二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: モンスターハンター・バロル  39話更新 ( No.54 )
日時: 2010/02/15 19:03
名前: アビス (ID: 3CAtWHbZ)

25話
   異常





今ソニックたちは、今回のターゲットである『迅龍・ナルガクルガ』の討伐のため
船で目撃されたという樹海に向かっていた。

サラは先ほどと同じように不思議な物を手に持ち、手入れをしている。

「ねえ、それ武器なの?」

その様子を見ていたミルナが尋ねた。

「あ、はい。これは『銃』っていってライト・ボウガンを改造したものなんです」

「ライト・ボウガンを改造」

ソニックが不思議そうにいう。

「はい。私ってあまり力ないから普通のライト・ボウガンでも結構重たいんです。
ですから、威力を保ったまま軽量化させることにしたんです」

「ふ〜ん。世の中にはそんなすげー事ができる職人もいたもんだな」

スタークがあまり関心がなさそうに言う。その言葉にサラは首を傾げて

「別に私、職人じゃないですよ」

「誰がおめーに言ったよ。それを創った奴に言ったんだよ」

「だからそれ、私に言ってるじゃないですか」

・・・・・


「・・・・まさかそれ、お前が創ったのか?」

ソニックが恐る恐る聞く。

「さっきっから、そう言ってるじゃないですか」

さも当然のように答えるサラ。

「な・・なんでそれだけの事ができるのに、ハンターになったの?」

ミルナが聞く。
すると、サラは少し下を向いて

「ナルガクルガは私のとって敵ですから」

と小さな声で言った。

「ギルドでも同じようなこと言ってたな」

スタークが思う出だすようにいう。

「あ・・はい。私の両親もハンターをやっていたのですが。あるクエストを受けたときに
殉職してしまったんです。それが・・・」

「ナルガクルガってわけか」

「はい。だからわたしは大好きなお父さんとお母さんを奪ったナルガクルガをすべて討伐します」



〜樹海〜

「ふ〜。やっと到着か」

ソニックが背伸びをする。

「ここに・・ナルガクルガが」

サラが呟いた。

「とりあえず散策しよ。まず、見つけないことには始まんないから」

ミルナが言って、樹海の散策が始まった。

しかし、散策する必要はほとんどなかった。
近くの大きな木々に囲まれた広間にそのモンスターはいたのだから。

「あれがそうか」

ソニックがミルナに確認する。ミルナは頷き。

「うん。間違いない。あれが・・・」

ミルナがそこで言葉を切った。ナルガクルガがこちらに気づき振り向いたからである。

「よし、いくぞ!」

スタークがそう言い、皆で向かおうとした時、敵の姿が消えていた。

「え?え?」

サラがあたりを見渡す。

「上だ!」

居場所をいち早く見つけたソニックが叫んだ。
しかし、皆その言葉に反応する前にナルガクルガが大きな
鋭い翼を広げて攻撃を仕掛けてきた。

しかしそのあまりにものスピードで皆どうす事もできなかった。

—ズドオン—

着地と共に大量の砂埃が舞った。その砂埃の中にソニックたちの姿はなかった


〜キャンプ場〜

「痛っ。ここは、キャンプ場?なんで・・・」

目を覚ましたスタークが辺りを見渡して言う。自分たちはナルガクルガの急襲によって
やたれたはずなのに、なぜかキャンプにいる。その理由は

「はあ、はあ、くっ。ぎりぎり間に合ったね」

ミルナが言う。

「ミルナ。何をしたんだ?」

傷つい体に鞭をうち、立つスターク。

「『拡散式戻り玉』。これを使えば、使った半径5メートル以内にいる人を強制的に
キャンプに戻すことができるの」

「ミルナさん!ソニックさんが」

ミルナが話しているとサラの叫び声が聞こえた。
すぐ近くでサラと、そして倒れたままのソニックがいた。
みんな、それなりに怪我をしていたがソニックが一番ひどかった。

ナルガクルガの鋭利な翼を受けたのか、左肩が半分ほど切られていた。
もしミルナが戻り玉を使わなかったら、確実にソニックの左腕はなくなっていただろう。

「これじゃあ、クエスト続行は無理ね。一度リタイアしないと」

ミルナがいう。それが今の現状だった。

「確かにそれしかねえな」

スタークがいう。

「ごめんなさい。私のわがままののせいで、皆をこんなに傷つけて」

サラが涙目で言った。

「誰もあなたのせいなんて思ってないわよ。
そんなに自分を責めないで」

ミルナがあやす様にいった。

「こいつだってこうなることは覚悟してお前を助けたんだろ。
お前が気にすることじゃない」

二人の言葉にサラは涙を拭って。

「・・・はい。ありがとうございます」

「どういたしまして」

「ここでぐずられても困るだけだ」

そういいながら、スタークはソニックを担いだ。

「くだらねえこと言ってねえで早く行くぞ。このままじゃソニック死んじまうぞ」


〜町〜

町に着いてすぐにソニックを治療施設に連れて行った。
どちらかというと怪我よりも出血の方が問題で、
あと少しで手遅れになるところだったらしい。今はぐっすりとベットで寝ている。

「さてと、どうする?」

3人は町中を歩いていた。

「どうするも何も、あれだけ速いんじゃ・・・」

「確かに速かったが、いきなり襲われなければ俺とソニックなら何とかなるだろう」

スタークがいう。

「それよりも問題なのは奴の攻撃力だ。ソニックの特殊な防護服でも簡単に貫いたんだ。
俺たち程度のもほとんど意味ないだろ」

「あ・・あの」

サラが話しに入ってきた。

「なに、サラ?」

ミルナが尋ねる。

「今この町にすごい腕を持った双子の竜人族のひとがいるんです。
その人たちに武具を作ってもらえばいいんじゃないでしょうか?」

「双子の竜人族?まさか、ミカとミクか?」

双子の竜人族と聞き、スタークがいう。

「さ、さあ。名前は知りませんけど、行ってみます?」

「ほかに今のところあてないし、いこうか」

ミルナがスタークの方に向きいう。

「ああ。それに気になるしな。その双子の竜人族ってのが誰か」