二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: モンスターハンター・バロル  41話更新 ( No.76 )
日時: 2010/03/25 11:09
名前: アビス (ID: 3CAtWHbZ)

42話
   終わる戦い。始まる最終章





「俺は確かあのラオに食われて・・・じゃぁここはあいつの腹の中か」

ソニックは歩き出した。辺りを見ると中は大きな瓦礫、
大型モンスターの骨、ハタまたはでっかい狩猟船なんかもあった。

「ったく、なに食ってんだよこいつ。雑食にも程があるだろう」

ソニックが呆れながらいうと天井を見た。天井には大雷光虫がたくさんいた。

「光虫が古龍の体内の特殊な環境で巨大化したのが大雷光虫だって
聞いたことがあったが、本当だったんだな。まぁおかげで明るくていいけど」

あらに進むと、ソニックは信じられない物を目にする。明るい光に包まれた空間に
一箇所だけ一切の光も寄せ付けず蠢く繭の様な物体。
それから伸びる管が壁に張り付いて絶え間なく鼓動をしている。

「!!!!!」

それを見た瞬間ソニックは一気に寒気に襲われる。
これが危ないものだというのは人目でわかる。
そして、これが老山龍を暴れさせている原因だというのも理解できた。
老山龍は自分の意思ではなく、これに操られている状態にあると、ソニックは感じた。

「この肌に纏わりつく嫌な感じ。これが原因だったのか。でもこれは一体・・・・」

—ザワザワザワ!!!—

「!!!」

ソニックは自分の中の何かが激しく暴れるのが分かった。必死に抑えようとするが
どんどん溢れて来て止まらない。そして、変わっていく自分の姿。

「ぐ・・なんで、憑依状態に・・・・んぐ!!」

頭の中に言葉が流れる。

—全てを破壊しろ 目に止まるもの全て—
—力の限り暴れまわれ それが己が宿命なのだから—

「黙れ・・出てくんじゃねぇ」

ソニックは必死に自分と戦った。だが、声はさらに強く響く。

—何を躊躇う必要がある 開放しろ そうすれば全てが楽になる—

「何も・・楽になんねえよ」

ソニックはポーチから対巨龍爆弾を取り出すと、それを繭に向かって投げた。
さして、不気味に笑うと

「話しかけてくんじゃねえ。消えろ」

そして、爆弾を自らの拳で叩き割り爆発させた。凄まじい爆発が空間を埋め尽くした。



〜エリア4〜

すでに、最終エリアにまで追い詰められたハンターたち。
ショウリュウたちが下で老山龍を食い止めている。スタークはこちら側にいる。
サラとミルナは砦の上でバリスタなどを撃って応戦。その時

—ボカアアァァァン!!!—

突如何処からともなく爆音が響き渡る。それと同時に老山龍の動きが苦痛な表情を浮かべ鈍る。
皆が困惑する中ショウリュウは、その瞬間を見逃さなかった。

「レンギ!!今だ!!!」

「あ、は・・はい!!」

動きが止まっていたレンギもショウリュウの言葉を合図に動き出す。
息を整え力を貯める。それと同時にレンギが飛ぶ。

体を回転させ遠心力でどんどんスピードが付く。そして

「破!!!」

レンギの巨大なハンマーが老山龍の頭を直撃する。すると、老山龍はおぼつかない足取りで
頭をふらふらさせている。
ハンマーなどは攻撃を頭に食らわすとたまに相手を気絶させることができる。
だが、老山龍を気絶させるとなると相当な力が必要となる。レンギは見事にそれをやってのけたのだ。

「さすが、すべてのモンスターを一撃で倒したと噂させる、『一撃粉砕』と謳われる通り名は伊達じゃないな」

「あなた程ではありませんよ」

ショウリュウの言葉に嬉しさを感じながらも、それを顔に出そうとはしなかった。

「次は私の番ですね」

ナナが老山龍に向かう。ガンランスを構えると前足の間接に突き刺す。そして砲撃。

—バキン!—

何かが砕ける音がしたかと思うと老山龍の片方の足が動かなくなった。そしてもう片方の足にも
同じことをする。

「前足の間接を砕きました。もうこれで立つことは出来ないでしょう」

「ひゅ〜。そんなことが出来るならもっと早くしてほしかったな」

「老山龍の間接を砕くにはほんの数センチに誤差でもずれてはいけないので、
今まではやろうにも出来ませんでした」

ナナのお堅い説明にショウリュウはため息を吐きながら

「ナナちゃん。もっと可愛らしい言葉使はできないの?」

「あなたには関係のないことです」

「はいはい、そうですか。そんじゃぁ止めといこうかな」

ショウリュウは背負っている5歩の内の一本を取り出すと。

「壱!」

それを思いっきり投げる。それは老山龍の足に当たり軽く貫通する。

「弐、参・・四!!」

続けて同じようにして、老山龍の四肢を貫いた。

「そんじゃあ、止めの・・・伍!!!」

最後に一本は頭を貫通して尻尾まで貫いた。

「す・・ごい」

上から見ていたミルナがあまりの光景に言葉が出ない。
だが、まだ終わりじゃなかった。

—ギャアアアオオウウ!!!—

老山龍は重傷を負いながらも二本足で立ち上がり、ブレスを吐き散らす。
辺りにまるで台風が通っているかのような大風が吹き荒れる。

吹き飛ばされ壁に叩き付けられる者、なんとかその場で持ちこたえている者。
どちらも到底攻撃に転じようなんて出来なかった。
老山龍は少しずつ砦の方に向かっている。

「ちっ!あれだけ喰らっておいて死なねえなんてあんのかよ」

スタークが叫ぶが風がそれを瞬く間に消し去る。スタークは老山龍の後ろにいた。
その時背中にひびが入っていくのが目に入った。そのひびはどんどん大きくなっていく。
そして、突然大きく割れたかと思うと中から黒い何かが出てきた。

「な・・なんだありゃあ」

驚くスタークだったが、その次に飛び出してきたものに目がとまる。

「待ちやがれ!!」