二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: モンスターハンター・バロル 39話更新 ( No.37 )
- 日時: 2010/02/15 18:27
- 名前: アビス (ID: 3CAtWHbZ)
12話
激闘の末の末路〜前編〜
—ワアアアァアァアアァ!—
辺りはすでに大混乱になっていた。
鳥竜種の大群が次から次へとやってくる。
剣を一振りするだけで5体は倒せる。
そんな中、ソニックは戦っていた。
辺りは鳥竜種の残骸で足場がなく、体は返り血で真っ赤であった。
「くっそ!きりがねえ」
愚痴を吐くが、その声は誰にも届かない。聞こえるのはモンスターの鳴き声と、
両方の攻撃音だけだ。
その時、2匹がソニックに向かって、襲ってきた。
「じゃまくせえ!」
ソニックは大剣を一気に振り下ろし、一匹を片付ける。
もう一匹の攻撃をかわし、攻撃。
「はあ、はあ」
気を抜いた瞬間に、また二匹襲ってきた。
次は中型の鳥竜種が2匹だった。
「しまった!」
反応が少し遅れたために、防ぎようがなかった。
くらう! そう思ったとき
—ドシャ!ドン!—
何かが、激突する音がしたと思ったら、目の前の2匹はくらくらしていた。
いったい誰が? ソニックが辺りを見渡す。すると
「ドルドーニ!!」
少し離れたところに、ハンマーを持って立っていた。
「気を抜くんじゃねえ。俺より強くても、まだまだ甘いな、お前は」
そういい、2匹を片付けたら、また乱戦の中に消えてしまった。
(それにしても、なんでこんなに、たくさんのモンスターが)
辺りのモンスターを倒しながら思った。
どう考えたって、おかしい。これほど多くのモンスターがいっぺんに集まるなんて。
しかもこいつら・・・
「俺らを無視して、進んでやがる」
中には襲ってくるものも、いるがほとんどが、ハンターを無視して走っている。
まるで、何かからか、逃げているような・・・
(集中しろ。モンスターの声を聞くんだ)
・・・
・・
・
—あ・・・—
—・・・り・・—
—は・・・・ろ—
だめだ。いろいろ混じりすぎて、とてもじゃないが、聞こえない。
(くそ。意味がわからないぜ!)ソニックが心の中でそう思った。
確かに、この状況はわけが解からないが、それ以上に、この状況下でソニックは自分の心の
落ち着きに悩んでいた。
この、生と死の境のような戦場で、自分は何を落ち着いているんだ。何を喜んでいるんだ。と、
考えれば、考えるほど頭がおかしくなってくる。
「くっそおおおお!!!」
ソニックが吼えた。そして、ここで、ソニックの記憶は途絶えた。
気がついた時、ソニックは立っていた。辺りは所々に鳥竜種の残骸の山ができていた。
「勝ったのか?」
ソニックが呟いた。しかし、自分以外、そこには立っていなかった。
他のハンターも皆、同じように、倒れて、動かなくなっていた。
あの、ドルドーニも、スタークも・・・
「ミルナは無事なのか?。ん、あれは・・・。もう一人いた」
自分以外に生きているものがいた。ソニックはその人の元にかけよる。
すると、向こうも、かけよって来た。
よかった。向こうも気づいたんだ。ソニックは喜んで走っていった。
しかし、近くまで行くと、絶望に変わった。
確かに、もう一人、そこに立っていた。
鏡に映った自分が・・・
「なんだよ。くそ!」
そういって目の前の鏡に触れる。向こうの自分も同じ様に触れる。
その時、ソニックはある異変に気がつく。
自分も返り血で真っ赤だが、鏡の中の自分はさらに真っ赤だった。
顔も髪、大剣まで血で赤く染まっていた。
さらに、さっきまでしなかった臭いがしてきた。モンスターの血の他に
もう一つの臭いが鏡の自分のほうから。
この臭いは・・・人間の・・・血?
鏡の中は皆の傷はモンスターにやられた感じじゃなかった。
もっと鋭く、でかい、そう、ちょうど自分が持っている大剣ぐらいの・・・。
ソニックは後ろを振り返り、みんなを見る。しかし、みんなに同じような
傷跡はなかった。
また、鏡に振り返ると、鏡の中の自分がケラケラと不気味に笑い出した。
そして、自分の方に向かって左手を前に出した。
左手には何か持っていたが、よく見えない。
よく見ようと、顔を近づけると、鏡の中の自分は、ちゃんと見ろといわんばかりに、
先ほどよりも、気味悪く笑いながら、持っているものを、前に差し出した。
持っているものがはっきりと見えた。
それは、ミルナの・・・
- Re: モンスターハンター・バロル 39話更新 ( No.38 )
- 日時: 2010/02/15 18:28
- 名前: アビス (ID: 3CAtWHbZ)
12話
激闘の末の末路〜後編〜
「うわあああああ!!」
ガバッ!ものすごい勢いで、ベットから起き上がる。
すぐ横にはミルナの顔があった。こちらをものすごい心配そうな顔で見てくる。
「そ・・ソニック。大丈夫?ものすごい、うなされてたよ」
気が動転していて、ミルナの声も耳に入らない。
(な、なんだ。今のは?夢・・・なのか)
ソニックは息を切らしている事も忘れて考えている。
と、そこにエルディがやって来た。もちろん、ソニックはそのことに気がつかない。
「あら、ソニック。起きたじゃない」
いつもの様に、お気楽な感じで言うが、ソニックの状態をみてミルナに
「どうかしたの、ソニック?」
しかし、ミルナも首を横に振り
「わかんない。さっきから、呼んでもまったく反応しなくって」
ミルナが心配そうに、ソニックを見つめる。
「そう。それじゃあ、起きたらギルドに来てくれるように伝えてくれる?」
「わかった」
ミルナの言葉を聞いた後エルディは走ってどっかいってしまった。
それから、ソニックがミルナの存在に気づいたのは、すぐの事だった。
「よかった。やっと、正気を取り戻したのね」
と、ミルナは嬉しさ半分、心配半分で言った。
「あ、ああ。悪かった、ミルナ。もう大丈夫」
ソニックが笑って言う。だが、その顔が無理をしているのは、
誰からの目からもはっきりとわかった。
「それで、どうなったんだ?」
まだ、はっきりとしない意識でソニックが聞いた。
「鳥竜種の群れのこと?」
「ああ」
一呼吸おいた後で、ミルナは笑顔で
「大丈夫。村には一匹も入ってきていない。
それに、重傷者もいるけど、誰一人死んでないよ」
ミルナの言葉にソニックは
「はぁ〜。よかった」
と、心の底から安心した。
「それで、さっきエルディがきて、ソニックが起きたらギルドに来てくれって。
動ける?」
「ああ、大丈夫だ」
ソニックがベットから立ち上がろうとしたが、力が入らず崩れそうになってしまう。
だが、ミルナが素早く肩をかした。
「わりー。ミルナ」
「気にしないで。私たちは、『仲間』、でしょ」
ミルナが仲間という言葉を強調して、笑った。
そんなミルナを見ていて、ソニックも笑う。
〜ギルド〜
「あ、きたきた。ソニックはもう平気なの」
エルディがやってきた2人に向かっていった。
「この状態を見て、平気なの?なんてよく聞けるな」
ソニックがエルディに少し呆れる。
ソニックは今も、ミルナの肩をかりている。
「あ〜ら。ごめんなさいね」
と、悪ふざけにいう。
(こいつ。わざとか)と心の中でつぶやいた。
「それで、なんで俺をギルドに呼んだんだよ?」
ソニックが本題を聞く。
「そうそう。あの鳥竜種の大群だった理由をね」
「やっぱし、ただの集まりってわけじゃなかったってわけだな?」
ソニックがあの激戦の中、思ったことを口にする。
「ええ。最近だけど、モンスターたちが来た方向の地に大きな
クレータのような跡がいくつも見られているの。
それが、あの大群の原因だと、ギルド本部は考えているの」
「クレータ?どれぐらいの大きさなの?」
ミルナの問いにエルディは少し顔をしかめさせ
「現時点での、最高のもので直径100メートルほど。
でも、その大きさはどんどん大きくなっているみたいなの」
「100メートル!?そんなこと・・痛!」
ソニックが急に動いたとき、体に激痛が走った。
「ソニック!大丈夫!」
ミルナが心配そうに見つめる。
ソニックは軽く笑って
「ちょっぴり、きついな」
ソニックの言葉にエルディは近くの椅子をひいて、ソニックに座らせた。
「ふう。話し戻すが、そんなことできるモンスターなんているのか?」
「さあ。でも現実に起きているんだから、真実として受け止めなきゃね。
それで、あなたたちを呼んだ理由はね、この事件の調査と解決を頼みたいの」
「どういうことだ?」
エルディの話しの進みについていけない。
「さっきも言ったじゃない。100メートルものクレータをつくるモンスターなんて、いるのか?って。
現時点ではそんなモンスターは存在しない、つまり新しいモンスターってこと。
まだ、姿すらわからない」
「つまり、その姿・生態を調査して、あわよくば討伐してくれってこと」
ミルナがいう。
「そういうこと。そんな依頼が本部からいろんな町に送られているの。
で、私はあなたたちを推薦するってこと。どう?」
エルディは自分たちの言葉を待っている。
ソニックとミルナは顔を見合わせる。
そして、
「わかった。その任務請け負うぜ」
ソニックがいった。
「そう。それじゃあハンターカードを出して」
エルディにそう言われ素直に従う。
エルディは受け取ると、それになにか印のような物を押し付けた。
「はい」
2人に返す。
「これは?」
「昔からある、未知のモンスターが現れた時に、それを討伐する事を任とする者に与えられる称号。
『全狩猟区・特別狩猟許可書』。通称・・・」
「封印のハンター」
エルディがいう。
その瞬間は2人は胸が高鳴った。
「これが、あればギルドを通さずにモンスターを狩ることが可能よ」
「なんでそんな」
ソニックが尋ねる。
「だって、旅の途中でそのモンスターに会っちゃまずいでしょ」
と、明るく言う。
「それじゃあ、3人で頑張ってね」
「「3人?」」
自分たちは2人、あと一人は・・・
「俺だ」
後ろからの声で振り返る。そこにいたのは
「「スターク!!」」
こうして、ソニック、ミルナ、スタークの3人は『封印のハンター』として
謎のモンスターの討伐をする、旅に出ることになった。