二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 戦国BASARA【月に誓う…〜記憶を追い続けて〜】 ( No.155 )
日時: 2010/03/07 19:43
名前: ターフ (ID: 3c0JYUg8)
参照: http://名前変えたよ★(元はトコ)

——川中島より少し離れた山奥——
「ぐっ・・・なん・・・の!これしき・・・!!!」
幸村は痛みに耐え、愛用の槍を構えた。
「・・・・・・・・・・」
葵は黙ったまま、幸村を見続ける。
もちろん顔は変えないように見えたが、瞳が少し哀しい感じだった。
幸村は、そのようなことは気付かない。
葵はポツリと幸村に向かって言った。
「・・・・どうして、命が消えるという場面で——立っていられるの?」
「・・・・どうしてで、ござるか?」
少し間を空けて頷き、そして話を繋げるように聞く。
「・・・この世は理不尽すぎる。・・・弱気者に何も力を与えてくれないんだよ?なのに、幸村みたいに何百・・・・いや、何千の人は僕の前に立ち上がる。それは・・・・何の根拠に立ち上がるの?」
その言葉を聞いた幸村に少し何かを感じ取り、思った。
葵殿・・・・どうして、答えられる質問に・・・・悩んでいるのでござるか・・・・?———。
どうして、分からないんでござるか・・・・・?———。
弱くても・・・・・何かを守りたいのは誰でも同じじゃないのでござるか・・・・・・?———。
そう思ってしまうと、何故だか分からないが・・・・———。
葵が泣いているように見えてしまった・・・・・・———。
「・・・・・それは、何かを守る為ではござらぬか?」
「——・・・・・!!」
葵は驚いたような顔をする。
幸村はその顔を見て、どうしてこんな質問をするのか分かった。
葵殿は・・・・・まだ、“何かを守るもの”が無いのでござるな———。
葵は驚いた顔を睨みつける顔に戻し、更に幸村に問う。
「・・・じゃあ、幸村にとって——何かは・・・何?」
「!、・・・・某にとっては、お館様の天下はもちろんの事、国の民やこの日の本の平和でござる・・・!!!」
「・・!、へい・・・わ?」
そう葵は呟くと・・・・・———。

 ——“某は、奏牙殿と一緒に平和の世界に居たいござる!!”——

「——・・・っ」
あの夢で見た“弁丸”という男の子の言葉が頭に流れてきた。
何故か・・・・幸村が・・・“弁丸”に似ている・・・———。
「・・葵殿?」
心配そうに見る相手にキッと睨みつけ、緩んだ集中を取り戻す。
「・・・・そう、それが幸村の答え?なら僕は・・・・——自分の為だ!」
ダッ・・・・・———。
「——!!!」
痛みがまだある幸村に近づく為、葵は思いっきり走った・・・・———。

其の参拾四口 答え