二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: モンスターハンター・バロル 39話更新 ( No.40 )
- 日時: 2010/02/15 18:42
- 名前: アビス (ID: 3CAtWHbZ)
14話
絶対の掟
「・・・・」
男は黙ったまんまで、何もいわない。
「お前、何か喋ったらどうだ」
スタークがいう。しかし、男は一向に話す気配を見せない。
そして、そのまま喋らず向きを変え、どこかに行こうとした。
「おい!」
スタークが叫ぶ。が、少し反応したが、そのまま行ってしまった。
「呼んでも意味ないよ。シルバはどんな時でも、話さないんだ」
カウンターの女性がため息をしていった。
「だが、この前会った時は普通に喋ったぞ?」
ソニックがおかしいと言わんばかりにいう。
その言葉に女性は少し驚いたようにして
「本当かい!?あいつは、クエストは必ず一人で行くからね」
「そういえば、さっきあいつ、シルバっていったな。シルバは何のクエストにいったんだ?」
ソニックが聞く。
女性は、さっきシルバが出した紙を見せて
「これさ、『漆黒の鎧を纏いし龍の狩猟』。グラビモスの亜種の狩りに言ったのさ」
「グラビモスの亜種を!一人で!?」
ミルナが驚愕する。
「なんなんだ?グラビモスって。しかも亜種って?」
ソニックが尋ねる。
「亜種ってのは、モンスターの色違いのことだ。例えば、イャンクックの色はピンクだが、
亜種は青色の鱗を持っているようにな」
スタークが答える。その後の説明はミルナが引き継いで
「グラビモスっていうのは通称、鎧龍。その名の通り、体が鎧、それ以上に硬い甲殻で覆われている
モンスターなの。熟練のハンターでも命を落とす可能性が高い、かなり強力なモンスターよ」
「へ〜。この世界にはそんなモンスターもいんのか」
ソニックが感心する。
「ん?ちょっと待てよ。あいつ・・・」
ソニックが考え込む。(何か違和感があったんだよな、あいつ)
「どうしたの、ソニック?」
「あいつが武器を持っていなかったことだろう?」
スタークが自分の考えを呼んだのか、自分が考えていた違和感をいった。
「そうだ!あいつ、武器を持っていなかった。この前もそうだったが・・」
「ああ。そのことか。私も初め、彼に会ったとき同じこと聞いた。
武器はどうしたんだ。武器がなきゃ狩りには出られないぞって」
女性が話しに入ってきていった。
「そしたら、なんて?」
「無口のままで、私に投げナイフをみせて、そのままクエストに行っちまったよ」
「そんな馬鹿なことがあるか」
スタークが鼻で笑い、いった。
「ドスランボス程度なら、投げナイフでも十分かもしれないが、グラビモスを相手に
挑むなんてありえないだろ」
「お前の4刀流もかなり、ありえないぞ」
と、ソニックがつっこむ。
スタークは冷静に
「お前の、大剣を片手で振る方がありえないだろ、それに
この前の鳥竜種との激戦の時、おまえ・・・」
スタークが何か言おうとした時
「まあまあ、シルバも投げナイフじゃ、無理だってすぐに気づいて、戻ってくるでしょ」
と、ミルナがスタークの話しを切った。
その言葉にカウンターの女性は、軽く笑い
「そうでもないぞ。あいつはあれでも、投げナイフ一本で、リオレウスも倒すほどの
腕前だし、この前グラビモスの幼体である、バサルモスを討伐してきた」
「本当に!?すごい」
ミルナが驚く。
「バサルモスのどこにナイフなんかが刺さる場所があるんだよ」
と、スタークはリアルな事を呟いた。
「まあ、どっか、刺さるんじゃねえか。口の中とか、目玉とか・・・」
と、ソニックは冗談半分、真面目半分答えた。だが
「「・・・・・」」
沈黙。
「あれ、どうかした?」
「おまえって、案外グロイ事を考えるんだな」
スタークの言葉が胸に刺さった、ソニックであった。
〜数日後〜
ソニックたちはまだこの村にいた。
目的はこれからの旅の準備。
準備するためには、お金が必要。ということでこのギルドでしばらく
稼ぐつもりでいた。
〜ギルド〜
中に入ると、あの女性がうろうろしていた。
「どうしたんですか?」
ミルナが話すと、女性はちょうど良かったという顔でこっちに走ってきた。
「あんたら。ちょっと頼みたいことがあるんだが、いいかい?」
「なにかあったんですか?」
女性の様子にミルナが尋ねる。
「シルバがね、戻ってこないんだ。あれからもう、何日もたっているんだが・・・」
女性が心配そうな顔で言う。しかし、スタークは
「はは!あの野郎、くたばったか?」
その言葉に女性は
「もし、そうならこっちにそうだと報告がくるはずだ!!勝手に決め付けないでくれ!!」
と、スタークをにらみつけていった。
「それで、俺たちに頼みたいことって、もしかして・・・」
ソニックが話しを戻す。
「ああ。シルバの行ったクエストにいってほしいんだ。ちょうどあんたらは、3人だし、
これなら、ぴったし4人でクエストにいったことになるだろ」
そう。どのクエストにおいても守らなければならない事がある。
それは、「必ずクエストにいくメンバーは4人まで」とういう決まりだ。
これは、ハンターを正式な職業にさせた、ココット村の英雄のハンター本人によって
決められたことだ。
噂によると、まだハンターが少なかったころ、ココット村にある危機を迎えていた。
それはあの伝説の龍、ラオシャンロンの出現である。ラオシャンロンの進むルートには
ココット村があったのだ。もし、ラオシャンロンが通れば、村はたちまち壊滅してしまう。
そこで、のちに英雄のハンターと呼ばれる男と、その仲間たち3人が討伐に向かった。
しかし、その時ある一人の女性が自分もラオシャンロン討伐のメンバーに入れてほしいといってきた。
その女性は英雄のハンターの恋人だった。もちろん彼は断ったが、彼女の強い思いに負けて、
5人で討伐に向かったのだ。
この戦いで見事、ハンターたちはラオシャンロンを倒した。しかし、そこには一人の犠牲があった。
彼女だった。ラオシャンロンの圧倒的な力の前に敗れてしまったのだ。
この後、ハンターを正式な職にさせたとき、彼はこの出来事から5人での狩りは災厄を起こす。
よって、必ずメンバーは4人までとする。というルールを作り、これを絶対の掟とした。