二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 白昼夢見聞録
- 日時: 2011/06/25 10:13
- 名前: PIPI (ID: 42M2RXjr)
はじめまして、PIPIです。
初投稿なのでへたくそですが、よろしくお願いします。
【登 場 人 物】
安斎 千尋 Anzai Chihiro
高1の女の子。高い妖力を持っている。
外谷場 宗司 Toyaba Souji
エクソシスト「アシェラ」の一員。千尋の町の担当エクソシスト。
久住 隼人 Kusumi Hayato
千尋のクラスメイト。物静か。
植木 春子 Ueki Haruko
千尋のクラスメイト。人見知りが激しい。
陣内 連太郎 Jinnai Rentaro
町一番の不良少年。かなりの横暴。
ギルベルト・ウォーカー
エクソシスト教団「アシェラ」元帥。
カティア・クロムウェル
エクソシスト教団「アシェラ」7番隊隊長。
セレヴィ・オルレイン
犯罪組織「キメラ」リーダー。
- Re: 白昼夢見聞録 ( No.45 )
- 日時: 2011/07/22 15:41
- 名前: PIPI (ID: Uvcwa5h/)
一通り仕事の話を葛原に済ませた二人。
「ふーん・・・。なんあだか、お前すごいことに巻き込まれてんのな」
「巻き込まれてるんじゃない、巻き込んでんの」
「いや、意味が分からないんだけど」
「あ、あの・・・僕の、所為なんです・・・。僕が、彼女を巻き込んだりして・・・」
「だーかーらー、うっさいわねー!あんたに心配とかされるとむかつくのよ!」
「え?あ、ご、ごめん・・・」
千尋の勢いに謝る久住。
「ていうかさ、お前、見えてるだろ」
「え?」
唐突に不明なことを言い出す葛原に、二人は目を丸くする。
「だからさ、化け物みたいなのが」
「・・・え?」
千尋は久住を見る。
久住は、その意味が分かっているかのように頷いた。
「・・・うそでしょ」
「・・・・・もしかして、千尋も見えているの?」
互いの秘密に驚く。
- Re: 白昼夢見聞録 ( No.46 )
- 日時: 2011/07/22 15:55
- 名前: PIPI (ID: Uvcwa5h/)
「無しってどういう意味だよ」
檸檬が、市長の言葉にイラつきながら尋ねる。蜜柑も無表情だったが同様に不可解な思いを馳せていた。
「金はやる。だから、もうこの仕事から降りてくれ」
「だから、どういう意味だって聞いてんだろ」
何かがおかしい。
それは二人も感じ取っていた。いつもの市長だったらこんなことを言うはずがない。それどころか、久住たちの襲来まで、自分たちにこの仕事をつづけ、正社員になってくれ、と懇願していたくらいだった。それが今になっては「やめろ」、だ。
「君たちじゃあ、この仕事は手におえないからだよ」
「・・・・・は?」
「用済み、という意味だ」
自分たちの仕事のプライドを傷つけられた。というよりも、この市長がこんなことを堂々と言っていられることが、十分に驚きだった。
「おい、ちょっ・・・・・」
何か檸檬が言おうとしたその時。
市長が消えた。
そこにいたのが幻だったかのように、光のごとく消え去った。
何が起きたのかわからない。
「・・・・・・蜜柑」
「・・・・・・なんだ?」
「俺の頬をつねってくれ」
ニュ
「いっっっっっっ・・!!!かっ加減しろ!」
「つねった。文句を言うな」
「いや、つねったとかそういうレベルじゃねぇだろ!なんかもう、根こそぎ剥いでやる勢いだったぞ?」
「いや、日頃のストレスを兼ねてやったんだ。まだ足りないくらいなんだが」
「勘弁してください。ていうか、お前が何ストレスを感じるんだよ」
すると、一気に蜜柑のまとう雰囲気が違くなったのを気づいて、檸檬は自分の背筋に冷や汗をかく感覚を覚える。
「もう、嫌というほど感じているな。何をするにもトーマスの話を聞かされて、真剣な時もトーマストーマス・・・。これでストレスを感じない方法を教えてくれたら助かるんだが」
「なんでだよ、トーマスはいいやつだ。ディーゼルは嫌いだけど」
「そういうことじゃない」
蜜柑は、あきらめたようにため息をつく。
「で、どうするんだよ」
「・・・・・・。」
蜜柑は無言のまま、携帯電話を取り出す。携帯の画面を除く檸檬。画面を見て、檸檬は嬉しそうににんまりと笑った。
「なんだよ、お前も粋なところあるな」
「・・・うるさい」
すぐさま電話をする。
- Re: 白昼夢見聞録 ( No.47 )
- 日時: 2011/07/22 16:19
- 名前: PIPI (ID: Uvcwa5h/)
pppppp
ふと、久住の携帯電話が鳴る。
「もしもし?」
『あ、隼人?仕事失敗したんだって?』
「え?うん・・・・あれ、どうして知っているの?」
『うん?ああ、そりゃ、教えてくれたからに決まってんじゃん』
「誰に?」
『うん、まあ、すぐわかるよ。その人たちもすぐ行くって言ってたし』
「だから誰に?」
と、その時
「俺らだよ」
一番聞きたくない声がした。
後ろを振り返ると、そこにいたのは、あの檸檬と蜜柑だった。
「・・・・・あ・・・ど、どうして・・・」
「お前の今、電話の主が教えてくれたんだ」
『そういうこと。ごめんねー?でも、君だって私の名前をすぐに教えたらしいじゃんか』
「そ、それは君が助かるカモっていうから」
「かも、じゃん。裏切りはサイテーだよ?』
「そんなぁ・・・。でも、これは無いよ、本当に」
『だから、ごめんって。』
そんな二人の会話を聞いていた檸檬は、ついに耐え切れなくなったかのように噴き出した。
- Re: 白昼夢見聞録 ( No.48 )
- 日時: 2011/07/22 17:34
- 名前: PIPI (ID: Uvcwa5h/)
「ったははははは!!なんか、まるで夫婦喧嘩みたいだなぁ、蜜柑」
「・・・うるさい」
明らかに不機嫌そうな蜜柑の反応に違和感を感じた。
「この二人が、お前の言っていた蜜柑と檸檬?」
葛原が確認してきたので頷く。
『なんかさ、君って本当に運がないよね。そこは同情するよ』
「じゃあ、この危機的状況を打開する方法を教えてよ」
『いつも自分で切り抜けられてきたじゃん』
「今回はヒントが欲しいかな」
「おい、マリア」
ついに蜜柑がせきを切ったかのようにマリアに問う。
「俺たちの仕事の邪魔をして何のつもりだ。それに、その天道虫とは縁を切ったんじゃなかったのか?」
『君たちに隼人の居場所を教えたからって縁を切ったことにはならないよ?私はまだ、隼人を信じてるし』
「っはははは!蜜柑、お前もしかしてまだマリアと別れたこと根に持ってんのか?」
檸檬の言葉に、久住はえっ、と蜜柑を見る。
蜜柑は檸檬をすごい形相で睨みつけていた。
「え、ちょ、ちょ・・・マリア、付き合ってたの・・・・?」
『あー、ばれちゃったかー』
「いや、ばれちゃったじゃなくて」
『黒蜜って知ってる?』
「黒い蜜」
『そうじゃなくて。私と蜜柑のコンビ名。二人で付き合いながらコンビを組んでたんだ。』
初耳だ、と言わんばかりの表情で携帯を見る久住。対する蜜柑は、恥ずかしさを隠そうとしているのか、顔をゆがめていた。
『でもねー、蜜柑は心配性だからさー。仕事中なのに少しでも弾をかすめると、「大丈夫か!?」って寄ってきて仕事にならなくって。まあ、いろいろと楽しいこともあったんだけど、このままじゃあ二人ともまともに仕事できないなぁって思って』
「そんで、フラれちまったんだよなー」
「・・・・うるさい・・・」
蜜柑がかわいそうになってきた。
『あのころは、ラブラブの殺し屋とか変なあだ名つけられたりしたもんねー。まあ、ただ単に蜜柑が心配性なだけだったけど。』
「フラれたときはめちゃめちゃ落ち込んでたからな、こいつ。まあ、可愛いところもあるんだよ」
『あの頃のほうが可愛かったのに』
「・・・もうやめてくれ・・・」
消え入るそうな声で懇願する蜜柑。
- Re: 白昼夢見聞録 ( No.49 )
- 日時: 2011/07/22 17:42
- 名前: PIPI (ID: Uvcwa5h/)
「で、結局あんたらは何の用?」
千尋が威勢よく二人に訪ねてきた。
「後始末でもつけに来た?」
「いや。そういうわけじゃない」
仕事モードに入る蜜柑。やはり、こちらのほうがしっくりくる。
「先ほど、市長に見限られてな。用済み、だそうだ」
『え?市長にもフラれちゃったの』
「・・・マリアは黙ってろ・・・」
「ははは、ま、そんなわけで、お前らの始末とかはどうでもよくなっちゃったわけ。ま、蜜柑が今の彼氏の天道虫君がどうしても許せないっていうんなら俺は協力しちゃうけど」
「俺はマリアのことには未練はないし、ヤンデレでもない」
「・・・・・お前、妙なところだけ詳しいよな」
「おい、千尋」
葛原が、こそっと耳元で千尋に話しかける。
「何よ?」
「こいつらも、見えてるぞ?」
ばっと振り返る。
「ここにいる全員が見えてる。こんな偶然、あんまり考えらんないけどな」
「見える?ひょっとして、あの化け物のことか?」
やはり、蜜柑と檸檬にも見えているようだった。
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