二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: モンスターハンター・バロル  39話更新 ( No.64 )
日時: 2010/02/15 19:18
名前: アビス (ID: 3CAtWHbZ)

32話
   神々の決闘





ベリウスとソニックはお互いに様子見るように見つめ合っている。
いや、力を溜めていると言った方が正しいのかもしれない。

そんな緊迫した状況がしばらく続いた後、
ベリウスがこちらに向かってきた。

「お前は・・・」

スタークがそう言うがベリウスは耳を傾けず、後ろのミルナとサラに近づいた。

「お・・おい」

何を仕出かすか分からなかったので、スタークが呼びかける。
ベリウスは2人の前まで来ると、角の先が光りだした。

その光を浴びると、なぜだか心が落ち着いた。
ミルナとサラもその光を浴びて正気を取り戻した。

「スターク」

サラは、ぼーとした顔でスタークを見る。

「あれ・・ここは」

ミルナはまだ意識が混乱しているようだったが、少しすると思い出したのか
ハッと顔を上げる。そこにベリウスの顔があり、驚き後ろに引く。

「あなたは・・・」

<しばらくここから動くな。この光の中にいれば奴の力の影響を受けないですむ>

ベルウスは優しく言う。

「お・・おい。ソニックは一体どうしちまったんだ!?」

スタークがそういうと、ベリウスは顔を向ける。
その目は今のソニックとは違った意味でゾクっとした。

<我々のことは大体知っているな。我々の終わりなき戦いのことも。
ソニックは今体に憎悪の根源の源、お前たちではジスペルと呼んでいたな。
そいつにのっとられている。

憑依されていると言ってもよい。我々はすでに肉体は朽ちた。だが、こうやって
共鳴者の体を借りることで因縁を断とうとしている>

「あなたも、誰かの体を乗っ取っているんですか?」

サラが尋ねると、ベリウスは少し悲しそうな表情で

<ああ、今の世界では幻獣『キリン』と呼ばれている者のな。
それが、今回の我の平和の根源の共鳴者だった。

彼は同意した上で我に体を明け渡してくれたが、やはり申し訳ない気持ちでいっぱいだ。
世界のためとはいえ彼の人生をなくしてしまったのだからな>

そこまで話すと、ベリウスは表情を変えて言った。

<話しはここまでだ。どうやらこれ以上奴は待ってくれるつもりはないらしい>

<そういうことだ!>

ソニックはそう叫ぶと右手を前に出した。そこから黒いイカヅチが放たれた。
ベリウスは翼を大きく広げた。そこから小さな光が霧散して、
黒いイカヅチを受け止め、相殺した。

<ソニックの体から出て行け!!>

<悪いが、この体はもう完全に我のものだ。ソニックとかいう奴の人格は
もうすでに、なくなってる。それにしても・・・>

ソニックはにやけながら言った。

<この体は最高だ!今までのその共鳴者よりも力が体に馴染んでくる。
貴様が借りたそのひ弱な体なぞあっという間に塵にできる>

その言葉に、ベリウスは鼻で笑い

<ふっ。我こそ同じだ。今までで、一番力が漲ってくる>

そういうと、ベリウスの翼が光りだした。

<ソル・シエルガ(飛翔の光翼)>

今度はソニックの両手に黒いオーラが集まっていく。

<ジ・ディムルガ(終焉の爪)>

黒い爪がソニックの両手から現れた。それから、僅かな沈黙。
それから2体は激闘を始めた。だが、スタークたちがそれに観戦出来たのは音だけだった。

姿は速過ぎて見ることが出来ないのだ。
辺りは、2体がつけたであろう傷がどんどん出来ていく。

どちらが優勢なのかまったくわからない。しばらくした後、激しい衝撃音と
共に、二人の姿が現れた。

<くっ。エクルド・ティエス(光耀の兵隊)>

ベリウスから自分と同じ形をした光のエネルギー体がソニックに向かっていく。
だが、ソニックは余裕の表情で

<ディミス・ウォルド(消滅の風)>

ソニックが手を振り下ろすと、黒いオーラがベリウスの技を飲み込み
そのまま、ベリウスに押し寄せた。

<力の性質に違いが出たな。貴様の力は戦いとは程遠い『誕生』。
だが、我の力は戦いに相応しい『破壊』。この差が今の結果を生み出しているとなると・・・
ふん、敵ながら同情するぞ>

そこまで言うと、ソニックはスタークたちの方に向いた。

<さて、邪魔が入ったな。さっさとあの世におくってやるぞ>

そういって、スタークたちのほうに向かおうとした時

<ランバード・ティエンシア!(雷神の槍矢)>

ベリウスが角から一筋の光を発した。それがソニックに向かって伸びていく。

<・・・無駄なことする奴だ。我がこいつらを相手しているほんの数秒でも使えば
貴様なら逃げることができたものを>

ソニックは左手を前に差し出し、それを受け止める体勢に入る。だが、それは叶わなかった。
ベリウスが出した光はソニックの手に触れると、そのまま一気に貫通した。
ソニックの左手が力なく垂れ下がる。

<まだこれほどの力を隠していたとはな>

ソニックは自分の手を痛がる様子もなくベリウスに話しかける。

<我だけの力ではない。我の共鳴者であるキリンは雷を操る者。
それを使わせてもらっただけのこと。
貴様のようにすべてを力ずくで押さえつけるようなやり方では
決して出来ん事だ>

その言葉にソニックは鼻で笑い右手をあげた。

<ならば、力ずくで押さえ込んだからこそ出来る事をやってろう>

ソニックが右手に力を込める。すると、右手に黒い球体が現れ少しずつ大きくなっていった。

<本当はもっとこの世界を壊してから使うつもりだったが。
今見せてやろう。これがかつて一度この世界を滅ぼした力。
ディエスト・メルエム(地獄への序章曲)だ>