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「ん・・・？あいつは・・・」
小十郎は休んでいる時、見覚えがある奴を見つけた。
「前田の風来坊」である前田慶次だ。
慶次は小十郎を見つけて走ってきた。
「テメェは、前田の風来坊じゃねぇか」
「お久しぶりだね、あんたもさ」
ハハハッと気楽に慶次は笑った。
「この奥州に来たって言う事は、何かあって来たのか？」
「まぁ・・・そう言うとそうだな。あれ？伊達男とは一緒じゃないのかい？」
小十郎は「あぁ・・・」と言って頷く。
「今、政宗様は城にいる。この度の戦いで負傷した人がいるからな」
「・・・負傷？それって誰だい？」
「・・・・・・葵様だ」
ピクン・・・・・———。
幼馴染の名前を聞いて慶次は反応する。
葵は以前の戦い（一人で戦ったと聞いたが）で、負傷もせずに勝ったと聞いたが、まさか強いその葵が負傷するなど珍しい事だ。
「・・・？、どうした」
「いや、珍しいなって思ってね。伊達男が城にいるなら、早くも行かなくちゃな」
「政宗様に用があるのか・・・？」
「あぁ・・・魔王さんに対抗する為、連合軍を作ろうって話だ」
「——！！、連合軍だと・・・？」
予想できない言葉に小十郎は少し固まった・・・・・・———。

其の五拾六断　連合軍