二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: モンスターハンター・バロル  39話更新 ( No.43 )
日時: 2010/02/15 18:44
名前: アビス (ID: 3CAtWHbZ)

17話
   光の向こうに見えるものは





—ガッ!ギャギャ!—

何が起こったのだろう。ほんの1秒前は敵はソニックの命を
とろうとしていた筈なのに、今は体を痙攣させ、動かないでいる。

しかし、それでもその微妙な動きでも、尻尾はソニックの首下にあるので
少し切れていた。

ソニックは何も考えられないでいた。しかし、それでも頭に強く響く声があった。

<何をしている。速くその場から離れろ。まきこまれたくなければな>

なぞの声に導かれるように、ソニックは即座にひいた。その瞬間

—ピシャン!!ズドン!—

敵の頭上が光ったかと、思えばその光が敵を包んだ。

—ギャ・・・—

敵は悲鳴すら上げられないまま、なす術なしにその攻撃を受けてしまった。
数秒の後、大きく、紅いモンスターは息絶えた。

「あ・・危ねえな。あと、0,1秒遅かったらお前も一緒にああなってたぞ!!」

スタークが今起きた、現状にそういうしかなかった。
しかし、ソニックの意識は全然違うところにいっていた。

目線が行く先は、遠くの白い発光体。
姿は、馬のような形、頭からは角、そして背中からは翼が生えていた。
まるで、閃光玉のように光っていたが、なぜだがはっきりとその姿が見えた。
その生物はこちらを少し見ると、また、頭に声が響いてきた。

<お前の仲間2人の潜在能力を少し開放してやった。これで貴様の足手まといには
ならずにすむだろう>

その声の主があいつだと分かり、こちらも語りかける

『どういう意味だ。この二人は俺なんかよりもずっと実力は上だ。むしろ、おれが足手まといに
なっているんだぞ』

こちらがそう答えると、体の発光がすこし、小さくなり

<・・・そうか、おまえはまだ根源の欠片が覚醒していないのか。それではまだ、
ただの人間に過ぎないな。ただ、力の使い方を分かっていないくて
これほどの力を・・・>

『一人で何ぶつぶつ言ってやがる。お前は、モンスターなのか!?
なぜ、俺たちを助けた!?お前はいったい何者だ!?』

ソニックがそういうと、相手の体の光が強くなっていった。

<我はこの世界で、眠り続けていた平和の根源。ベリウス>

光がどんどん、強くなっていって、すでに目が開けられないほどだった。

<憎悪の根源の暴走を止めるため、そのすべてを打ち砕く。
貴様も、気をつけておれよ。己の根源の欠片、暴走すれば
己だけでなく、愛しい人まで傷つけることになる。そうなれば、
我も貴様を消すことになる>

そして、辺りは強い光で覆われてしまった。

・・・・
・・・
・・



「いい加減に、目を覚ましやがれ!!」

—ズゴン!—

ものすごい音とともに、頭に衝撃がはいる。

「いって。あ・・あれ?」

辺りを見渡す。場所は今までいた場所だが、あの不思議な生き物の姿はない。

「今のは、夢・・・?」

ソニックがそう呟くと、両方のほっぺを思いっきりつねられた。

「なにが、夢だ!このボケ!」

「い!いててててて!ちょっ、やめろって!」

スタークの攻撃を必死に止めさせるソニック。

「はあ。なあ、変な光る生き物いなかったか?」

「まだ、寝ぼけてるのか。だったら・・・」

スタークがまた、殴る素振りを見せる。

「ちょっ。タンマ。別に寝ぼけていない」

ソニックが必死に言う。

「ソニック、あなた変な光があの化け物を倒した後、気を失ったのよ」

ミルナが優しくいう。

「気を・・・失ってた?」

おかしい。自分の記憶が途切れた感じもないし、なによりさっきまでの、
あの光景。とても夢とは思えなかった。それじゃあ、いったいなぜ・・・

ソニックが物思いにふけっていると

「しっかし、こいつは一発で倒しちまうとはな。でも、いったいだれが、こんな芸当を」

スタークがいった。

「とりあえず、シルバも心配だから、こいつの体の一部を持っていきましょう」

ミルナが大きく息を吐いていった。



〜ギルド〜

「おつかれさん。無事ってわけじゃないけど、シルバを連れてきてくれてありがとうね」

女性が言った。

「まあ、それが私たちの任務だったし。それよりも、話しておきたいことが・・・」

ミルナは今回あった事を話した。グラビモスに起きた異変。それにより
生まれた新しいモンスター。その強さを。

「それは、また」

話しを聞いた女性が、言葉が出ないといた感じで言った。

「それで、一応そいつの体の一部を持ってきたから、ギルドで調べてくれるように
頼んでもらえないかな?」

ミルナのお願いに、女性は

「ああ、いいともさ」

と、明るく言った。



後日の調べによって、持ち帰った情報だけでは、ほとんどのことは、分からなかった。
しかし、その、あまりにもの強さから、ギルドでは、正式な危険モンスターとして、
俊鎧龍(しゅんがいりゅう)・イビルモス、と言う名前で
リストに乗せることになった。