー、疲れたー」

俺はギィッと椅子を回す。
弁当を手にとって、弁当の蓋を開けた。

「何か機嫌良いな、お前。何かいいことでもあったのか?」

職場友人の、竜牙峰 零(りゅうがみね ぜろ)が話しかけてきた。
俺は「んー?」と言って答える。

「俺、昨日子供拾ってさー。その子が気になって」
「・・・子供?」

竜牙峰は顔を歪めた。





(少年と涙と彼女)

Re: 俺のオトシモノ——。 【REBORN】 ( No.4 )
日時: 2010/09/06 20:33
名前: 人間不信 (ID: uT5MQLCg)

「俺は、大切な物を守れなった。だから———」



—Data,02— 守りたい物


「コレ、何?」
「・・・」

そういい少年が出してきたのは写真。
ソレは数年前の物で、俺にとっては嫌な思い出の写真だった。

「・・・」

俺は少年の目を見る。


(この目は話さないと信じないって目だな・・・)


俺は頭をガシガシとかき回して、少年に向き合った。

「昔に、な。記憶喪失の患者を俺は担当してたんだ」
「記憶喪失・・・」
「あぁ。ソイツ、記憶が全く無い故に、カニバリズムっつー精神病を負ってたんだ」
「・・・人食い・・・」
「(知らなくていい物を知ってるんだな、コイツは)」

俺はハァッと溜息を吐いて少年を膝の上に座らせた。

「それで俺も喰われそうになったんだよ」
「平気だったの?」
「まぁな。アイツ、結局は寂しがり屋だったんだよ。只、それだけの事だ。その写真の割れている部分は、ソイツが壊した所為で今は見えない」
「・・・」

少年はソッと俺に、写真を返した。
俺は立ち上がって少年の手を握る。

「明日、一緒に出かけるか。休みなんだよ。行くか?」
「・・・行く。普通の民家を知りたいから」


(何て理由だよ・・・)


俺は苦笑する。

「沢田、綱吉」
「ン?」
「ソレが、俺の名前」

そういって俺を見上げた。
俺はフフッと笑って、綱吉の頭を撫でた。

「《綱吉》。明日一緒に行こうな。早く寝よう」
「・・・ん」

綱吉は、ベッドにもぐりこむと目を閉じて寝てしまっていた。
俺は写真立てを、ゆっくりと戻して綱吉の隣に座った。

「・・・綱吉、お前には言ってなかったんだけど、本当はそれだけじゃねぇんだよ・・・」



                               『大好きだよ』




俺は額に手を当てて、頬に涙をつたらせた。





俺はおきていた。
辛そうな刹那の声を聞きながら、俺は目を閉じる。


『助けられなかった』


『化け物がッ!』


非道な声。
全てが伝わってきて、嫌だった。
人が死ぬ事を直感して、嫌だった。
毎日毎日飽きるまで泣いた。
枯れるまで泣いて、それは刹那と出会う前まではもう、出ないほどに枯れていた。

「・・・ッ」

泣いているのが判った。
蒼崎刹那は強い。
強すぎるが故に、弱さはまるで無かった。


(人の前で泣かないと決めた、)


俺は、弱い。

Re: 俺のオトシモノ——。 【REBORN】 ( No.5 )
日時: 2010/09/06 21:19
名前: 人間不信 (ID: uT5MQLCg)

次の朝の事だった。
俺が私宅をして起きていると、綱吉が起きた。

「おはよう」

俺がそういってニコッと笑って見せると、綱吉は少し困ったような表情になる。
俺に近づいて、そっと俺の手を握ってきた。

「?」
「・・・」
「じゃあ、ま、行くか」
「うん」

で、玄関の扉を開けて。
完全に固まった。

「・・・なんっ・・・」
「蒼崎刹那さん、お久し振りですね」

ソコに立っていたのは、思い出したくも無い過去の彼。
ガタガタと体が震え始める。

「四年前は、有難うございました」

そういってニコッと笑ってみせる男。





見知らぬ男が刹那の前に立っていた。
刹那の様子が可笑しくなる。
手は振るえ、まるで恐怖に駆られているような目で男を見ていた。
ニィッと男が笑う。

「・・・ん?」
「・・・ッ綱吉・・・」

俺は体が先に動いていた。
男と刹那の間に立ちはだかり、キッと男を見る。


(今までこんな無謀、したこと無かったのに)


俺は持参していたグローブを嵌めた。

「この子が新しい患者ですか?」
「この子は患者じゃない・・・!」


(患者・・・?まさか、あの写真の・・・)


部分的に壊れてはいたが、一致していた。
庇う様に今度は俺の前に立ちはだかる刹那。
男が舌なめずりをして、刹那の指に噛み付く。
痛いらしく、顔を歪めた刹那はバッと飛び退いた。
指の肉が、食われていた。


(カニバリズム・・・!)


「お前を治すことは出来なかった・・・だけど、お前を救う事をしたかったんだ・・・」
「まだきれいごと言うんですか?」
「綺麗ごとじゃない。刹那は、綺麗ごとなんて言ってない」

俺がそういうと男は笑い出す。

「何を根拠に・・・」
「俺の勘は百パー当たる。それだけで十分だ」

そういうと男は笑止する。

「ソレがキミのアブノーマルね・・・」

そういうと男はクルッと後ろを向いた。

「やぁめた。俺もう帰る」

そういって帰ろうとする男に、刹那は叫んだ。

「何時でも、戻って来いよ」

立ち止まった男は、ぼそりと呟いた。

「全く・・・毒気を抜かれる」





「やっと辿り着いたぞ。此処が並盛商店街だ」

にぎやかな商店街に辿り着いたとき、綱吉はきらきらした目で子供らしい姿を見せた。

「じゃあまずは服屋に行くか」

俺がそういうと綱吉は着いてくる。
——色々と買い物をした後、綱吉にアイスを買った。
一緒に食べ歩いていると、綱吉が俺の手を握ってヘラッと笑ってきた。

「刹那、俺、刹那を守るからね」

俺はそんな綱吉の顔を見て、俺も笑う。

「俺も、絶対に今度は守るから」






(小さな二つの覚悟)


Page:1



この掲示板は過去ログ化されています。