二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 戦国BASARA【月に誓う…〜記憶を追い続けて〜】 ( No.13 )
- 日時: 2010/01/14 13:04
- 名前: ターフ (ID: 3c0JYUg8)
- 参照: http://名前変えたよ★(元はトコ)
奥州米沢城の家臣たちは、ザワザワ・・・・とする。
あの奥州の白虎と呼ばれている政宗の従妹が来たのだ。
家来達は小十郎の指示に従っているのはいいが、彼らの目には奥州の白虎を映していた。
彼らが見た奥州の白虎はまるで・・・・・・———。
甲斐の若虎・・・・・いや、日の本の兵と言われている真田源二郎幸村に似ていたのだ。
彼は何かに気が付いたのかこちらを向く。
きれいな紫色の瞳なのだが、どうやら家臣たちを映してない感じが印象的なのだが、小十郎が来た時には光を取り戻したように話しかけていた・・・・———。
「長旅、ご苦労様です・・・・葵様」
政宗の従妹である葵は、少し頷くだけ。
「政宗様が貴方の為にお待ちしていましたよ」
「・・・・・・政宗が?」
家臣たちは少し緊張する。
あの奥州筆頭や独眼竜と呼ばれた伊達政宗を呼び捨てで言ったのだ。
もし、ここに伊達政宗は遠慮なく斬っているんじゃないか・・・・と思った。
それを察知したのか、小十郎は「中へ・・・・」と言って、入城させた。
★****★
小十郎は先導になり、自分の当主の自室へと招く。
もちろん家臣たちは付いてこない。
いや、付いてきては駄目だと小十郎に言われたのだ。
「政宗様、葵様がご到着しました」
「・・・・入れ」
「はっ・・・・」
ガラッと少しゆっくりと障子をあけ、小十郎は葵が入るように言う。
葵は承知したのか、ゆっくり入っていった。
「YA!見ないうちにきれいになったな・・・・葵」
「お久しぶり・・・政宗」
葵はそう言った後、政宗と向かい合わせるように正座する。
その仕草が何故かほほえましい・・・と政宗は思った。
「・・・・輝宗は?」
予想外な言葉に少し、政宗は戸惑った。
輝宗とは、政宗の父親である。
第16代目の当主であった父は政宗が元服した後、父輝宗と一緒にいた。
だが、父輝宗は捕まってしまいあげく政宗に「俺を殺せ!」と言って政宗が父を殺したのだ。
あの記憶は昨日の様に覚えている。
「・・・・っいねぇよ」
顔色を見た葵は何かに気付いたのかふぅん・・・と言うだけで終わった。
タタタタ・・・と音が聞こえた。
「政宗様、宴の準備を終わらせました」
「あぁ、分かったぜ小十郎」
それを聞いた小十郎はまた、タタタタ・・・と音だけ残し行った。
「・・・お前も来るか、葵?」
「・・・・・・・・」
無言だったが、コクンと頷いた。
其の四山 今宵は宴、今宵は記憶の渦