二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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空の境界 静止空間
日時: 2011/01/17 17:53
名前: 霧 (ID: L7B5xEon)

初めまして

小説に関しては初心者ですが、がんばって書いていきます
今回書くのは『空の境界』です
本当はシリアス・ダークの方に書こうかと迷ったのですが、原作があるのでこっちに書きます

【注意事項】
・荒らし、またはそれと似たようなコメントもNG
・筆者は初心者です。文才は欠片もありません
・原作は『忘却録音』、『殺人考察(後)』、『矛盾螺旋』を読んでいません
・キャラ紹介は小説内に上手く組み込みます
・この掲示板自体初心者ですので、若干ズレがあるかもしれません
・グロ表現ありです。原作よりは和らげますが、過度な期待はしないでください

以上を踏まえた上で読んでください


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Re: 空の境界 静止空間 ( No.1 )
日時: 2011/01/17 18:26
名前: 霧 (ID: L7B5xEon)

もっと速く走りたかった———

何かが明らかに抜け落ちていた。
全国大会1位の実力を持っていても、満足できない。
いや、恐らく安心できないのだろう。

もっと速くないと

もっと速くないと誰かに記録を抜かれてしまう。
自分の功績が、認められなくなる。
少年はそれが怖かったのだろう。とても恐れていた。

その事態が実現するまでは。

地区大会で少年の記録があっさりと塗り替えられた。
達成したのは同じ学校の後輩だ。
普通なら喜ぶべき事だ。否、少年は喜んでいた
狂乱したように瞼を爪で何度も引っかいたその手には朱色の液体が付着し、

目には血の涙を浮かべて少年は笑っていた———

後輩が完走する時、少年は心底思っただろう

  ト
「静止まれ。」

Re: 空の境界 静止空間 ( No.2 )
日時: 2011/01/18 20:14
名前: 霧 (ID: L7B5xEon)

当たり前のように鍵の掛かっていないアパートの入り口の扉を開ける。
そこには気だるそうにして、ベッドに横たわっている少女の姿がある。

「おはよう、式。」

僕は返答が返ってこないと承知での挨拶だった。
実際、この少女——両儀 式——は無理やり起こすのが災いしたのか、いつも挨拶してくれない。

「よう、黒桐。」

と、思ったのだが何故か挨拶が返ってきた。
自分は鈍い方だとは思うが、このときは驚いた。
言葉が返せず、え…といって驚いていると、急に起き上がった彼女は僕の前で着替え始めた。

「それで黒桐。調査の方は進んだか?」

僕が際どい所で後ろを振り向いた瞬間、式はそんなことを言ってきた。
しかし、こちらには全く意味が分からない。

「調査って…何の事?」

彼女は白とも桃色ともなんとも言えない淡い色の、いつもの着物を着ながら驚いたようにこちらを振り向いた。
僕の職場はちょっとした探偵業のようなことをする事もある。
だから、それ関係の事だとは思うのだが、全く身に覚えが無い。

「お前…橙子から聞いてないのか?…。」

もしかして鮮花の仕業か…、などと呟いている式をよそに僕は未だに頭の上に疑問符を浮かべていた。
ちなみに橙子さんというのは、僕の職場の上司であり、会社の所長でもある。
僕はあまり見た事はないが、本人曰く『魔術師』が副業らしい。

「えっと…じゃあとりあえず橙子さんのところに行こうよ。それを着たってことはどこかに行くつもりだったんでしょ?」

どうやら式は橙子さんのところに行こうとしていたようで、それについては何も言わずにアパートの扉から出て行ってしまった。
僕と式は相変わらず部屋の鍵を掛けないまま、橙子さんの会社へ向かった。


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