二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: モンスターハンター・バロル ( No.2 )
- 日時: 2010/01/09 18:00
- 名前: アビス (ID: 7.60N42J)
番外編(シルバ)1話
念願の相手
〜ギルド〜
シルバはソニックたちと別れた後も、いつもと同じように
依頼を受けていた。そんなある日、
「おい、聞いたかよ。あの噂」
ギルドのハンターの話しが耳に入ってきた。
「何の話しだよ」
「あのテオ・テスカトルが近くの火山地帯に出没したらしいぜ」
「本当か!?」
男が驚くのも無理はない。テオ・テスカトルとは古龍と呼ばれる種別に入る。
古龍とは古代から生息する非常に危険の多く、並みのハンターでは
とても太刀打ちが出来ないモンスターである。
「ああ。数年前にも一度現れたって話しだ。
話しによるとその時討伐に行ったハンターがいるらしい」
「本当か!それでどうなったんだ」
詰め寄る男に対して、もう片方の男は笑いながら
「ばーーか。相手はあの炎王龍と呼ばれるテオ・テスカトルだぜ。
焼け死んじまって骨も残ってないだろうよ」
「それもそうか」
そう言って、今度は二人は違う話しで盛り上がった。
シルバは紙を一枚剥がすと、それをカウンターの女性持っていった。
女性はシルバが持ってきた紙を見る
「・・・珍しいね。あんたが火山の採取ツアーに行くなんて。
でも今はよしといたほうがいいよ。あそこには今テオ・テスカトルが
いるらしいからね」
忠告する女性を無視しシルバは黙って出口に行き、そして消えていった。
〜火山地帯〜
「感じる」
火山に着いたシルバは静かにそう言った。
目が見えなくても、いや目が見えないからこそ分かる
火山のいつもと違った雰囲気。
シルバは山の頂上を目指して歩いた。あの時の事を思い出しながら
頂上に着いたシルバ。そこにテオはいなかった。しかしここで待っていれば
必ず来ると確信していた。
その予想は当たり、しばらくするとバサバサと翼を羽ばたく音が聞こえてきた。
音はどんどんでかくなる。そして、遂にその姿を感じた。
真赤な体に力強い角。強靭な尾に燃え滾るその目。
見えなくてもはっきり分かるその姿。
シルバは覚悟を決めるとナイフを取り出すと、テオに投げつける。
ナイフは体に見事命中。だが、傷は浅くてダメージは見込めなかった。
だが、それで良かった。今のは攻撃ではなく威嚇。こちらの存在を知らせるため。
テオは狙い通りこちらに気づき、降下しながら空中でブレスをはいてきた。
それをうまく避けるシルバ。体勢を立て直すころには、すでにテオは地面に降り立っていた
「7年ぶりの対面か・・・心が躍る。またこうやってお前と会えた事をな」
—ウォオオオ!—
テオが突っ込んでくる。それをかわしナイフを投げる。命中するもあまり
効いてはいない様子だった。だが、その攻撃に腹を立てたのか
テオはさっきよりも広範囲のブレスを吐く。
「くっ!」
とっさに近くの岩の陰に隠れる。熱風が襲う。それだけでも顔が火傷しそうだった。
納まると、こちらに近づいてくるのを感じて、ジャンプをする。
間一髪のところで、テオが岩を砕きやって来た。真上からさらに攻める。
これもあまり効いていない様子だった。
(やはりただのナイフじゃ、大したダメージにはならんか。
だからと言ってこんなひらけた所ではあれは使えん)
シルバはすぐに相手から距離を取りさらにナイフを投げる。
しかし、それは尻尾で弾かれてしまう。
どうやら、ナイフの軌道を読まれてしまっているようだ。
その後も、しばらく戦いが続いた。相手の攻撃をうまくかわし
攻撃をするが、こちらの攻撃も読まれ満足に攻撃が当たらなくなった。
しばらくすると、テオは空中に飛び去り他のエリアに行ってしまった。
付けておいたペイントボールの臭いを嗅ぐ。
そして場所が分かった途端、シルバの顔から笑みがこぼれた
(あのエリアならあれが使える)
そういって、持っていた手には火山の光で光るナイフとは別の物が見えた。
番外編(シルバ)2話
決着
シルバが向かった先にはテオが待ち構えていた。
シルバはすぐに十数本ものナイフを一斉に投げつける。
しかし、テオはそれを翼で弾く。弾かれたナイフが地面、床。天井、壁に突き刺さる。
何本か当たったが、ダメージにはなっていない様子だった。
テオは翼を大きく広げる。辺りに赤い粉が飛び交う。
「まずい!!」
シルバがすぐにその場から離れる。
—ボカーーン!!—
赤い粉が粉塵爆発を起こす。するとすぐにまた自分の周りに粉塵が囲む。
—ボカン!!ボカーン!!ボカーーン!!—
幾度無く粉塵爆発がシルバを襲う。それを必死に逃げる。だが、
動き続けていた足が止まった。逃げようとした先が溶岩の中だったのだ。
辺りにはすでに粉塵が舞っている。
「しま・・・」
—ボカーーン!!!—
他の方に逃げようとしたが遅かった。爆発に呑まれるシルバ。
なんとか、そこから這い出るがダメージはでかい。
テオは休ませないとばかりに広範囲のブレスを吐く。
シルバは広がりきる前に横に逃げる。そしてがら空きの横腹にナイフを投げつける。
テオはそれを弾こうともしなかった。当たってもダメージが無いとふんで
完全になめていた。だが、それが仇となった。
—ビリビリ!—
投げたのは麻痺ナイフだった。テオは体が痺れて動かなかった。
ぬかった。テオはそう感じずいられなかった。
弾いていればこんな事にはならなかったものを。傲慢さがこの結果を生んだ。
テオは自分の愚かさとこの人間に対する怒りでいっぱいだった。
人間は攻撃してこない。おそらく回復に有しているのだろう。
あの人間は自分が必ず焼き払い、切り裂き、ずたずたにしてやる。
テオは痺れから痺れから抜け出すとこちらの方を向いた。
シルバは回復はしていなかった。所々火傷の跡が酷く残っている。
テオは雄叫びを上げるとこちらに向かって突進してきた。
シルバはもう避けるだけの体力は残っていなかったのか、膝を突き、動こうとしない。
テオは今も猛然と来ている。地面にあるナイフも蹴飛ばしながら進んでいる。
その内の一つを飛ばした瞬間、テオの動きが止まった。
そして、その瞬間テオが空中に飛んだ。いや飛ばされた。
テオがわけもわからず空中でもがく。だがもがけばもがくほど
体に正体不明の傷ができる。
「暴れるな。余計に自分が辛くなるぞ」
シルバはよろよろと立ち上がりながら言った。
テオは暴れるのは止めたがこちらをずっと睨んでいる。
「解せない様子だな。モンスターに説明しても理解できると思えんから、実際に見せてやる」
そういうとシルバはナイフを二本取り出すと投げた。
それが地面、壁にと刺さる。そしてその間には岩があった。
今度は左手を前に出す。その手は何かを引っ掛けているように見えた。
シルバが左手を開く。すると・・・
—スパァン!!—
岩が名刀の刀にでも切られたかのように切れた。
「糸よりも細く、鉄よりも硬い。性質はゴムのように
伸び縮みするワイヤーだ。これと同じようなワイヤーが今お前の体中に張り巡らされている」
そう、テオが痺れている間に行っていたのは、辺りにワイヤーつきのナイフを刺し、
罠を張っていたのだ。そして仕掛けたワイヤーと繋いだナイフを地面に刺し、
テオがそれを外すことでワイヤーが引っ張られ、今の宙吊りへとなっている。
シルバはナイフを一本手に持つと遠くに刺さっているナイフを見る。
「あれにもワイヤーが張ってある。俺があれを抜けば、お前も
あの岩のように真っ二つになる」
シルバはそう言うと静かにナイフを投げた。ナイフは地面に落ちている
ナイフに当るり地面から抜ける。
—ゴト!!—
音も無くワイヤーがテオに向かい、そしてテオの体の上半身が地面に落ちる。
下半身を空中に残して。
シルバはその場で突っ立っていたが、しばらくするとテオの元に向かった。
そして、テオから素材を貰うために剥ぎ取りをしていると不思議な形をした
赤い物体を見つけた。
「これは・・・見たことも無い形をしているな。
テオの体内で生成される特別な素材か?」
なんなのか分からなかったが、不思議な力を感じたのでそれをポーチに入れた。
—ギルド—
シルバが帰ってくると、皆その手に持っているものを見て驚愕し口が開く。
カウンターの女性も向かってくるシルバをただただ見つめていた。
「・・・・」
シルバは相変わらずの無言でカウンターに「炎王龍の剛角」を置いた。
「あ・・あんた。テオ・テスカトルを討伐したのかい?」
その言葉にシルバは黙ってうなずく。女性もギルドの皆も沈黙する。
シルバはしばらくすると、だまったままギルドを出て行った。
いつもと同じような態度。だがシルバが喜びに満ちていたことは
女性にはわかっていた。