二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: モンスターハンター・バロル 39話更新 ( No.28 )
- 日時: 2010/02/15 18:15
- 名前: アビス (ID: 3CAtWHbZ)
3話
モンスターの心を詠む青年
「発見!もう逃がさねえぞ」
あれから数分後、ブルファンゴを見つけたソニックとミルナは、
すぐに狩を再開する。しかしブルファンゴの様子が少しおかしくなっていた。
さっきまでは逃げ回っていたのに、今は逆にこちらに向かって激しい威嚇を
してくる。
「なあ、あいつを倒さなきゃ、クエスト成功したことには、なんねえんだよな?」
ソニックが小さな声でいった。
「あたりまえでしょ。もう少しだから頑張ろう」
ミルナが答える
「ああ。わかった」
ソニックの声に先ほどまでの元気がない。
しかし、ブルファンゴはこちらに向かって突進してきている。
2人ともそれを、なんなくかわす。そして顔めがけて矢を放つ。見事命中。
だがそんなことも気にせずに突進を繰り返す。
「暴れすぎだ!」
止まったところを狙い、一撃を入れる。だがそのばで暴れ弾き飛ばされる。
「ソニック」
ミルナが心配して近寄ってくる。
「大丈夫!全然平気!」
すぐに立ち直し構える。
「しかし、ここまで暴れるとめんどいな」
ブルファンゴを見ていう
「うん、すごく怒ってるみたい」
「次の一撃で仕留めてやる」
そういうとソニックは空いている左手を右手にそえた。
「片手で溜め切り」
ミルナがつぶやく。
「いくぜ!」
そのままの状態で突っ込む。
「溜めてる状態で移動できるなんて!」
溜め切りはその場で踏ん張り、力を溜めて攻撃する方法。威力は普段の
倍以上でるが、その場から動けないため危険な技でもある。
「溜めているところを腕1本に絞ってるんだ。片手持ちといい、常識外れな人・・・」
そういいミルナも弓を構える。
—ヒュン—
十数本の矢がソニックをの横を通りすぎ、ブルファンゴに当たる。
流石に効いたのか、のけぞる。
「終わりだ!」
その瞬間を狙い、ソニックが渾身の溜め切りをくりだす。
ブルファンゴはとうとう倒れた。
「クエスト完了ね」
ミルナが静かにいう。
「しょうがないとはいえ可哀そうなことしちまったな」
モンスターから素材を剥ぎ取りながらソニックがいった。
「いちいち倒すモンスターに情けかけてたら、ハンターつとまらないよ」
ミルナはすでに剥ぎ取り終わっている。
「そうだけどさ、こいつはただ家族を守ろうとしただけなのにさ。
こっちの都合で倒しちまったからさ」
「え?家族を守ろうとした?」
ソニックの言葉に耳を疑う。
「ああ、こいつ家族を守ろうとしてあんな風に威嚇してきてたろ」
ソニックがブルファンゴを見ながらいった。
「ね、ねえ!こいつってブルファンゴのこと?」
「ほかにいねえだろ」
「いってたの、家族を守るって?」
「何いってんだ。ずっといってたじゃねえか。『守る。家族。守る』って」
若干の沈黙。そして
「も、もしかしてモンスターの言葉が分かるの?」
「え?わかんねえのか?」
「・・・・・」
「・・・・・」
〜村前〜
村に戻ってきた2人は、村の前に1人の村人が立っている
「おう。あんたはさっきの」
「あ〜!さっきここで会ったじいさん」
村の前で同じように最初にソニックと話した村人がいた。
「初のクエストはどうだった?」
「まあ、それなりに楽しめたよ」
ソニックが笑う。それにつられて村人も笑う。
「お久しぶりです。村長」
「おおミルナか。あんたがこの子の指導官になったのか」
「はい」
「どうだった?この子の腕前は?」
ミルナがソニックをみる
「正直、びっくりしてます。初めての狩りとは思えないほどにいい動きでしたよ」
「そうかい。それは楽しみだな」
「お、おい」
ソニックが話しに割り込む。
「なんだ」
「村長ってあんたか?」
ソニックが指を指す。
「人に向かって指さすとは失礼なやつだ。わし以外に誰がいる?」
「え〜〜〜〜〜〜!!!」
村中にソニックの声が響いた。
「そんな驚かなくてもいいだろ」
村長が耳を抑える。
「い、いや!すまん!全然そうな風には見えなくて!」
「失礼な奴だ」
そう笑いながら、村長は2人の前から消えた。
「しかし、驚いたな」
それから少ししてソニックがいった。
「そんなに驚くことないでしょ。私としてはあなたの方が驚きだけど」
そういってさっきのことを思い出す。
『別に言葉が分かるわけじゃねえよ。なんつうか感情が読めるっていうか
心が読めるっていうか、そんな感じだ。人だって話さなくても、顔色見たり、
仕草なんかで、何を考えてるのかなんとなく分かるだろ。それと同じだよ』
さっきの雪山での会話の思い出す。
「そのモンスターの心が読めるってことみんなにいっちゃだめだよ。
あなたにそんな力があるって知れたら、どんなことになるかわかったもんじゃないから」
「わかったよ」
ソニックが少し不満げにいう。
「そんじゃ、このクエストをギルドに報告して報酬金もらいましょう」
ミルナが明るくいう。
ソニックも笑い
「おう!」
そういい、ギルドに走っていった。