二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: モンスターハンター・バロル  38話更新 ( No.19 )
日時: 2010/02/14 13:42
名前: アビス (ID: 3CAtWHbZ)

39話
   続く災厄





スタークのいる町に戻った3人はギルド本部に向かった。
中はやけに忙しそうに人が行き来していて、ごたごたしていた。

「なんかあったんでしょうか?」

サラが不思議そうに周りを見ながらいう。
とりあえず3人はギルドの女性のところに行った。

「お疲れ様でした。ウィルテリアスの討伐の報告は受けていますよ。
これが報酬です」

そう言って封筒を受け取った

「あの、何かあったんですか?このざわつき様、普通じゃないですよね?」

「・・・その事について話したいことがあります。
全員揃いましたら話しますので」

「なんだお前ら、戻ってきてたのか」

後ろからの聞き覚えのある声に振り向くとスタークが歩み寄ってきた。

「スターク。もう怪我はいいの?」

「ああ」

「全員揃いましたね。それではお話しします。
実は先刻町一つが壊滅すると言う事件が起きたのです」

サラは驚いた様子だったが、スタークは平然とした様子で

「それぐらいの事件、決して珍しくもないだろ」

「はい。問題は町の壊滅ではなく、それを行ったモンスターです。
仕業は老山龍・ラオシャオンロンなのですが、どうも様子がおかしいとの報告なのです」

「おかしいってのはどういうことなんだ?」

ソニックが聞く。

「本来老山龍は好戦的ではありません。今までも何度か老山龍による被害はありますが、
決して人を故意的に襲うことはしないモンスターです。

しかし今回は明らかに町に向かって突き進み、町を意図的にめちゃくちゃにして
楽しんでいるようだったらしいのです。

大きさも普通のよりも一回りは大きかったと報告を受けています」

「普通の老山龍よりもでかく、好戦的なのが暴れまわっているってことか」

スタークが簡潔にまとめる。女性は頷くと

「はい、そして今も確実に次の町に向かって進んでいます。
私たちが行く先を推測した結果は・・・あなたたちの村です」



〜砦〜
今ここにはハンターたちが集っている。無論目的は老山龍の討伐のために集められた
強者たちだ。ソニックたちもここにいる。

「は〜い。注目」

そんな中、この中のリーダーらしき人物が前に出た。
それはなんとあの町でサラにナンパした男だった。

「よ〜し、まずは自己紹介から始めるか。俺は本部特別実行委員のリーダー、
ショウリュウってものだ。自分で言うのは何だが、それなりに名が通っている方だ」

ショウリュウって言葉に周りがどよめき出す。
ハンター歴の浅いソニックですら知っている名前だ。

ショウリュウ、通り名は『龍神』のショウリュウ。
恐らくハンター界では知らない者はいない人物だ。

「ざわめくな。話しが進まない」

その一声に周りが一気に静まる。ここにいる者が並ならぬハンターなのは間違いない。
だが、ショウリュウの前では並と同じ。
本当に強いからこそ、それが直に伝わってくる。

「さて、これだけの人数が集まってくれたのは嬉しいが、これだけいては
返って効率が悪くなる。だから今から俺が選別する。
一人一人俺の前に来い」

「あ・・あの、もし選ばれなかったら?」

「その時は帰ってもらう。ここにいても邪魔以外何でもないからな」

それを聞いていた一人のハンターが躍り出た

「お・・おいおい。こんなところまで来させといて、門前払いかよ。
いくらなんでも・・・」

そこで、男が言葉を切る。ショウリュウが殺気を放ったのだ。

「門前払いになるのが嫌なら残れるよう、今の内にでもやれることはあるんじゃないか?
騒ぐ暇があったら、それを見つけて実行しろ」

男の膝が折れる。その目には涙が溜まっていた。だがそれを冷かす者は誰もいない。

「じゃあ、選別を開始するぞ」



「失格  失格  失格  失格」

今のところ10人近くが選別されているが合格者は出ていない。
次はあの男の番だ。男は自信なさげに歩み寄る。
だが、ショウリュウの反応は以外にも

「うん、合格」

「え?」

男は信じられない顔で言った。

「どうした。初めての合格者だぞ。嬉しくないのか?
・・・お前名前は?」

ショウリュウは笑いながら言った。

「レ・・レンギです」

「レンギか、覚えておくぞ」

「あ・・ありがとうございます」

男は頭を下げてその場を去った。

「次の者、早く来い」



そんなこんなで次はスタークの番

「ん?君たちはこの間の」

ショウリュウは後ろの3人も見渡す。

「まさか、あんたがあのショウリュウとはな」

「隠していたつもりはないぞ。名乗れと言われたら名乗るのつもりだったぞ」

そういうと、スタークの目を見て

「合格だな、ついでに後ろの3人も合格でいいぞ」

「え、いいんですか?」

サラがいうと、ショウリュウはその手をとり

「可愛い子が仲間にいれば華が咲いていいだろ?」

「え・・え〜と、とりあえずよろしくお願いします」

「こんな女たらしがあの伝説のハンターなんて、世の中わかんねえものだな」

スタークがぼそりと呟きながらその光景を見ていた。



結局、選別で残ったのはソニックたち4人にレンギという男、
それとナナという可愛らしい名前とは裏腹に堅気で冷たい女性、

そして、もう一人はなんとシルバだった。
シルバもこの事を聞き駆けつけたらしい

それとショウリュウの計8人が残った。ほかの者はすでにいない。

「さて、フォーメーションの説明だがこれは難しく考えなくていいだろう。
エリア4つの内1、2を普段から組んでいるソニックたちで攻撃をしてくれ。

残りの俺たちはお前らが戦っている間に少しでもチームプレイができるように練習する。
そんで3は俺たちが、4では俺たち主体にお前たちは砲撃なんかの補助をする。

こんなもんでいいだろう。何か質問は?」

皆首を横に振る。シンプルだが、確実に効率のよい形だった。

「じゃあ、各自準備に入ってくれ。決戦は明日だ。入念に行っておけよ」