二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: モンスターハンター・バロル 39話更新 ( No.53 )
- 日時: 2010/02/15 19:03
- 名前: アビス (ID: 3CAtWHbZ)
24話
理由
以前、二人はにらみ合ったまんまだ。
スタークが女の子を殴るとは思わないが、なぜかハラハラした。
「スターク」
ミルナがいう。スタークはミルナをチラと見ると舌打ちして、
女の子の胸倉から手を離した。
「ごめんね。大丈夫だった?」
ミルナが女の子に駆け寄り、優しく言う。
ソニックも駆け寄る。
「は・・はい。大丈夫です」
女の子は小さな声で言った。
「そ・・それでは私、大事な用事があるので失礼します」
女の子は小さく頭を下げると去っていってしまった。
「まさか、スタークがあんな女の子を思いっきり怒鳴るなんてな」
ソニックがスタークに向かっていった。
「見た目なんて関係あるか。むかつく奴はどんな姿でもむかつけ。
それだけだ」
「だからってなあ・・」
これ以上言っても無駄だと思ったソニックはそこで言葉をとめた。
「それじゃあ、ギルドに行こうか」
ミルナの言葉に従い、3人はギルドに向かった。
〜ギルド〜
中の人数が思っていたよりいなかった。そう思ったが、
ギルドが広くてそう思っただけで、実際はかなりの人数がいた。
「見ない顔だな。封印のハンターか?」
カウンターに立っている男性がいった。どうやらここは男性が受付の役を請け負っているようだ。
「わかるのか?」
ソニックが尋ねる。男性はにこっと笑って。
「この仕事は長いからね。それで、なにが欲しいんだ。情報か?それともクエストか?」
「それよりも先に調査の報告をしたいんですけど」
ミルナが言った。
「へ〜。新しい情報を持っているのか?」
男性が関心するように言う。
「はい。まず・・・」
ミルナが話している間にソニックは辺りを見渡した。
どのハンターもかなりの腕前だな、と思った。
それからしばらくすると
「う〜ん。どれもこれも新情報ばっかだ。夢見龍の出現・クレータの最終直径の大きさ・
大壊龍が眠っていたと思われる大きな穴。
あの辺りは変な噂でギルド調査員も近づけなかった場所だ。
わかった。ギルド本部に報告しておこう」
「はい。ありがとうございます」
「しばらくしてこの報告が本当だった場合、報酬金が貰えるからそれまでこの町に居てくれ」
「わかりました」
—バン!—
ミルナが言い終わった直後、銃声が響く。
「な・・なんだ」
ソニックが慌てて辺りを見渡す。
「今のは・・」
男性はそう呟くと音がした方にむかって歩き出した。
ソニックたちも男性の後を追った。
しばらくすると、男性が立ち止まった
そこには不思議な形の物を持った、見覚えのある女の子がいた。
「てめー!サラ!いきなり何してんだ!」
太った男性ハンターが怒鳴った。
女の子は頭を下げて
「ご・・ごめんなさい。武器の手入れしてたら、誤って引き金を引いちゃって」
「誤ってすむ問題か。下手したら怪我じゃすまなかったろ!」
「う・・」
サラと呼ばれた女の子は男の言葉にまた下を向いてしまった。
「まあまあ。許してやれよ」
そこで、男性が仲介役として出てきた。
「オーナーさん。しかし、こいつのせいで・・・」
「誰も怪我してないんだからいいでしょ。サラだって謝ってるし。
それにサラが狙ってこんなことやる人ではないとわかるだろ」
「・・・」
男はその言葉ですたすた歩いてどこかに行ってしまった。
オーナーは、ふーと息を吐くと、女の子の近くにより
「手入れもいいが、気をつけてやれよ。誰かに当たったらどうするんだ」
「ごめんなさい。でも・・あ」
そこでサラはやっと、ソニックたちの存在に気づいた。
「またあったね」
ミルナがいう。
「知り合いなのかい?」
オーナーがいう。
「はい。先ほど街中で助けてもら・・・」
「助けたつもりはない。誰がこんな意気地なしのために動くか」
スタークが冷たく言った。するとオーナーは意外な言葉を発した。
「・・・随分優しい人に助けられたね、サラ」
「はあ!」
オーナーの言葉にスタークがいう。
「ちがうのか?」
「全然ちげえ!俺はそいつに絡んでいる奴の態度に腹を立てただけだ。
その後こいつの態度もムカついたから、怒鳴ってやったよ。
どうだ、まだ俺が優しいなんて戯言をいえるか?」
「もちろん」
オーナーが笑顔で言う。
「本当に優しい人はそれをしたら自分のためみたいに言うことが多いんだよ。
それに、相手の悪いところをはっきりと指摘する事も、一種の優しさだと思うけど」
「・・・ち!お前みたいなタイプは好けねえ」
「ははは。嫌われちゃったな」
そこまでいうと、サラは口を開いた。
「あ・・あの。オーナーさん。一つお願いがあります」
「ん?なにかな」
サラがはしばらく黙った後、決心したのかはっきりとした口調で
「最近現れたっていう、『ナルガクルガ』のクエストに行かしてください」
その言葉にオーナーは目を大きく開いた。
そして、強い口調で
「だめに決まっているだろう。お前まだ、小さな鳥竜種も満足に狩れないのに、
こんな危険モンスターに向かっても死に行くだけだぞ」
「そうかもしれないけど、ナルガクルガは私がハンターになった理由だから」
サラは以前、強い目でオーナーを見た。
「・・・いや、だめだ。最近はどのモンスターもおかしくなってきているんだ。
そんな、モンスターの元にお前ひとりで行かしても・・・」
「一人じゃなきゃいいんだろ?」
スタークが口を開いた。
「え?」
サラがスタークを見つめる。その言葉に驚いたのはサラだけじゃない。
ソニックとミルナもだ。
「そのナルガクルガの狩猟に俺たちも付き添う。俺たちは封印のハンターだ。
お守りには十分だろ?」
「・・・・わかった。それならいいだろう。サラ、いってきな」
「オーナーさん。ありがとうございます」
「お礼なら、そこの人にいいな」
すると、サラはスタークの方に向いた。
「そ・・その、ありがとうございます」
と、いってぎこちなく軽く頭を下げる。
「お礼なんていらねえから、とっとといくぞ。
ソニックもミルナもいいだろう?」
「いいよ」
「ああ」