二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: モンスターハンター・バロル  51話更新 ( No.124 )
日時: 2010/08/17 23:52
名前: アビス (ID: U3CBWc3a)

52話
   傷つく仲間たち




「はぁ、はぁ・・・はぁーー・・・」

スタークは小刻みに肩で息をし、息を整える。

「よく生きてられたな。・・・竜神の加護ってのおかげか?
さすが、死の傷からも守るって言われるほどもあるな」

「まぁ、そうだが。・・・つってもそんな大それたものじゃねえよ。
心臓への攻撃を僅かにずらして、即死を防いだのと、
生命力の維持を手伝ってくれた程度だ。ま、そのおかげで助かったのは確かだけどな」

スタークの左胸にはまだ、ガルドロスに貫かれた痛々しい穴があいている。
だが血は既に大分止まっており、安静にしておけばこれ以上出血することはなさそうだった。

—生きているのはそ奴に纏っていた光のせいか。大した力に守られていたようだな。
だが、それも一度っきりのようだ。つまり、もう一度殺せば・・・死ぬ!!—

ガルドロスは口から幾つものブレスを放つ。ソニックはそれを切り刻みながら前に突っ込む。
スタークも自分があまり無茶を出来ないことを分かってか、ソニックの
作った道を進んでいく。

—もう一度、串刺しにしてやる!!—

ガルドロスが角を前に突き出し、ソニック達に突っ込もうとした時。

—バキン!!—

何かが砕ける音と共にガルドロスの角が地面に突き刺さった。

「どんな強固な石も、ヒビ一つが命取りになることがあるって知らないの?」

サラが遠くで銃を構えながら言った。そして今度は銃口をスタークに向けて撃った。
それがスタークに当たると、スタークは温かい光に包まれた。

「回復弾か。助かった、サラ」

スタークのお礼にサラは小さく頷くと、また銃口をガルドロスへと向けた。

—小賢しい奴らだな。まあいい、起きて早々全力を出すのは少々応えるがいいだろう—

「・・・!皆!!出来るだけこいつから離れろ!!」

ソニックがすぐさま叫び、皆が離れる。ガルドロスはそれを嘲笑うかのように力を解放した。
するとガルドロスを中心に暗黒の波動とも力が広がっていった。
そのスピードは出す前に離れていた4人をあっという間に包むほどだった。

暗黒の波動が退いた時、辺りの岩などは全て消滅し、真っ平らな大地だけが残った。
その上に横たわる4つの影。だが、4人の防具は完全に砕けてしまっていたが、
4人とも辛うじて生きている状態だった。

—まだ息が有るか。この世界から生まれた矮小な生物にしてはやるな。だが、すでに虫の息か—

ガルドロスはそう吐き捨てるともう一度暗黒の波動を放とうと力を溜める。

「そう何度もやらせっかよ!」

ソニックは勢いよく立ち上がるとすぐにガルドロスの元に向かう。
ガルドロスは向かってくるソニックにブレスを放つ。

<そんなもん、効くか!!>

—その姿・・・なるほどな。どうりで我が攻撃を喰らっても立っていられるわけだ—

ソニックの憑依状態を見たガルドロスが呟いた。

<そうだろうな、この力はどうやらお前と共鳴しているようだからな>

—そんな単純な話ではないのだがな。まぁいい、貴様とこれ以上話をするつもりはない。死ね!!—

どうやら話している間に力を溜め込んでいたらしい。先ほどと同じ暗黒の波動を放つ。

<ディミス・ウォルド!!>

ソニックから出た黒いオーラが暗黒の波動を飲み込むが、全てを防ぐことは出来なかった。
爆煙が辺りに巻き上がる。ソニックの体から憑依状態の模様が消えていく。

—その程度の力で我を抑えることは出来んぞ—

「・・・へっ!戦っている相手は俺一人じゃないぜ?」

—ザシュ!ズバババ!!—

ガルドロスの後ろからミルナたち3人が一斉攻撃をする。聖属性の攻撃のおかげか、
僅かに苦痛の声を漏らす。

「溜め切り・・・魔紅閃・双華!!」

ソニックの放った二筋の赤い線がガルドロスを貫く。
ガルドロスはその攻撃によって態勢が大分崩れた。その隙にスタークが力を解放した。

「魔神化!!」

スタークの体から鬼人化の時よりも濃密ででかいオーラが飛び出る。それが、聖属性のオーラと混ざり合う。

「魔神乱舞・・・龍神殺!!」

ガルドロスの全身を一気に切り刻む。

—小賢しいわ!!—

ガルドロスがスタークに向けて爪を振う。爪はスタークを引き裂き、スタークの体は大きく吹き飛ばした。
だが、引き裂かれたはずの体にはほとんど傷はなかった。

「くっ!まさか、こんなとこでこれが役に立つとはな」

スタークの懐から何かがポロリと落ちた。それは以前にシルバから貰ったナイフだった。
ナイフは真っ二つに割れていた。このナイフがスタークの命を守ったのだ。
だが、それでもすでにスタークは限界だった。すでに立つことも困難だった。

そんなスタークにガルドロスは特大のブレスを吐いた。スタークは避けることも出来ずにただ、
そのブレスを喰らうのを待っていた。

—ズドォォォォン!!!—

爆風に体が飛ばされるスターク。だが、ブレスは直撃をしてはいなかったようだ。

「だ・・だいじょ・・ぶ?スター・・・ク?」

隣りから掠れた声で自分の名前を呼ぶ声が聞こえて振り向くとサラが倒れていた。

「サラ・・・!!まさか、俺を庇って・・・!!?」

サラの体はブレスの直撃でぼろぼろだった。中でも一番ひどいのは・・・

「・・・お前、脚・・・」

「へ・・へへ。大丈夫だよ。私にも竜神様の加護は受けてるんだもん。死にはしないよ」

スタークはそういう問題じゃねえだろ、と言いたげな表情でサラを睨む。
それでもサラは笑った表情を崩さない。

「光蛇の矢!!」

ガルドロスの体に数多の矢が突き刺さる。ソニックはその矢を踏み台にしてガルドロスの
頭付近まで上り詰める。

「はあああぁぁぁぁぁ!!!」

ソニックは思いっきり大剣を振り下ろす。ガルドロスはそれを折れた角で防ぐと、
ソニックの左腕に噛みついた。

「ぐああああぁぁぁぁぁ!!!!」

—お前がこの4人の中心なら、まずは貴様から殺してやる!—