二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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  甘い硝子ピアノが奏でるシンデレラ*. [ 桜蘭 ]
日時: 2012/02/01 21:18
名前: さくら (ID: z2eVRrJA)
参照: http://ncode.syosetu.com/n5695ba/

透明な硝子の靴は、メランコリックを蹴り飛ばすの。







[about.]
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此のスレッドは、葉鳥ビスコの漫画、ゲーム、アニメ、ドラマ、映画化までされた“桜蘭高校ホスト部”の小説です。
此処で書こうと思ったキッカケは、にじファンの二つの短編。
桜蘭は、元作品にキス要素がある為、嫌でも描写します。ですが此処のサイトは色々と厳しいので、それ以上は致しません。どうぞごゆっくりご堪能下さい。

題名などは多々のお題サイト様からお借りしています。キャー素敵!
長篇、短篇気まぐれに書いていきます。
気まぐれ気まぐれってもう本当五月蝿いですね、すみません。



[sakura.]
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*さくら   (13.♀)
inzmとfate大好きな中一。最近桜蘭にハマって来た。
熊本県出身で熊本県育ち。熊本県熊もっとっけん。・・・ウケない只のギャグです。
好きなキャラは、ハニー先輩、拓人、京介、フィディオ、円堂、王牙。ギルガメッシュ、ランサー、セイバー。
最近はシュウ君にハマって来た。やられた。
頭良くない、運動神経良くない、美少女違う、神文違う、駄文おk。
他にも、輪るピングドラムとか、APHとか、アザゼルとか好きです。カキコに入り浸りたい。愛してる。



[Attention&Promise.]
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∴Attention!!
 ⅰ.原作沿いが主流なので、アニメより幅が格段に広くなります。
 ⅱ.夢主はにじファンにて固定されてあります。
 ⅲ.落ち、寄りは決まっているのでご了承下さい。
 ⅳ.誤字脱字編集、自由に致します。
 ⅴ.原作沿いと言っても、漫画ですので多少描写が変わったりもします。

∴Promise!!
 ⅰ.荒らし、自作発言、中傷等ネット上でのマナーはお守り下さい。
 ⅱ.作者成り代わりもお止め下さい。
 ⅲ.迷惑レスは止めて下さい。アドバイスはOKです。
 ⅳ.感想受け付けます。コメントは基本何でも有りとしますが、行き過ぎた作者抜きの雑談はNG。
 ⅴ.作者は非常にメンタルが弱いです。辛口荒らしは結構です。




[menu.]
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 甘い硝子ピアノが奏でるシンデレラ‖menu.



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 a girl*.
  >>001 目次
  >>002 主人公
  >> 主題歌




|short.

目覚めよ愛色の陽のもとに、 (ハニー) >>
薄紅色の呪文 (ハニー) >>





[kiss!!.]
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御題‖alkalism様   ht tp://girl.fem.jp/ism/
   (随時更新致します。)
   (題名などに使わせて頂いています。素敵御題どうも有難うございます。)
(空白を埋めるとリンク。)

お客様‖(名前が載って無かった場合はお知らせ願います。)
    >>リンネ様 >> >> >> >> >>





[others.]
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| memo.
>> >> >> >> >>





[+up.]
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0201’ ガール+1
0129’ ガール(a girl)+2
0129’ スレ創造記念日




 January 29st.Start

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Re:   甘い硝子ピアノが奏でるシンデレラ*. [ 桜蘭 ] ( No.10 )
日時: 2012/03/01 15:12
名前: さくら (ID: te9LMWl4)
参照: 桜蘭高校ホスト部。ハニー先輩お誕生日企画。一日過ぎちゃったけど。

「サークラちゃーん!」

「光邦、」


4年に一度、巡り来る今日は2月29日。オリンピックが開催される年、閏年として知られている今日は、朝起きてから雨の雫が冷たかった。
昨夜、降り続いたのだろう。明け方になって止んではいたが、やはり雨の香りもするし地面もぬかるんでいる。花や葉に付いた雫がポツリ———今、地面に落下した。

単刀直入に言うと、景色は絶景。とても綺麗。昨夜の雨が嘘の様に晴天へと変わった青空には、綺麗な虹のアーチが何個も連なっている。
とても、清々しい気持ちだった。

だが私には、この今日の日が勝負に思えて堪らないのだ。先程も言った様に、今日は4年に一度しか来ない珍しい日。
こんな日が誕生日や何かの記念日な人は、とっても辛いだろう。———そう、光邦もその一人だ。

光邦の誕生日は2月29日。つまり今日だ。閏年では無い年は光邦の誕生日は無いので、2月28日か3月1日にしていた。


「ねぇねぇ、サクラちゃん」

「何?光邦、」


だが先程からずっとこの状態なのだ。

光邦が私の袖を引っ張るなり肩を叩くなりさり気無くボディタッチをしながら私に問いかけ、それを私が聞き返す。
だが彼は私が幾等「何?」と聞き返してもまた直ぐに「ねぇねぇ、」と戻ってしまうのだ。流石に私も疲れてきた。誰か、こやつを如何にかしてくれ。


「如何したの、光邦?さっきから呼んでばかり」


好い加減この状況を脱出すべく、今度は光邦が口を開く前に私が話を切り出す。
すると光邦はニッコリと笑顔を貼り付けて言う。


「あー。もう、やっぱ良いよー」

「え?何それ、教えてよ」


「良いってばぁー」そう言いながらその小柄な身体を自由自在に操り、巧みな動きで光邦を捕まえようとする私を翻弄。
でもそんな所も可愛いな。蝶々さんみたい。…なら私は差し詰め、その光邦蝶を捕って喰おうとする蜘蛛だな、蜘蛛。

あ、もしかして今日誕生日だから祝えと?でも今先程ホスト部の皆で誕生パーティーしたしな。その時に「お誕生日おめでとう!」何て100回も言ったし。否、それ以上かもしれない。


「だってさ、僕がサクラちゃんに言っても、全部伝わらないんだもん」

「伝わらない、って?如何いう事?」

「だーかーらあ、伝わらないの!」

「……?」


伝わる?行き成り何を言い出すかと思えば私には伝わらないだの如何のこうの。私にはその言動自体が伝わっていないみたい。ごめんね。
私には伝わらないなんて、若干失礼な気もするが。ちょっと頭悪いだけで、伝わらないなんて事は実際やってみないとわからないし。


「サクラちゃん、僕の事好き?」

「うん、好きだよ?大好き!」

「じゃあ、どれ位好き?」

「どれ位、かあ。うーん、分かんないなあ、言葉に表せ無い程大好き!自分の身より光邦の身を優先する位、光邦は大事だよ!もう、言葉に表せないけどね、」


えへへ、なんて照れ笑いを浮かべる光邦の笑顔は、どんな高級五つ星スイーツよりも甘くて蕩けてると思う。
どうしてそんなに可愛いのか。どうしてそんな笑い方をする事が出来るのか。光邦と付き合っていて私の女としてのプライドがズタズタになった時、一度彼に聞いてみた事がある。
そると彼は「うーん、毎日甘—いお菓子を食べてる所為かなあ」と可愛く首を傾げて来たからもうプライドなんて物捨ててやった。最初から、この人と付き合うには、プライドなんて幾等でも捨てる覚悟はして置かなければいけなかった。


「愛してる?」

「えへへ、勿論!愛してるよ!」


何故か何の恥じらいも無く言えた言葉に今になって驚く。
普段はこんな事恥ずかし過ぎて絶対に言えないのに。今日が光邦の誕生日だから?誕生日パワーって最強なんだね。


「何か、今日サクラちゃん素直だね」

「だって光邦バースデーなんだもん。私だって、毎日恥ずかしくて俯いているだけじゃつまんないし」

「可愛いなあー」

「光邦がね」


「でも急に如何したの?少し心配しちゃったよ」そう言葉を紡げばまた照れ笑いを浮かべる光邦。本当、女の子の私より可愛いからとても困る。

ぐいっ、すると行き成り光邦が腕を引いた。細いのに何時も鍛え上げられて筋肉質なその腕は、たったの腕一本で私を倒させた。
辿り着いたのは、光邦のふわふわしたカーディガンから覗く春色のVネック。頬を光邦の胸版に押し付けられ、私は抱きしめられた。

ドク、ドク、ドク、心臓の脈打つ音が次第に速くなる。
光邦の、心臓の音だ。


「分かる?僕ね、サクラちゃんと二人で居るといっつもこうなっちゃうんだ。とってもドキドキして、たまに言おうと思ってる事が言えなかったりする時もあるんだよ」


光邦の、私を求めて抱き締める腕の力がもっと強くなった。

私は、頭の中が真っ白になる。純白で、汚れ無き真っ白。先程まで見えていた色が、全て失われた。きょとん、そんな表現が一番相応しい位に。
だけど、私は光邦の今は大きく感じる身体の上から、光邦を丸ごと私の腕で包み込んだ。私も光邦に、此の速く脈打つ心臓の鼓動を知って貰いたかったからなのか。

光邦は一瞬驚いた表情をしたがまた直ぐに、ふふっ、と笑って蕩ける甘い表情に戻っていった。


「光邦、…私も同じだよ?」


光邦より速く脈打つ心臓の音。ドクンドクンドクン、それはやがて次第に速くなっていく。、
もう私の顔は真っ赤だ。先程の光邦の言動でもう既に真っ赤になっていたのに、まさか勝手に自分の身体が動いて、抱き締め直させるとは。
私の心臓は、タコさんもびっくりのオーバーヒート状態である。


「…本当、だ」

「でしょ?」


えへへ、とまた照れ笑いしながら私を抱き締め返す光邦。私も負けたくなくて、つい勢い余ってぎゅううううっと抱きついてしまった。
でも、良いと思ってる。今日は光邦の誕生日だし、お互いに気持ち全部をぶつけ合おう。


「私、二人で居ると光邦がこんなになっちゃってたなんて、全然知らなかったよ。だって、光邦何時も自然に甘い言葉囁いて来るし。アレだけで私の心臓持たないのに、」


私はそう言って光邦の首筋に顔を埋めた。
別に疚しい気持ちが働いたからでは無くて、只純粋に光邦に今の私の顔を見られたく無かったからだ。
今、絶対にこれ以上無い程、顔が紅潮してる。恥ずかしい。


「僕もだよ。サクラちゃんがこんなにドキドキしてるなんて思わなかったなー。サクラちゃんだって、何時も僕に平気で抱きついたり“大好き”なんて言葉使ったりしたたからねぇ」


光邦は本当に可愛い。そして、たまにどんな男の子よりも格好良いと思えてしまう時がある。
それは、計算なのか天然なのかは分からないけれど。
でもやっぱり、ドキドキしてしまうのだ。病気では無い。


「サクラちゃん、顔真っ赤だねえー」


あれ程見られたくないと隠しておいた顔は、今、明らかに光邦にバレていた。
なので自分だけ恥ずかしい思いはさせまいと、私も負けず言い返す。


「光邦の顔も真っ赤だよ?」


馬鹿みたいに照れ笑いを浮かべる私達は、傍から見れば地球上のどんなバカップルよりも馬鹿らしいだろう。
私達二人が醸し出す、ケーキよりも甘い雰囲気は、空気の中に酸素と一緒に融けていく。


「僕、サクラちゃんを愛してるー!サクラちゃんの全部を愛してるー!!」

「なら私も光邦の全部を愛してる。今日生まれて来てくれた事全てに感謝してるよ」


4年に一度、巡り来る今日は2月29日。オリンピックが開催される年、閏年として知られている今日は、朝起きてから雨の雫が冷たかった。
今日から丁度18年前、今みたいな雨上がりの綺麗な午前中に光邦は生まれたという。

光邦と出会い、お互い愛し合えること。私にとっては、どんな高価なドレスよりも最高な神様からの贈り物だった。
光邦が生まれてきてくれて、本当に良かった。
私が光邦をどれだけ愛してるなんて、本当は言葉に収まり切れない位なんだ。
宇宙より広いなんて、私の気持ちのこれっぽっちも無い位だ。

でも此れだけは言える。


「光邦、お誕生日おめでとう。そして、




 (( こんな素敵な男の子を生んでくれた光邦のママ、本当にありがとう ))
(貴方をどれ位好きかなんて、本当は分からない位なんだけど)
(でも、貴方が此処に生まれて来てくれた事に感謝しているのは、良く分かる)




240301
二月二十九日はハニー先輩の誕生日でした。
おめでとう御座います!


Re:   甘い硝子ピアノが奏でるシンデレラ*. [ 桜蘭 ] ( No.11 )
日時: 2012/04/03 14:57
名前: さくら (ID: te9LMWl4)

「「センス磨いて、もっと面白い告白してねー!」」


びりびり、紙を破く様な音が嫌に響いた。女の子は綺麗な茶髪を揺らし、翔けて行った。
「うわ、汚ね」その子の流した涙が、宙を舞って光の頬に張り付いた。眉間に皺を寄せて其れを拭う光。

嗚呼、何でこんなにもこんな光景に遭遇してしまうのか。これで何回目だ。数えると、きりがない。
捻くれている双子は、学園で有名だった。常陸院の双子。何時も人を見下していておっかない。だけどその家柄と顔が吃驚するほど良い為、今の様に告白されてフる。
彼等二人の噂は、私達D組の所まで届いていた。良く、友達から彼等の噂を聞く。「格好良いよねー」「この前、また告白されたんだって」「でもフッたんでしょ?」「本当、顔は良い癖に性格歪んじゃってるよ」私だってそう思う。
彼等の生い立ちは全く分からない、彼等が何故こんなにも捻くれているのかは全く分からない。と、いうか、知りたくも無い。そんな事調べてる暇があるんなら勉強したい。
まぁ、理由は何にせよ、彼等が如何してあんなになってしまったのか、興味が無い訳じゃない。生まれた時からあんなんじゃ無いと思うから。だって、もしそうだったなら、本当に悲し過ぎる。兎に角、私はあいつ等が嫌いだった。

ふと今日は日直だった事を思い出し、放課後の日誌を書き終えて帰るはずだった。
「好きです」そんな言葉が聞こえて来て、続けて光の声が聞こえて来た。だが光は自分の事を馨だと言う。声を聞けば、どう聞いたって光るでしょうが。をう脳内で悪態を漏らし、今出て行くわけにもいけないので、こうやって影に隠れていたのだ。
否、傍から見れば人の告白現場を盗み聞きする趣味の悪い女にしか見えないが、決してそういう成り行きでは無い事を初めに説明して置こう。
第一、人が告白してるのに、その後ろを真顔で通り過ぎる馬鹿が何処に居る。例え、此の場から帰るには、其の道を通らなければいけなかったとしても。其れ位の人権位は持ち合わせていよう。

だけど、今まで聞く中で今回の告白はかなり酷い内容だ。
確かに、彼等の言う事も分かる。名も知らない、初対面の異性に告白されては外見しか見られていない事が多い。それに、顔がそっくりな彼等では、別にどちらでも良い。そんな考えを持つ人が居るからだ。どちらでも良い、なんてどんな理屈だ。そんなの、その人個人を愛していない。上辺だけの、もし仮に付き合い出来たとしても長続きしない、軽い存在。
私がもし同じ立ち場なら、同じ様にキレていたと思う。

だけど、彼等はひねくれ過ぎてる。



←|→

Re:   甘い硝子ピアノが奏でるシンデレラ*. [ 桜蘭 ] ( No.12 )
日時: 2012/04/03 14:58
名前: さくら (ID: te9LMWl4)

「あんた等、どんだけ寂しい人間なんだよ」


気がつけば、私は表に出ていた。げ。何で勝手に、うわあ超面倒。だと思っても今更遅い。
彼等の何が分かるんだと問われれば、何も分からないと即答する。だってそうだ。私は彼等の血筋でも無ければ幼馴染でも無い。勿論、彼等自身でも無いから。
でも、其の捻くれようは、人間として如何だと思う。同じ人間だから、そう思える。

告白してくる子は、例えその気持ちが軽かったとしても、好きになっているには変わりない。勇気を振り絞って、告白して来てる。其れをあんな振り方、人権がまるでなっていない。


「「…は。」」


眉間に皺を寄せて彼等は振り返った。何か、正義の味方という格好良いポジションになった気もするが、実際は只の通り縋りのチキンだ。そんな清々しい気持ちでも無ければ、ドキドキしている訳でもない。
只、彼等に今日こそは、思いの丈をぶつけたかったのだ。君等のふざけた告白現場のお陰で毎度毎度苛立って、苦労していると。


「誰、コイツ」

「僕知ってる。D組の子だよ」

「D組の子が僕等に何の用?また告白、じゃ無さそうだけど」

「ふっざけんな!誰があんた等の事を好むか!そんな事ほざいてる暇があるなら性格直せ!」


耳の遠い彼等にちゃんと聞こえる様に、大きい声で怒鳴ってやった。はっ、どうだ気抜かしたか、ざまあみろ!

はっきり言って、絶対に二人を見分けられない事は無いと思う。皆、見分け様としないだけ。ちゃんと目を開けば何時か見えてくる。
私にだって、今は何となく、本当に何となくで勘なのか?と思ってしまうけど、見分けられる。のかもしれない。
かもしれない、と付くのは、予想をしても答えが返って来ないんで、合ってるのか分からないからだ。


「あんた等ね、何時もあんな事言ってるけど、本当は見分けて貰いたいんでしょ」

「…は?何言ってんの此の人。」

「其れはコッチの台詞よ!本当、毎度毎度人で遊んでね、馬鹿じゃないの!?見分けてもらいたいんなら、何で見分けて貰う努力をしない!?そんなんだから何時まで経っても見分けて貰えないの!矛盾してんの!!」

「何で僕等相手にムキになってる訳?暇なの?暇なんでしょ。」

「そんなに大口叩いてるんなら、僕等見分けられるんだよね?どうせ、僕等が見分けて貰う努力をした所で、相手が見分けようとする努力をしないんじゃ、同じなんじゃない?」


何でこう、馬鹿ばっかりなんだ。そんなの屁理屈にしか聞こえないよ。そんなの、見分けてくれって言ってるもんなんだよ。私には、彼等が見分けて欲しいと言っている様に、見えた。

「此の前、僕等を部に勧誘する為に“どっちが光君でしょうかゲーム”を受けた馬鹿が居たんだ。無理だと思うけど。君も同じだ。馬鹿だ」そう言う馨に、腹が立った。
一体、誰の為に私が怒鳴ってやってるんだ、この私が。勿論自分の為だけども。毎度毎度本当に苛立っていた。どうにか、彼等の性格が直ってほしいと思った。って、これじゃあ、如何考えても、彼等の為に言っている様じゃないか。

目の前の双子の生い立ちは知らない。“どっちが光君でしょうかゲーム”って何其れ。ネーミング馬鹿過ぎる。
だけど、受ける事にした。受けてあげる事にした。其の、先程彼等が言っていた馬鹿な奴の様に、絶対に見分けてやる事にした。彼等がこんな下らないゲームをやっている理由は、只々自分以外の人間に、自分達を認めて欲しいんじゃないかと思ったから。そして同じ様に自分達を別個の存在だと忘れない様に。
もう自分達は見分けて貰えないのでは無いか。だけど何時か、必ず見分けて貰える人に出会いたい。自分達を一人の人間として、認めて欲しい。その考えが、そんな不器用な彼等が矛盾を生み出し、捻くれた性格を生み出したんだと思う。

何なら尚更、私が此処で見分けてあげないといけないと思った。


「…………右が、馨。そして、左が、光」


キッパリと、真剣に相手を見分け様と努力して、そして、答えた。
ふわり、自然と笑みが毀れる。同時に、彼等の眉間に皺が寄り、瞳に動揺の色が伺えた。綺麗な、とても綺麗な瞳が、揺れる。


「……理由は、」

「髪の毛の一本から爪の先まで全てそっくり。だけど何処か違う。其れは、二人が別個の存在だから。“そっくり”って言うのは、“同じ”っていう意味じゃない。“そっくり”にも、やっぱり何処か違う所がある。上辺だけじゃあ、見えてこないから、しっかりと。光なら光を、馨なら馨を。一人の人間として、一人の男として、ちゃんと受け入れて知ろうとすれば絶対に見えてくる。二人は自分達を見分ける事が出来る人は、僕等意外に存在しないって言うけれど、違うと思う。絶対違うよ。」


彼等の事を本当に好きな人なら、気がつけると思う。光と馨の違いに。本当に愛している人なら、見分けられると思う。光と馨を。本当に大切に思っている人なら、見えてくると思う。光と馨の優しさが。
捻くれている。ずっとそういわれ続けて来た、彼等。私はそう思わない。彼等は本当に寂しい人。本当に不器用な人。自分を如何表せば良いか分かんなくって、常に矛盾していた。


「答えは聞かない。もう良いよ。私は私なりに、あんた等の見分けが付ける様に頑張るから。だから、もうあんな風に人を悲しませる様な事しちゃ駄目だよ。あんな事してたって、何も得る物なんて無い事一番良く知ってるのはあんた達でしょ。だから、自分に嘘は付かないで。 あんた等の事を愛してくれる人なら、傍に沢山居るから」


精一杯の笑顔を置き土産に、邪魔者は立ち去ろうか。
この先はアイツ等が決める事だ。自分達で、自分で、変わって行くことだ。其れの、手助けになっただろうか、少しでも。最初と随分目的が変わってしまったが、今は予想以上に気分が良い。


「本当に優しい女の子だね、君は」

「もしかすると、ずっと前からアイツ等の事が大好きだったのかもしれません。…救っては、やれませんでしたけど、」

「充分、救えたと思うよ。後は、あの双子次第だ。ほら、あいつ等泣いてるよ?」

「そんな、あいつ等は泣きませんよ。だって、強いんですから」


ぐず、っと声を押し殺して泣く誰かの声が後ろから聞こえたが、私は決して振り返らなかった。
10分前とは比べ物にならない位の、清々しい気持ちでいっぱいだった。
私はやっぱり、あの双子が大嫌いで、大好きだ。




(( 迷色の海が泣いた、 ))

240403
常陸院ブラザーズとD組のヒロイン夢主の話。
何か常陸院ブラザーズは何処となく離れられません大好きです。

Re:   甘い硝子ピアノが奏でるシンデレラ*. [ 桜蘭 ] ( No.13 )
日時: 2012/04/03 17:00
名前: 風風 (ID: zyz/JhZx)  


あれ?お客様に名前が載ってなぁい?

 みゆ「当たり前。」


あれ?inzmのさくらだよね?
うん。

桜蘭や桜蘭!!ウチも好きやよぉ


文才をくださi←みゆ「まだいうの?見苦しい。寄生虫よりも見苦しい。」


ぐはっ(T-T)

更新頑張っておくれやすぅ

Re:   甘い硝子ピアノが奏でるシンデレラ*. [ 桜蘭 ] ( No.14 )
日時: 2012/04/05 17:52
名前: さくら (ID: te9LMWl4)
参照: 重大発表! ※必ず目を通してください。

>>風風
あ、ごめんごめん、すみません!
でも、報告有難う。名前載せて置くね。

うん、inzmのさくらです、その通りですよ。
此処は本当に更新しないけど此処も宜しくね。もしかしたら「お女ヤン!!」と合成させちゃうかも;
書きたい所と好きなだけ書いてくよ。だから、超自己満足になっちまうかも。

嗚呼、こんなのなら幾等でもあげます、はい。


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