二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 仮面ライダー:=サンタクルス= 【オリジナル】
- 日時: 2011/04/16 21:30
- 名前: 殿 (ID: tfXZnlgw)
仮面ライダーシリーズに新しい伝説が語られる・・・
その名も、仮面ライダー「サンタクルス」!!
このお話は殿が勝手に人物や舞台を考えたオリジナルです。
よかったらゆる〜く見守ってくださいませ。
おもしろかったらコメおねがいします。
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人物紹介「>>1」
1話.新たな仮面ライダー、その正体は…サンタクロース!?「>>2」
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- Re: 仮面ライダー:=サンタクルス= 【オリジナル】 ( No.1 )
- 日時: 2011/04/16 18:54
- 名前: 殿 (ID: tfXZnlgw)
◆人物紹介
黒臼 参汰(くろうす さんた)…♂、24歳、独身、通称「サンタ、サンタクロース」
∟表家業では≪ハッピーゴーイング≫という運搬会社のトラック運転手。
裏稼業では仮面ライダー「サンタクルス」として、世間の闇を退治している。
実は歴代サンタクロースの家系の最終血統。
歴代サンタクロースが操っていた超大型のソリと、能力を受け継いでいる。
人々に幸せを届けるのが本来のサンタクロースとしての仕事なのだが、
人々の負の感情を利用し、巨大な力を生み出そうとしている暗黒組織『クロノス』と戦うため、
サンタクロースの能力のひとつであり、超攻撃型特殊変身である「サンタクルス」として暗躍する。
性格は、ヘタレ。サンタクルスとしてもいまだ変身に慣れておらず、失敗することもしばしば。
またかなりの子供好きで、自分より年下の人間は全員、自分の「兄弟」として接している。
戸仲 出海(となか いずみ)…♂、16歳、高校生、通称「トナカイ君、イズイズ」
∟在る事件をきっかけにしてサンタと行動を共にする。
サンタの助手であり、秘書であり、子供だが頼もしいパートナー。
サンタに対しては全く敬っておらず、毒舌、ツッコミ、殴りこみなどは日常茶飯事。
しかし心の中では誰よりも彼を信頼しており、数少ない「信じられる」大人として認めている。
作中のストーリーテラー的存在。
- Re: 仮面ライダー:=サンタクルス= 【オリジナル】 ( No.2 )
- 日時: 2011/04/16 21:27
- 名前: 殿 (ID: tfXZnlgw)
1話.新たな仮面ライダー、正体は…サンタクロース!?
「きゃあああ!誰か、誰か、助けて!」
甲高い女性の叫び声。それは深夜の路地裏に悲痛に響く。
彼女は血相を変え、なりふり構わずに大股を開き、全力で走っていた。
たびたび後ろを振り返りながらも、声を振り絞り、そして助けを求める。
が、彼女の訴えを聞く者はいない。
しばらくして彼女は、人影一つないその暗闇に続くトンネルに辿りつき、そして足を止めた。
「そ……ッ…そんな…」
女性は身体を震えあがらせ、両腕で自身を抱きしめながら、ガクリと膝を突き、地面にへたりこむ。
彼女の凝視するトンネルの中。
ひとつ…否、ふたつ、みっつと、次々に現れたギラつく瞳。
金色の目玉が闇の中でざわめき、そして彼女に狙いを定めている。
「やだ…や、近づかないでよぉ!」
女性は顔をぐしゃぐしゃに歪ませ、泣きだした。大粒の涙が彼女の頬を、滝のように流れ落ちる。
女性は恐怖で腰を抜かし、立ちあがることもままならない。
その様をあざ笑うかのように、ゆっくりと、その幾多の金の目玉は近寄っていく。
彼女の足首に、魔の手が迫る。
「…ッ…い、いやああああああああああああ!!」
強い力でトンネルへと引っ張られる。
金色の目玉はニヤリと笑う。
その怪物はトンネルの口径ほどの口をあんぐりと開き、女性を飲みこもうと引き寄せる。
女性の下半身が口に入るか、入らないか、…まさしく絶体絶命。
…その時だった。
「ちょーっと待ったァ」
危機的状況に響く、能天気な声でストップをかける青年。
怪物は動きを止め、再び幾数もの瞳をむき出しにし、ギョロリとその声の方を向く。
カツン、——カツン、——カツン。
足音が止まる。半気絶状態の女性はグッタリとし、現れた人物にも目を向けられない。
一方、怪物は口を開けたまま、新たな獲物を見つけたことに嬉々するように瞳でにやりと嗤った。
その青年は月夜が照らす明るみに現れ、怪物が待ち構えるトンネルの数メートル先で佇み、動揺もしない。
彼は、頭に被った赤色のニット帽を片手で被り直し、平然と怪物をを見据える。
そして怪物のそれにも劣らない不敵な笑みを忍ばせ、両手を腰に構え、堂々と言い放った。
「おい、そこの目玉うじゃうじゃのキモ物体ヤロー。こんな夜中にかよわい女の子に手ェ出そうとはイイ度胸してんじゃねーか、あぁん?」
ガラの悪いヤンキーのような口調で彼は一歩、また一歩とトンネルに近づいていく。
それと同時に、怪物はズズズ…とトンネルから身を這いだし始めた。
その怪物の姿は、まるで大型のタランチュラのようだった。
横幅は2メートル前後、高さも1メートル半はある。
ある程度の人間ならひと飲みできそうな大きな口を開けたまま、女性をひきずっていた。
「…わーぉ、こりゃ、大物だな」
ヒューと口笛を吹き、青年は眉をひそめる。
すると、タランチュラは女性を軽くトンネル内に吹き飛ばし、彼と面と向かった。
そして、どこからともなく聞こえる、しゃがれた老人のような声。
『だれだ、わたしの食事の邪魔をする奴は』
その声に合わせて、怪物の数個の目がまばたきを繰り返す。
青年は再び驚いたようにつぶやいた。
「うお!お前、しゃべれんのか!?」
純粋な興味と不快感を表した声音が響く。
タランチュラは彼の呟きを聞くと、瞬間的に足の一本を振りかざした。
そして重量のある体躯を瞬時に動かし、目の前の青年に向けて口を大きく開く。
——------バシィィイッ——------------
「…ッ不意打ちかよ」
青年はサッと何回か後ろにステップし、ギリギリで避ける。
ズザッ…地面の砂がこすれる音。タランチュラの足元には砂煙が立ち込めている。
青年は体制を低めながらも、余裕の笑みを浮かべ、怪物に言った。
「そういや、おまえの質問に答えてなかったな…教えてやるよ」
青年はタランチュラに目を離さず、すっとポケットから大き目の銀のバックルを取りだす。
ごくり、と生唾を飲み込みながら、そのバックルを腹の真ん中に構えて持つ。
バックルはだんだんと光を帯び始め、青年は叫んだ。
「オレの名前は黒臼参汰。季節外れのただのサンタクロースさッ!!———…変身ッ」
閃光。
あたりが純白の光で覆われる。タランチュラの怪物さえも、後ずさりをし、トンネルに引き返す。
バックルは両サイドからベルトが伸び始め、カシャン、カシャンと音を立てて彼の腰に巻きつく。
そしてバックルの中央部に飾られた鈴がリン…と淡く鳴った。
その瞬間、青年の身体は一気に光を纏い、はじけるような旋風が襲う。
光がバックルに集まり、鎮まった時には既に、青年の身体は異質に変わっていた。
赤を基調としたライダースーツに白銀の文様が美しくかたどられている。
首には同じく鮮やかな赤のマフラー。
深紅の姿に身を包んだ青年は、腕を組んでタランチュラを見定め、挑発するように指をさす。
「残念無念、また来年。…——おととい出直せ、クモ野郎」
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