二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: モンスターハンター・バロル  質問コーナー四 更新 ( No.70 )
日時: 2010/03/02 22:39
名前: アビス (ID: 3CAtWHbZ)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode

40話
   決戦開始




当日、ソニックたちはすでに老山龍が通るルートのエリア1にいた。
おのおの集中力を高める。

「それにしても、どうなんだサラ。ショウリュウがいってたの」

「あ、はい。やっぱり自力じゃ出来ないみたいです」

「そうか」

ショウリュウが言ってたのとは、サラが以前ナルガ戦で見せたやつ。
ショウリュウに話してみると驚いた様子も見せずに

「ああ。そりゃあ予知眼(ヴァイジョンアイ)だな」

「予知眼・・・ですか?」

サラが首を傾げる。

「予知眼でのは自分、又は誰かに死を招く災いを起こる前に知ることが出来る眼のことだ。
そのナルガの攻撃を避けられたのも、それを食らえば死ぬかもしれなかったスタークの
災いを先に視て知ることが出来たからだろう」

「は・・はい」

「つまりはそういう力さ。先天的なものだからこの俺ですら持ち得ない力さ。
さすが、可愛い娘ちゃんは恵まれているな。それ、自分の意思で使えるのか?」

サラは首を横に振り

「いいえ。自分の意思では出来ません。どうすればいいんですか?」

「さすがにそこまではわからねえな。でも肝心な時にはしっかりと発動するんだろう。
なら、気にすることはないさ。君が仲間を守りたいって思えば力は答えてくれる」

サラが物思いに耽っていると、スタークの目付きが変わった。

「足音が近づいてくる」

「・・・何も聞こえないけど」

ミルナは耳を澄ますが何も聞こえない。

「いや、確かに何かが近づいてきてる。それにこの感じ・・・」

ソニックが顔をしかめる。肌にあの聞きたくもない嫌な悲鳴のような感じが纏わりつく。

「今までで一番嫌な感じだ。モンスターの変貌と何か関係あるのか?」

一人呟いているとその足音がミルナたちにも聞こえるほど大きくなってくる。
そしてついにその姿がソニックたちの前に現れる。

「・・・・・」

ソニックたちはあまりのでかさに言葉を失う。まさに山の体。荒んだ黒の甲殻が
体を覆い、すべてを貫きそうな角が生えている。

だがいつまでも見とれてるわけにもいかなかった。情報の通り老山龍はソニックたちを
見つけると前足を上げて地面にたたきつけた。
地震でも起きたかのように大地が揺れる。左右の石壁が崩れ落ちてくる。

「これだけでけぇと逆に笑えねぇな」

ソニックが落ちてくる岩を叩き割りながらいう。

「老山龍もびっくりなおおきさだな」

スタークが嬉しそう笑う。

「『わしより大きな生物が存在しようとはぁ!!』ってか」

「・・・あの二人楽しそうですね。ミルナさん」

岩を避けながらサラがいう。ミルナはため息をついて

「いつものことでしょ。あの二人自分より恐ろしい相手に興奮しかしないんだから。
まったく、もう」

「そうですね。でも、あの二人見てるとなんだか私も楽しくなってきちゃいました」

サラの笑顔にミルナ微笑しながら

「そうだね。そんなところに魅かれたのかな。でもそれだけじゃないような・・・・」

不意に真正面から突風が吹き荒れる。

「な、なに!?・・きゃあ!」

吹き飛ばされそうになったところにソニックがミルナの体をつかむ。

「あいつのブレスだよ。ただの吐く息のな。あれだけでけぇとそれだけでも攻撃になるんだな」

近くではスタークがサラを抱き抱え風に耐えている。風が止んだところで二人が突っ込む。
ソニックは顔面。スタークは腹に潜り込む。

—ズパパパパパッ—

老山龍の腹からかなりの血が噴出す。それでも老山龍はものともしない。

「かすり傷とも思ってねえのかよ。だが、思った以上に腹は柔らかいな」

一方顔面のソニックはというと結構苦戦中である。
老山龍が進みながらソニックを食おうと口をバクバクさせて来るからである。

「っと、でけえ口だ・・な!!」

斬撃を入れるがそれが黒い甲殻に阻まれる。

「かってぇ!!鋼鉄以上だな」

新しい大剣も決して切れ味が悪いわけじゃない。むしろ切れ味は最高だ。
だが、人じゃぁ作れない硬さが目の前にある。それでもソニックは諦めずに攻撃を重ねる。

その時老山龍の進むスピードが僅かに遅くなった。攻撃が効いてきたのか。
だが、ソニックはすぐにそうじゃないと感じる。

「スターク!」

—ボン!!—

ソニックが叫ぶと同時にスタークの傍で何かが爆発する。
いきなりの事にスタークは腹から出る。

「げほっ!げほ!・・・サラ!!!何しやが・・・」

—ズズン—

横で老山龍が一気膝を下ろし体を地面に付ける。もし、まだスタークがあそこにいたら
確実にぺしゃんこ。死んでいた。

「スターク!こっちきて」

その声と共に反射的に体が動く。すると今度は長く太い尻尾がスタークに向かって伸びてきた。
ぎりぎりのところで尻尾の範囲外に出れたスターク。

「・・っ!あっぶね〜。今のはまじで死ぬとこだったな」

「ふぅ〜。サラ、お前見えたのか」

ソニックが額の汗を拭きながらいう。

「は・・はい。ショウリュウさんの言ったとおり見えました。
でもやっぱりまだ完全じゃないみたいです」

「上出来だ。サラ、今から攻撃よりもそっちのほうに集中してくれ。
なにか見えたらすぐに俺らに知らせるように。
まだあいつどんな隠し玉もってつかわかんねえからな。できるな」

ソニックはサラの目を見る。その目揺らぎない目をしていた

「さて、そんじゃあいくか」