二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: モンスターハンター・バロル 39話更新 ( No.47 )
- 日時: 2010/02/15 18:57
- 名前: アビス (ID: 3CAtWHbZ)
20話
動き出す凶夢〜前編〜
〜2日後〜
「おい。あそこの木の周辺なんかツルが多くないか?」
2日経ってソニックたちは、問題のクレータがあったという場所の近くに来ていた。
ミルナが目を凝らした後
「違うよあれ。あれはたぶん立ち入り禁止のテープだよ」
近くまでいくとミルナのいう通りそこには
木の間を進入禁止と書かれたテープが張られていた。
その木の奥は霧がたちこめていた。
「やっぱり、彼女のいうとおり・・・」
ミルナがなんか言おうとした時、スタークがテープを切って先にいこうとした。
「ちょ・・ちょっと!スターク」
ミルナの言葉にスタークは顔だけ向けて
「噂なんて関係ねえよ。ここまで来たんなら立ち止まる必要もねえだろ」
そういってスタークは先に行ってしまった。
「スタークの言うことも一理あるな。ここで立ち止まっててもどうしようもねえだろ?」
「それも、そうだね」
ソニックとミルナもスタークに続いて、霧が渦巻く死の領域へと足を運んだ。
辺りは霧がたちこみ視界が大分限られていた。お互いが霞んで見えるほどだ。
「ずいぶん霧が深くなってきたな。おい気をつけろよ」
前を行くスタークがソニックとミルナに注意を促す。
その姿にミルナとソニックはクスっと笑い
「スタークが私たちの心配するなんてね。どうしたの?」
ミルナの言葉にスタークは照れたように少し鼻で笑って。
「てめーには関係のないことだ。それよりも霧がどんどん濃くなっていくぞ」
スタークのいう通り霧が先ほどよりも濃くなっていて、
すぐ前にいる仲間もすでにほとんど見えない。
そんな状態がしばらく続いた後、霧が一気に晴れた。
「な・・ここは・・」
ミルナが辺りを見渡す。
辺りには自分たちがいる所以外すべて地面が黒ずんでいて草も木もなにもない。
目を凝らすと遠くに霞んで見える。
「この黒いのは一体なに?」
ミルナが黒ずんでいる地面に触れようとした。その瞬間ソニックはとても嫌な予感がした。
「ミルナ!!触れるな!!」
ソニックの叫びに驚き手を止める。
「ど・・どうしたの?」
「・・・・」
ミルナは尋ねた後、スタークが無言で自分の髪を数本抜き、その地面に落とした。
地面に落ちた髪の毛はあっという間に溶けてなくなってしまった。
「もしソニックが叫ばなかったらお前の手がこうなってたな」
「・・・。でもなんで私たちの所だけが・・・」
ミルナは話しを中断して地面を見る。ソニックも同じように地面を見る。
そこには驚愕の出来ことがおきていた。
黒ずんでいた地面がうねり、いやうねっているのは黒ずんだ部分だけ。地面はなんともない。
その黒ずんだ部分が波のように一箇所に集ま始め、
スライムのようにクネクネした物体へと姿を変えた。
3人はそれが何なのかまったく分からなかったが、武器を構えた。
そうしなければいけないと体が感じてしまったのだろう。
スライムの体は透けて見えた。その中はほとんど人間の骨のようなものが浮いていた。
「もしかして、ハンターたちが帰ってこない理由って」
「詮索は後だ。くるぞ!」
- Re: モンスターハンター・バロル 39話更新 ( No.48 )
- 日時: 2010/02/15 18:58
- 名前: アビス (ID: 3CAtWHbZ)
20話
動き出す凶夢〜後編〜
スライムは口を膨らませた。そして自分と同じスライムの塊を3人に飛ばしてきた。
3人はそれをかわすが落ちたスライムはそのまま形を針のように変え、3人を襲った。
「ち!何なんだこいつは。離れても変なスライムを操って攻撃してくる」
ソニックがいう。ミルナは自分の武器を弓へと変形させ、目標に向かって射抜いた。
だが、その攻撃はスライムにあたると同時に溶けて無くなってしまった。
「あの調子じゃあ。物理攻撃は効きそうにないね。触れる事も出来ないか・・・」
ミルナが冷静に分析する。その間もスライムは形を変え、3人を襲う。
攻撃スピード事態は速くはないため避けるのは容易かった。
だがこのままこの状態が続けば体力が奪われ、確実に攻撃を受けてしまう。
「ミルナ無茶するな。左肩まだ完全じゃあないだろ」
「そうだぜ、下がってろミルナ」
「ううん大丈夫。足手まといになんかなりたくないし」
ソニックたちの気遣いに首を横に振る。その行為にスタークは舌打ちをして
「無茶した挙句、左肩動かなくなってそれを庇いながら戦う方がよっぽど
足手まといだ!!」
ソニックもスタークの言葉にため息をつきながらも
「ミルナは下がってあいつの弱点を見つけてくれ。頭脳派はお前だけだからな。
この先お前がいなくなったら、俺たちが困る。
安心しろよ。おまえはちゃんと俺たちが守るからよ」
仲間にここまで言われたんじゃあ、ミルナも2人を信じるしかない。
大人しく後ろに下がるミルナ。
「おい。そこまでいったんなら何か奴の攻撃を防ぐ方法ぐらい見つけたんだろうな?」
スタークがいった。
「うなもん・・・剣で防ぐ」
「・・・・」
沈黙。そして
「馬鹿かてめーは。そんなことしたら使いもんにならなくなるだろ!」
「あーそうだよ。でもな人の命、ましてや大切な仲間の命に比べたら軽いもんだろ」
「俺にとっちゃ剣も命と同じくらい大切なもんだ。誰が人のために壊すか」
「そーゆーこというんだ!へ〜!」
(この二人。私がいなかったら本当に危ないな。私がちゃんとしないと)
ミルナは心でそんなことを思った。
「剣の命と仲間の命、どっちが大切だよ!?」
「どっちも大切だ。だからどっちもなくさねえ」
スタークの言葉にソニックはニイと笑い。
「それでいいんだよ。いいこというじゃねえか。スターク」
「誰に向かっていってんだ。てめーは」
スタークも笑う。
・・・・
・・・
・・
・
それからしばらく経ったころ、3人はまだ戦っていた。2人の凄まじい反応速度と底なしの体力で
スライムの化け物は苛立ち攻撃が単調になっていた。それが余計に二人を避けやすくしていた。
それでも確実に体力が減っているのは確か。こちらは攻撃が全然できないため、突破口を見つけられずにいた。
「くそ。まだなんかわかんねえかよ?ミルナ」
後ろで分析をしているミルナに急き立てる。
「そんなこといっても・・・」
ミルナは困ったようにいう。
その時大量のスライムの波がスタークを襲った。スタークは瞬時に後ろに引いたが、その勢いで
ポーチの蓋が開いてしまい、アイテムがたくさんこぼれてしまった。
そのアイテムの上を包むようにスライムが飲み込み引いていく。
アイテムはスライムによって無くなってしまった。
「くそ!こんな奴倒せんのかよ」
スタークが悔しそうにいう。その時ソニックは耳を疑った。そして
「ミルナ、スターク。弱点わかったぜ」
ソニックの言葉にミルナは驚いたように
「え。弱点って・・・?」
ミルがいった。その後ソニックは体を遠くの森のほうに向いた。
「木を見て森を見ずっていうのかな、こういうの。とにかくこのスライム野郎は少しの間任せた」
そういうと、ソニックは全速力で走り出した。