二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: モンスターハンター・バロル 39話更新 ( No.61 )
- 日時: 2010/02/15 19:14
- 名前: アビス (ID: 3CAtWHbZ)
30話
モンスター=化け物であらず
【皆さん大変長らくお待たせいたしました!!モンスター・オブ・コロシアムの開幕です】
ソニックたちは町の放送を聞きつけ、町の奥にある特別闘技場に足を運んでいた。
「モンスター・オブ・コロシアムって何だ」
ソニックがミルナに聞く。ミルナはここにくる途中に貰った
パンフレットを見ながら
「『モンスター同士の熱い激闘を肌で実感せよ!!』、だって。
モンスター同士を戦わせるお祭りみたいなものだね」
ミルナが説明した。それにソニックは鼻で笑い
「くだんねえ。よくそんなことでここまで盛り上がるな」
その言葉にミルナは
「それはきっとお金がかかってるからなのかもね」
と言った。
「お金?」
ソニックがそう聞き返すと同時にまたアナウンスが入った。
【それでは早速始めましょう。まず最初のバトルはこちら
ランボス7頭VSドスランボス!!】
その声とともにソニックたちがいる観客席の下のバトル場の二つのハッチが
開けられ、そこからモンスターが出てきた。
—オオオオ!—
それとともに、湧き上がる歓声。
【さあ!!まずはどちらが勝つか予想をしてみましょう。
当たったかたには、かけた金額の倍をプレゼントします!!】
「よし。ランボスが勝つに50万だ!」
「ドスランボスに100万ね」
あたりからこんな声が聞こえてくる。どうやら座席の所に置いてある
スイッチのような物を押して金額などを決めるようだ。
「なるほど。モンスターを使ってギャンブルをしてんのか。
モンスターをこんな見世物にしやがって」
ソニックが周りの声を聞きながら言った。
【統計がでたので、さっそく本番に参りましょう。それでは
ランボス7頭VSドスランボス・・・スタート】
—カーン!!—
高いコング音とともに拘束具が外され、首輪だけが残った。
その瞬間ソニックの表情ががらりと変わった。
「どうしたの?」
ミルナがソニックの様子を見ていう。
「あいつら、あの首輪に操られている」
ソニックがランボスたちから目を背けずに言った。今もなおランボスたちは
バトル場で戦っている。
「操られている?」
ミルナが聞き返す。
「そりゃあそうだろ。もし観客に襲い掛かったら大変だからな」
スタークが下の光景を見ながら言った。
その言葉にソニックは首を振って
「そんなんじゃない。あの首輪にはそこまでの操作はできていない。
だから、あいつらもその気になれば観客を襲おうと思えば襲える。
けど、あれには恐らく命令に背いた場合の処置が施されている」
「ソニック・・なんでそんな事までわかんの?」
ミルナが目を丸くして言った。
「あいつらの声が言ってんだよ『戦わなきゃ。あんな痛い思いはもういやだ』って。
前よりも声がはっきり聞こえるようになってる。
とにかく止めねえと」
ソニックが一心不乱にバトル場に乗り込もうとする。
その腕をスタークが止める。
「離せよ、スターク!!」
「落ち着きやがれ。こんな所で暴れてみろ。俺たち全員終わりだぞ」
「知るかよそんなこと。あんな思いで戦っているモンスターなんてみたくねえ。
いいから離せよ」
スタークの説得も聞かずに必死に引き離そうとする、ソニック。
その時
【おおっと。決着がついた模様です。勝者はドスランボスだーー!!】
その声にソニックは下を向く。そこにはランボスの死骸にぼろぼろになった
ドスランボスがいた。
「モンスターだって俺たちと同じように生きてんのに、あいつら・・・」
ソニックの手が震え、震えた手で大剣に手をのばした。
—ドス!—
ソニックがその場に倒れこんだ。スタークが手刀で首を打ったのだ。
(今一瞬見えたのは何だ)スタークが考える。ソニックが大剣を掴んだ瞬間
に見えたのは、前にも感じたことがある。
ソニックがイャンクックに初めて挑んだときに見せたあの感じ・・・
「ねえスターク。少しやりすぎじゃない?」
サラが気を失っているソニックを心配そうに見つめながら言った。
スタークはソニックを担ぐと
「こいつならすぐに目が覚めるだろ。とにかく、こいつをここから離さねえとな」
—ドン—
「悪いじいさん」
「かまわんよ」
闘技場を出る際にスタークは研究服を着た老人にぶつかってしまった。
老人は最初はそのまま通り過ぎようとしたが、
気を失っているソニックを見ると目の色を変えた。
「そこの気を失っている小僧は」
「あ?じいさん、ソニックを知っているのか?」
「いや、知人に似ていると思ってな」
老人はそう言うと、そのまま闘技場の中に入っていった。
「なんだったんだ。・・どうしたミルナ」
ミルナが手を口に当てて考えているようだったのでスタークが聞いた。
「ううん。ただ、さっきのおじいさん、どっかで見たことあるなって思って」
「あ、私も思いました」
サラがいう。
「まあ、研究者みたいだったから。一度くらい本出したことあるんじゃねえの」
スタークが興味無さげにいい、療養所を目指した。
—夜—
「ねえ、ソニック知らない?」
ミルナが息を切らしながら、休んでいるサラとスタークの元にやって来た。
「いないんですか?」
サラがたずねる。
「ええ。近くを探しても見つかんなくて。どこに言ったんだろう・・・あ、もしかして!」
「まさか、あいつ!」
ミルナとスタークが同じタイミングでいう。
「え、どうしたんですか?」
サラは未だに分からないでいる。
「おそらく闘技場だ。夜に身を潜めて捕まっているモンスターを逃がす気だ」
スタークがすぐに支度をすると、一人で飛び出していった。
「待ってよスターク!私たちも行こう、サラ」
「はい!」
こうして、3人は闘技場に向かった。
〜闘技場内部〜
「待ってろ。絶対助けてやるからな」
ソニックはスタークたちの考えた通り闘技場にいた。
「よし、もう少し」
「何がもうすこしなんじゃ?」
後ろからの声に反応するソニック。しかし、その瞬間目の前が真っ暗になった。
「くっくっく。やはり間違いない。やっと見つけたぞ、共鳴者よ」
薄れゆく意識の中でソニックはその言葉を耳にした。