二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- ポケモン……バトルだけ書いてみるか
- 日時: 2012/05/17 15:30
- 名前: 月牙 ◆nadZQ.XKhM (ID: IpxDtp3C)
タイトルの通り、ストーリー書かずにバトルシーンだけただひたすら書き続けるスレッドです。
バトルシーン書くの好きなんで、それの特訓用です。
基本的に自己満足用ですね。
それに他の人の見てると結構書きたくなるんですよ、ポケモンって。
俺以外に高校生で書いてる人、それなりにいますし。
ストーリー無いとか嘗めてんのかと思ったそこのあなた、理由はいつでもドロップアウトできるようにです。
やっぱりお前嘗めてんだろと思った人は画面左上にある左方向を向く矢印をクリック願います。
とりあえずトレーナー用のキャラクター(名前と性格だけのかなり適当なもの)を載せますか。
レッド(ファイアレッドの主人公。知ってる人はポケスぺという漫画のレッドを御想像下さい)
根性・直観主義の王道的な奴。基本的にオールマイティー。
グリーン(ファイアレッドのライバル。知ってる人はポケスぺを御想像……)
結構戦略とか立てるタイプ。着実に、計画だてて攻める感じ。
ブルー(ファイアレッドの女主人公。知ってる人はポケスぺ……)
コスイ。セコイ。やり方が汚らしい。状態異常を駆使。
ゴールド(ソウルシルバー主人公。知ってる人は……)
頭の回転早い。危機脱出能力がとにかく高い。
ルビー(ルビサファ主人公。知ってる人は……)
容姿の整った奴を愛用。その辺は某漫画からおもいっきり設定頂きます。
ダイヤモンド(略称ダイヤ。説明割愛)
耐久型。長期戦を書くことになりそう。
サファイア(ルビサファ女主人公)
特攻型。短く仕上がりそう。
闘うのはアニメ的な感じだと思ってください(ここ五年以上まともに見てないけどね)
ただ、ゲーム同様に技は一体につき四つでやろうと思ってます。
最も重大なお知らせはたった一つ、更新遅いよ。
一応リクエストはこちら……
________
トレーナー(無記名OK。ただし自分のオリキャラと言われると無理です):
手持ち1/特性/道具(以下同じようにお願いします)://
技:
闘い方指定:
手持ち2://
技:
闘い方指定:
手持ち3://
技:
闘い方指定:
手持ち4://
技:
闘い方指定:
手持ち5://
技:
闘い方指定:
手持ち6://
技:
闘い方指定:
________
()は消してからお使いください。
手持ちは一体でも二体でも三でも四でも五でも六でも好きなのをどうぞ。
後、前述の通り基本的に作者の自己満足用ですので、別に一々上の用紙提出とかしなくて良いですよ。
Page:1
- Re: ポケモン……バトルだけ書いてみるか ( No.1 )
- 日時: 2012/05/17 15:28
- 名前: 月牙 ◆nadZQ.XKhM (ID: IpxDtp3C)
- 参照: 第一戦の手持ち一覧
________
トレーナー:レッド
手持ち1:プテラ
技:ギガインパクト・岩なだれ・空を飛ぶ・ドラゴンクロー
闘い方指定:特攻
手持ち2:スターミー
技:十万ボルト・ハイドロポンプ・サイコキネシス・自己再生
闘い方指定:攻撃要員その2
手持ち3:カビゴン
技:眠る・いびき・毒々・護る
闘い方指定:耐久型。食べ残し持ち。
手持ち4:ライチュウ
技:電磁波・雷・アイアンテール・草結び
闘い方指定:タイプのバランス良く攻める的な。
手持ち5:マルマイン
技:光の壁・大爆発・影分身・雨乞い
闘い方指定:先方。ライチュウに繋ぐ。
手持ち6:ギャラドス
技:アクアテール・氷の牙・龍の舞い・地震
闘い方指定:龍の舞いからの……ラッシュ
________
________
トレーナー:ダイヤ
手持ち1:トリデプス
技:メタルバースト・アイアンヘッド・毒々・鉄壁
闘い方指定:耐える。以下全員
手持ち2:フワライド
技:大爆発・蓄える・飲み込む・シャドーボール
闘い方指定:
手持ち3:ドータクン
技:トリックルーム・ジャイロボール・催眠術・怪しい光
闘い方指定:
手持ち4:マンムー
技:眠る・あられ・吹雪・地震
闘い方指定:ラムの実持ち。
手持ち5:ヨノワール
技:鬼火・怪しい光・影分身・ナイトヘッド
闘い方指定:
手持ち6:カバルドン
技:欠伸・身代わり・護る・地震
闘い方指定:
________
というわけで第一線のメンバーはこんな感じです。
書くのはいつになるかは未定ですが。
- Re: ポケモン……バトルだけ書いてみるか ( No.2 )
- 日時: 2012/05/17 16:24
- 名前: 月牙 ◆nadZQ.XKhM (ID: IpxDtp3C)
- 参照: 第一戦part1
「はい、じゃあ皆さん、これが第一回目のバトルということでありましてー」
「どこ向いて話してるんですか?」
天井に向かって呼びかける不審者のようなレッドと呼ばれた少年は、自分の言葉を遮ったダイヤの方を見つめた。
「まあまあ黙ってなって。説明してんだから」
「もう、お好きにしてください」
満面の笑み、そして丁寧な言葉遣いでしばらくすっこんでいろと命令されたダイヤは引き下がった。
仮にも年上な上に、怒らせると最も怖い人物だと認識しているせいである。
何せ、一応はこの中で最も強い扱いになっているのはレッドなのだから。
「はい、とりあえずは自己紹介。俺がレッドであっちがダイヤ。そこまで詳しくはないんだけど、詳細は>>0をどうぞ」
「今回の手持ちは>>1をどうぞー」
「おう、説明ありがとな。この小説を使って多少闘うのに慣れたらストーリー立てて頑張るというのが予定らしい」
「どの道二次でもう一個書いてるのが終わらない限りは無理って言ってるけどね」
「そういう説明は要らないってさ。えっとこの小説の存在意義はバトルを書くのを慣れさせること、ストーリーに左右されずに好きなキャラで好きな手持ちで闘うというのをしてみたいんだとさ」
「ま、とりあえずイメージとしてはひたすら僕ら七人の誰か二人が闘ってるって思ってて」
「おう、戦闘シーンしか書いてないから、当然のごとくそこしか見どころは無い」
「そう言う訳で、かなり曖昧な説明はこの辺で終わって……」
「勝負といくか、ダイヤ?」
そのために僕らここにいるんでしょう、そう頷いたダイヤ、そしてその挙動を確認したレッドはベルトについた赤と白のボールに手を伸ばした。
真ん中には細い切れ込みが入っており、一か所突出したボタンがついている。
そこを押したら勝負の合図である。一か所の接合部だけを残して、縦に二つに裂けた球体の中から、二体のポケモンが飛び出した。
まず最初に、レッド側のものだが、まるでモンスターボールそのものを、そっくりそのままひっくり返したようなものに目と口が付いた、マルマインだ。
パチパチと、漏れ出した電気が青白く光り、周りでスパークしている。
それと対照的に、ダイヤが繰り出したのは大昔に人々が祭りごとなどに使った銅鐸という道具に酷似した形状の一体、ドータクン。
「最初はやっぱりこうなりますか」
「まあな。そっちはドータクンか。手強いな」
「心にもないこと言っちゃって」
「ちゃんと思ってるよ、“光の壁”!」
レッドの合図と共に、突如としてマルマインの周りで弾けていた電流が一斉に集まり、一枚の壁を作りだした。
電流製だからか、光の壁という技だからか、その特殊な障壁は黄色く煌めいていた。
そして、今は不必要とでも言うように、フッと姿を消し、息を潜めるように消える。
どうやら、その壁が役目を全うする時だけに姿を表わすようだ。
「あっ、やられちゃった……。でも、仕方ないか。“怪しい光”だよ」
レッドがはっとした表情になったがもう遅い。
光の壁の設置中の、気を抜いたタイミングで、マルマインはいつの間にか、ドータクンの発した閃光で混乱状態に陥っていた。
いつもなら指示がなかったら静止するのに、混乱したマルマインはふらふらと揺れるように転がっている。
「あー、くっそ。そう来たか……。だけど、“影分身”!」
影分身を出そうと、一旦体勢を整え直そうとしたのか、揺らめきが一旦収まったかのように見えた。
しかし、分身しようとしたその瞬間、盛大にバランスを崩し、変な方向に転がってしまった。
向かった先にはフィールドの一部として設置されている岩。
顔面からしたたかに打ちつけてしまったマルマインは混乱ではなく、痛みでよろけた。
その隙に、ダイヤがここぞとばかりに攻撃を仕掛ける。
「“ジャイロボール”!」
効果はいま一つ、しかし攻撃の手立てがそれしか無い以上は仕方が無い。
高速で旋回を始め、開店する一つの玉となったドータクンはそのままマルマインに突っ込んだ。
まだダメージから立ち直っていないマルマインは、物凄い勢いで突っ込んでくるドータクンにおもいっきり吹っ飛ばされた。
次から次へと遅い来る痛みに、混乱した状態から立ち直ったは良いが、もうすぐそこまでにドータクンは迫っていた。
「またジャイロボールか? “雨乞い”だ!」
ドータクンが回転を始めるよりも前に、地面を撃ちつけるような大雨が降りだした。
途端に、堅い岩盤のような地面だったフィールドは、ぬかるみ始めた。
「浮いてるんだから関係ありません! 特性浮遊ですから。“催み……」
「遅いな、“大爆発”」
雨、そんな天候を一切ものともせずに、凄まじい爆炎を上げ、マルマインは爆炎を上げる。
大爆発、己の全てのHPを犠牲にする代わりに繰り出される、超強力な打撃。
効果はいま一つでも、かなりのダメージが期待できる。
煙が晴れた時、マルマインは倒れ、真正面から爆発を浴びたドータクンは、煤だらけでもまだ浮いていた。
役目を全うしたマルマインに、ねぎらいの言葉を二つ三つかけたレッドは、ボールに戻し、ベルトにもう一度付け、次のボールを取り出す。
次にボールから出てきたのは、全身オレンジ色の、雷型の尻尾を持ったポケモン、ライチュウ。
「ドータクン……」
「させないぞ! そっちも一体目倒れてもらうからな! “雷”だ!」
雨乞いで雨が降っている状態、この天候では雷は必中技となる。
大気を揺るがし、空間を引き裂くような凄まじい雷撃が、周囲一帯を覆い尽くした。
それと同時に耳をつんざくような爆音がその場面を駆け抜けた。
勿論、黄色い雷は狙いすました対象、ドータクンにクリーンヒットした。
それを作戦の一つとして取り入れていたレッドはマルマインからライチュウにつなげたのだ。
さすがにそろそろ倒れるだろうと思ったが、受け切ったようで、まだドータクンは浮いている。
次に何かされる前にもう一発当ててやろうと指示を出そうとした時に、ドータクンも動こうとしたらしい。
しかし、雷の効果で麻痺してしまったのか、体が動かないようだった。
「あちゃー……」
「もういっちょ“雷”だ!」
もう一度、場を破壊しつくす勢いの爆雷が炸裂した。
目の前の光景が青白く見えるほど強烈な光の中、二度目の超強力な雷撃を身を以て押さえ込んだドータクンはようやく倒れた。
しかし、そろそろ潮時だと分かっていたのか、ダイヤは顔色一つ変えなかった。
それどころか、仕事をちゃんとやり通した仲間を励ますように撫で、控えに戻し、二体目を取り出した。
「次は、カバルドンです」
次にダイヤが取り出したのは、砂を噴き出す巨大なカバ、カバルドンだった。
重量級の一体は、ぬかるんだ地面にどっしりと沈み込んだ。
そして、その瞬間に叩きつけるような豪雨は降りやみ、一瞬晴れ間が射したかと思ったが、砂嵐が吹き荒れ始める。
カバルドンの特性、砂起こしは登場の瞬間から砂嵐を吹き荒れさせるというもの。
そういう訳で、レッドの“雷”必中コンボはここで手詰まりとなった。
元々、地面タイプにはそんなもの通用しないのだが。
「でもな、カバルドンよりかは俺のライチュウの方が速いな。そして、そいつは重い。“草結び”だ」
「さて、それはどうでしょう? “地震”」
どういうことかと思って訝るレッドだが、カバルドンが大地を揺らそうと、大仰に足を振り上げたのを見て、その考えは吹き飛んだ。
どうせ、この後すぐに草に足をとられて転んでしまうのが落ちだと判断し、楽観視していた。
が、別に何事も無かったかのように“地震”はライチュウを襲った。
効果は抜群、正直一発KOでも可笑しくない威力。
だが、そんな事よりもなぜあっちの方が速いのか、レッドにとってはそちらの方がよっぽど可笑しなことだった。
part2へと続く……
- Re: ポケモン……バトルだけ書いてみるか ( No.3 )
- 日時: 2012/05/19 22:21
- 名前: 月牙 ◆nadZQ.XKhM (ID: I8/Fw.Cz)
- 参照: 第一戦part2
「くそっ……どうなってんだこれ?」
大地が、真下から突き上げられているかのように荒れ狂い、グラグラと揺れてバランスを取るのも億劫になってくる。
勿論、戦火の中にいるライチュウはその地震をもろに身体で受けている。
効果は抜群、威力もタイプが一致しているために協力になっている地震の前では、一撃で沈められても変ではない。
むしろ、そちらの方がよっぽど普通だろう。
それはさておき、なぜこのような事態が起こったのかを、レッドは真剣に思い返してみた。
おそらく、素の素早さが向こうの方が速いということは、まずあり得ないだろう。
そもそもとして、種族としての元々の速さが段違いなのだから。
だとすると、何か持ち物や技の効果でこうなったとしか考えられない。
「そうか……分かったぞ」
「……どうしました?」
地震がゆっくりと収まっていき、どうにかバランスを取りやすくなるまで落ちついてきた時、レッドはようやく事態を呑みこんだ。
これは別に持ち物の仕業では無く、ドータクンが放っていた技のせいだということに。
「“トリックルーム”……使ってたんだろ?」
「ばれました?」
雷を喰らって麻痺した直後に、間髪を入れずにトリックルームを発動。
その後の雷よりも先に催眠術、もしくはジャイロボールを使おうとしたが麻痺で動けずにそのままノックダウン。
そして、重量級のカバルドンにバトンタッチした、という訳だ。
流れるようなレッドの解説、そして解析力に、ダイヤは驚きのあまり目を丸くした。
その内ばれるとはおもっていたが、 こんなすぐにはばれないと思いこんでいたようだ。
しかし、一度ばれたならば、形成が不利かと言えば、そうとは言わない地震が、ダイヤには“この時点では”あった。
なぜなら、ダメージを受けることなく、レッドの二体目をあっさりと倒せたのだから、戦績としては上々だろう。
「さて、三体目を出してもらいましょうか?」
「……ダイヤ、お前もだ」
突如として体勢を崩し、地面へと倒れ込んだカバルドンの姿に、ダイヤは目を見開き、驚愕の色を示した。
まだ一撃も喰らっていないはずなのに、どうして倒れることがあろうかと、今にも叫ぼうとしたその時、カバルドンの足元で緑色の雑草が結ばれているのを、しかと目に収めた。
あれは、どう見ようと間違いようも無く、“草結び”だった。
「……どういう?」
「何、単純に気合いのタスキさ。つってももうすぐ砂嵐で倒れるんだけどな」
そう言うが速いか、全身に遅い来る砂のつぶてを全身に浴びながら、虫の息でかろうじて立っていたライチュウは気絶し、その場に倒れた。
効果抜群の“草結び”をその身に受けたカバルドンもその場に伏して目を回している。
「……やはり強いですね。でもまだトリックルームが支配しています。そろそろ“光の壁”も時間切れ。トリデプス、頼んだよ」
「俺は……ギャラドス」
ダイヤは砂嵐に対抗できるよう、鋼と岩を持ち合わせたトリデプス、レッドはそれに対抗するに打ってつけと判断したギャラドスを出した。
スターミーだと元が速いので確実に後手に回ってしまう。
「まあ、何を出してきても同じ事ですよ。“鉄壁”」
「どうかな? “龍の舞い”」
全身を強張らせて、より一層自分の防御力を上昇させたトリデプスに対し、神聖な龍のような舞を、ギャラドスは見せつけた。
その堂々とした威圧感は、その姿を本物の龍のように見せつけていた。
そのダイナミックな動きと共に、攻撃と素早さが上昇する。
「“毒々”」
「回避、で“龍の舞い”だ」
耐久力を上昇させたダイヤは、猛毒状態で少しずつ体力を減らしていく作戦に出ようと毒々の指示を出した。
しかし、紫色の毒を浴びせる直前動作のせいで、あっさりと回避されてしまう。
元々コントロールもよくないためか、大幅に狙いが逸れて行った。
「“アイアンヘッド”!」
「飛翔、そして“龍の舞い”だ」
上空高々と飛び上がったギャラドスは、鋼鉄の頭突きをあっさりと回避、これは仕方が無いので攻撃を一時中断する。
空を飛べるか飛べないか、その違いは勝敗を強く左右する。
だが、今の状況ではそのビハインドは関係無く、ダイヤの方に有利な展開となっていた。
今のところトリックルームの力でトリデプスが先手を取れる上に、何もしないうちに砂嵐はギャラドスの体力を奪う。
適当に合い間を見て“鉄壁”を繰り返せば恐れる必要は無いだろうと思っていた。
“龍の舞い”で攻撃力を上昇し、仮にアクアテールを叩きこんできても、三度“鉄壁”しておけば問題無い。
それどころか、残った少ない体力をメタルバーストで奪い尽くしてジ・エンド。
だから、どちらかというと、今のダイヤは攻撃を待ちかまえていた。
いつになったら攻撃してくるのか、それだけを待ち望み、機会をうかがっていた。
だが、不意に気付いたのだ、トリックルームの効果が切れるまで仕掛けてはこないだろうと。
この程度の甘い考えは、レッドにとっては算数の問題を解くよりも簡単に直感できる話だ。
ならば、今のうちに素早さを上げて置き、従来の速さに戻った瞬間に攻めに映られた場合————状況は一変する。
四度目の“龍の舞い”、それと共にトリックルームは消え去った。
もはや、“龍の舞い”自体が速すぎて、視認することすら困難と化なっていた。
そこで、後二度の舞を繰り返している合い間に、出来得る限りの防御を施そうと“鉄壁”をかける。
それに、砂嵐はまだ続いていると、優越感に浸っているのだが、それは一瞬のうちに消えることとなる。
技、“砂嵐”の場合だと、すぐに効果が失われてしまうのに対し、特性で発動した場合は半永久的に機能する。
(まあ、ほとんどゲーム内での話なのでこの小説内では例外が発生します)
「“地震”!」
水色の、太く巨大な尾ひれのついた尻尾が地面に力強く叩きつけられた。
最大まで攻撃力を高めての地震、先刻のカバルドンのものと比べると、威力の桁が違う。
それは地面に亀裂を起こしてしまうほどに、強力で重たい、それこそ天地を揺らすほどの鳴動。
足元がおぼつかないで済んださっきとは違い、今度は揺れ動く振動に意識を持って行かれないようにするのが精いっぱいだった。
効果は四倍、よって威力は尋常でないものにまで膨れ上がっている。
トリデプスの“鉄壁”以上に“龍の舞い”が働いているのでダメージは通常よりも高くなっているだろう。
しかしそれでも、並々ならぬ防御力を誇るトリデプスは耐えきった。
そして、盾のような巨大な顔から、銀色の光線が迸り、一直線に青い龍を狙った。
「“メタルバースト”」
「回避だ」
まさに神速、今まで見たことの無いような猛スピードで、神色の光線を避け、そのまま尻尾を振り上げた。
二度目の、地震が終わる頃には、流石のトリデプスももう倒れていた。
だが、この時ダイヤを最も強く驚かせたのはそんなことではなかった。
二度の地震により、発生していた砂嵐はものの見事に消滅してしまっていたからだ。
「……フワライド」
呆気に取られて絶句した彼が次に取り出したのは、紫色の希求型の一体、フワライド。
少しでも闘いを長引かせようとすると、逆に不利だと理解している。
捨て身の特攻でないと、今のギャラドスは倒せない。
「いきなりでごめん。“大爆発”」
「思い切りいいけど遅ぇぞ、“氷の牙”」
大爆発に必要なエネルギーを、全身に充てんしているその隙に、素早さマックスとなったギャラドスの、冷気を纏った牙が突き刺さった。
効果は抜群、一撃で凍てつき、体力も底をついたフワライドは、小さな爆発を上げた。
砂嵐で削られていたギャラドスの体力も、ついにはなくなり、目を回して気絶した。
「特性ゆうばくか……。プテラ!」
「ヨノワール!」
ここで、レッドが残り手持ちが一体多いというアドバンテージを持ち、万全の二体が対峙した。
一方は超特攻型のプテラ、対するダイヤは防御に重点を置いたヨノワール。
「攻めて行くぜ、“ドラゴンクロー”」
相手の出方を覗うためにも、堅実にダメージを与えられそうな技を指示する。
持ち前のスピードを生かして、古代の翼竜は鋭い爪に龍の持ち合わせるような強大な力を込める。
高速での飛翔、そのすれちがいざまに爪での斬撃を与えてやろうとしたのだが、思いとどまる。
悠然とたたずむヨノワールの手に、黒ずんだ紫の炎が渦を巻くように漂っているからだ。
「“鬼火”かよ。一旦退くぞ!」
思いとどまったプテラは空中で翼を一振りし、上空へと舞い戻る。
鬼火は何も無い空間を燃やし、不発となった。
「“怪しいひか……」
「今度こそ“ドラゴンクロー”」
腹の模様となっている目の辺りから、怪しい光を放って混乱させようとしたのだが、空中を自在に翔けるプテラは、ヨノワールの真正面から消えていた。
背後に回り込んだのは、音で感じ取ったらしいのだが、あくまでも感じ取るだけで終わり、追いつけそうにもない。
よって、繰り出す技を変更するより他に手立てはなかった。
「“影分身”」
空中に、残像のようなヨノワールが大量に現れ、その集団の中に本っ者の一体は姿をくらませた。
どれを対象として狙えばいいのか分からなくなったプテラはまやかしの幻影をその強力な爪で切り裂くも、陽炎を斬ったように手ごたえがまるでなかった。
だが、戦闘慣れしている分、レッドは何枚も上手に立っていた。
「そういう時は全体攻撃だ。“岩なだれ”」
空中に現れたいくつもの巨大な岩が、ステージいっぱいに降り注ぐ。
その状況はどしゃ降りの雨の日に地盤の悪い山道で起こりがちな土砂崩れにも良く似た、茶色い雪崩だった。
試合会場全体に降り注いでいるため、偽物も本物も関係無く打撃する。
本体に岩の塊が落ちた瞬間に、全ての分身はあっさりと消え去ってしまった。
「“鬼火”!」
だが、ダイヤとてずっとやられっぱなしと言う訳にもいかないだろう。
降り注ぐいくつもの岩に紛れ込ませ、紫色の炎を放った。
その炎はいくつもの岩石の合間合間をくぐり抜けて、死角に隠れながらプテラに向かって飛んでいく。
それが自分に向かって迫っているとは分かっていても、自らの技に視界を制限されてしまっているため、反応は遅れるどころの話では無かった。
突然、真下の岩の陰から飛び出した炎は、プテラの胴体を真芯でとらえ、火傷を負わせた。
「やべ、火傷状態では……」
「攻撃が下がる、ですね。隙が出来ちゃってますよ、“怪しい光”!」
一瞬の迷いが状況を一変させた。
火傷して、ダメージを喰らう上に攻撃力の減少、その上に混乱状態まで背負い込んだら、もはやまともには攻められない。
ここで一気にダイヤは勝負を畳みかけた。
「“ナイトヘッド”」
どす黒い年ぱを頭から放出させたかと思うと、それはプテラの頭に襲いかかり、悪夢を見せた。
夢の中のイメージに苦しめられながら、一定のダメージを受けてプテラの体力は削られていく。
当然、こちらからも手を出そうとするも、混乱で自分の首をしめる結果になり、火傷のダメージも相まって、ついに倒れてしまった。
両者共に残り二体ということで、part3に続く。
- Re: ポケモン……バトルだけ書いてみるか ( No.4 )
- 日時: 2012/08/26 12:52
- 名前: 月牙 ◆nadZQ.XKhM (ID: WrJpXEdQ)
「さて、お互い残り二体ずつか……カビゴン」
続いてレッドが出したのは、巨大な体躯のノーマルタイプの一体、カビゴン。
登場しただけで軽く地面が揺れるぐらいの、重量級の一体。
「……こっちのダメージソース鬼火だけになっちゃいますね。というわけで“鬼火”で」
「こっちも似たようなもんさ、“毒毒”」
紫色の炎がカビゴンを、強力そうな毒がヨノワールをそれぞれ襲う。
お互いに状態異常に襲われ、喘ぐ他ないのかと思われたが、ここでダイヤはヨノワールを引っ込める。
“眠る”でもされた時には一巻の終わりである。
続いて、最後の一体であるマンムーが現れる。
「“霰”です」
突然、フィールドに雨雲のようなものが現れる。
先程の“雨乞い”と違う点は、冷気が周囲を漂っている事だ。
「ダメージ蓄積は困るな、まあ良い、“毒毒”だ」
もう一度、相手を猛毒状態にさせようとするも、その攻撃は当たらずに終わる。
元々命中は確実ではない上に、マンムーの特性“雪がくれ”発動のため、なおさら狙いづらいのだ。
霰、というよりかは吹雪に近い猛威に、どうしたものかとレッドは考える。
ダイヤはというと、攻撃に躊躇は無い。
「“吹雪”!」
突如として、霰の中から真っ白な突風が吹き荒れる。
霰の降りしきる中では、確実に命中するという技なので、回避のしようもない。
カビゴンの体力がかなりのところまで追いやられる。
「“眠る”で回復だ」
命令通りに、カビゴンは眠って体力を回復する。
ヨノワールに受けた鬼火の効果も消え、寝ている以外には万全の状態へと戻った。
ここでもう一度“吹雪”を繰り出すが、カビゴンの“いびき”により、威力が少し削られる。
二つ目、三つ目の吹雪を耐えきった時、カビゴンが目覚めがてらもう一度晴天が現れた。
「今度こそ当てるぞ、“毒毒”だ」
ついにそこで猛毒状態へと押し切られるが、マンムーは持っていたラムの身で回復。
今度はあちら側が攻撃に移る番だ。
大きく前足を振り上げ、地面に叩きつける。
それによって地響きが発生し、“地震”となる。
「“護る”」
だが、それにも慌てずに対応し、防ぐところが流石と言うべきだろう。
先輩の対応に舌を巻き、どうしたものかとダイヤは考える。
「“毒毒”」
「当たったかー……。“眠る”」
二回目の毒はもうすでにどうしようもないので、一旦マンムーも眠ることにしたのだが、その時レッドが動いた。
腰のボールに手をかけ、カビゴンをしまう、そして次に現れたのは星型を二つ重ねたようなポケモン、スターミー。
「“ハイドロポンプ”!」
一気に強力な攻撃を叩き込み、一気に体力を奪い去る。
急所に当たったこともあり、これにより、マンムーは一撃で倒されてしまう。
「……ヨノワール」
「“ハイドロポンプ”」
ここまでくると、後はレッドのペースだった。
鬼火だろうとナイトヘッドだろうと、喰らった傍から“自己再生”され、逢いまあいまに攻撃を挟まれ、ついにダイヤの最後の一体は倒れる。
善戦はしたものの、最後に為す術もなく押し切られたダイヤはというと、やや傷心気味だった、ということだ。
どんだけ放置してたんだよ、というpart3.即行で片付けましたね。
軽く三か月は放置したんだなー。
まあ、これからも暇を見つけてする形になります。
っていうか三か月で色んな人に見られてたんだなあ……。
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