二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: モンスターハンター・バロル 40話更新 ( No.73 )
- 日時: 2010/03/16 18:35
- 名前: アビス (ID: 3CAtWHbZ)
41話
あいつは絶対死んでねえ!!
場所は既にエリア2の中間地点。依然老山龍はソニックたちに攻撃を仕掛けながら
着実に前に進んでいく。エリア2には高台と呼ばれる橋があり、
そこから老山龍の弱点の背中を撃てるのだ。
サラはそこから背中に拡散弾LV3を撃っていた。すると隣にソニックが現れる。
「どうしたんですか?ソニックさん」
「スタークからこいつの使い方を教わって聞いたら、ここからしか行けないんだと」
そういって取り出したのは爆弾だ。ただし、唯の爆弾ではない。
対巨龍用に改造された威力抜群の時限式爆弾。
「行くって、どこに?」
不思議がるサラ。老山龍がすでに橋の下を通っている。
「どこにって決まってんだろう。あいつの背中だよ!」
「!!・・ソニックさん!!?」
ソニックが橋から飛び降りて背中に着地する。凄く揺れて足場が悪い。まともに立ってられない。
それでもソニックはすぐさま対巨龍爆弾を仕掛ける。
持っている数は2つ。まず一つを仕掛ける。そしてもう一つを仕掛けようとしたとき
老山龍が暴れ、ソニックは前の方に吹き飛ばされてしまう。
「こんの・・野郎!!」
空中で体勢を立て直し、大剣を取り出し力を溜める。そしてちょうど頭の上辺りに来たとき
大剣を縦にして老山龍の頭に直接剣をぶち込んだ。
剣は僅かに刺さったがそれでも浅い。老山龍は振り払うように首を振った。
すると大剣は抜け左右の壁に刺さり、ソニックは上に弾き飛ばされてしまった。
「やべ・・・」
ソニックがそう思ったのはほかでもない。下では老山龍がその口を開けて待ってたのであった。
「ソニック!!」
皆は何とかして口を閉ざそうとしたが無意味だった。老山龍はビクともしない。そして
—バクン!—
ソニックは老山龍の口が閉じるのと一緒に姿を消してしまった。
—エリア3—
ここではショウリュウたちが待ち構えていた。ショウリュウはなんと背中に
5本ものランスを抱えていた。
レンギは巨大なハンマー。ナナはガンランスを構えている。
「ショウリュウさん!!」
そこにミルナがやってきた。先に戦った情報を教えるためだった。
「ミルナ・・だっけ。その顔からしてなんかあったのか?」
ミルナの顔を察してショウリュウが問いかける。ミルナは一瞬、暗い顔になったがすぐに
そんな顔を収めて、あった事を全て話した。
「なるほど、あの男がな。そう簡単にやられはしないと思ったんだがな、拍子抜けだな。
よし、お前らはもう休んでろ。ここからは俺たちが主役だ」
ショウリュウはいつものような感じで言った。だが、ミルナにはそれが気に食わなかった。
「拍子抜けって、そんな言い方はないじゃないですか!!
ソニックだって・・・」
「そいつだって死ぬ覚悟でここに来たんだ。それに仲間が死ぬなんてこの世界じゃ
日常茶飯事だ。その度に胸を苦しめていたら自分の身が持たねえぜ。
取捨選択。あいつの死を感じてお前が怒るのはわかる。だが、そんな感情で戦っていたら、
必ず自分の身を滅ぼす。あいつ事は忘れるんだな。それが今、
お前たちが生き残るための最高の選択だ。
お前らが死んだらソニックだって浮かばれねえだろう」
ショウリュウの言葉にミルナは唇を噛んだが何も言わずに去っていった。
しばらくした後シルバがショウリュウに近づき
「あいつの死を感じてお前が怒るのはわかる。だが、そんな感情で戦っていたら、
必ず自分の身を滅ぼす。まるで自分に言い聞かせているようでしたな。ショウリュウ殿」
シルバの言葉にショウリュウは少し間を置いた後口を開いた。
「・・・いくら『龍神』なんて大それた字を持っていようが、俺も唯の一人の人。
仲間が死ねば、そのモンスターに憎悪が沸いて一人で突っ走っちまう。
だが俺がそんなんじゃぁ、周りを不安にさせるからな」
ショウリュウの口調は何時もと同じだがシルバにはわかっていた。
沸き出しそうになる怒り。それを押さえ込んでもショウリュウの体からにじみ出る静かな殺気。
「老山龍は必ず討つ。全員が一丸となってだ!!!」
「ソニック・・・」
ミルナとサラはベースキャンプで泣いていた。今までともに旅をしてきた仲間の死。
そう簡単に受け入れられるものじゃない。それが初めての経験ともなれば尚更だ。
だが、スタークは平然としていた。その姿にミルナは苛立ちを感じた。
「・・・よくそんなに平然としてられるね」
その言葉にもスタークは
「ああ、まあな」
と、生半可な返事をする。その態度にミルナは唇を噛む。
「なに荒れてんだ、てめーは」
「そっちこそよく平気でいられるわね。仲間が死んだってのに」
ミルナは冷静な口調だが、確実に怒っている。
「はぁ?だれが死んだって」
「ソニックに決まってるでしょう!!!」
ミルナはソニックの名前を口にした途端、目から涙が溢れる。
しかしスタークの次の一言で心が動く
「お前はソニックが死んだところを見たのか?違げぇだろう、食われた所しか見てねえだろ?」
「え?」
ミルナが立ち呆ける。スタークはため息を吐くと
「俺はあいつが死んだなんて思ってねぇ。今頃あいつの腹ん中で暴れてんだろ。
俺らができることはあいつが腹から出て来るのを待っているだけだ」
スタークが言っていることは滅茶苦茶だ。武器も持っていない人が老山龍の腹の中で暴れて
出てくるなんて。そんな話聞いたこともない。だが、ミルナの顔は既に笑っていた。
—?????—
不思議な明かりで満たされた空間に一人の男が降ってきた。
—ドシャ!—
「あだ!」
男は打った頭を抑えながらあたりを見渡す。周りには不思議な壁で覆われていた。
床も天井も全て。
「一体ここは何処なんだ〜〜〜〜」