二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 戦国BASARA【月に誓う…〜記憶を追い続けて〜】 ( No.37 )
日時: 2010/01/30 15:23
名前: ターフ (ID: 3c0JYUg8)
参照: http://名前変えたよ★(元はトコ)

政宗は話しかけてきた大柄な男に呆気を取られた。
自分の感情の流れのせいか、気配を察知できなかった・・・・———。
政宗はキッとその男に睨みつける。
男は表情を変えず、政宗を見る。
「・・・・・誰だ、テメェは?」
殺気を混じった声で、政宗は言う。
男は怖がりもせず、こう答えた。
「ん?俺かい?俺は、前田慶次」
「!、前田の風来坊か?!」
正直、政宗は驚いた。
慶次は「そんなに俺って有名なのかな?なぁ、夢吉」と慶次の肩に乗っている猿に言った。
猿は「キキキッ!」と言うだけだったが、慶次と会話を交わしているようにも見えた。
政宗は少し警戒をする。
たとえ、危害を加えないと言われなくともいつ自分がこの世にいなくなるか分からない為だ。
警戒をした政宗を見て、「落ち着いて、落ち着いて;」と慶次はなだめた。
「・・・・何の用だ、前田の風来坊さんよ」
「用って言っても、人を探してんだけどさ。独眼竜の兄さん、いや、伊達男かな?」
「?、人・・・探しだと?」
わざわざ奥州に来てもか・・・・・?———。
慶次は警戒をしている政宗が更に警戒をしても、恐れず続ける。
「あぁ、名は「奥州の白虎」で有名な神楽葵なんだけどさ♪」
「!!、・・・・・テメェ、葵を呼び捨てするんじゃねぇ!」
「え、ちょ?!!待て、待てって!!」
政宗は近くに置いてあった六本の刀を持ち、襲い掛かった。
慶次はとっさに自分の愛用してある超刀で防ぐ。
防がれた政宗は、距離をとる。
慶次は冷や汗と政宗の怒りに少し押されていた。
「ま、待ってくれよ伊達男;なんで怒ってるんだい?」
「うるせぇ!!お前はどうせ呼び捨てて葵を言うから、弁丸なんだろう?」
「・・・・弁丸って何のことだい?俺、元々からそんな名じゃ「問答無用だ!!」うわわ?!!」
政宗は軽くジャンプし、慶次を斬ろうとした、その時・・・———。
ガキィンッ・・・・・———。
慶次の刀でもない、政宗の刀でもない音が二人の間にあった。
政宗は目を丸くし、言った。
「・・・・・・あお・・・い」
「・・・・・・・・・」
第三者として参戦したのは、神楽葵だった・・・・———。
慶次も驚きすぎて声が出ない。
葵は扇をゆっくりと下ろす。
普通ではありえない・・・・———。
これが、白虎と呼ばれた力である・・・・———。
葵は政宗を見た。
政宗は、少し動揺する・・・・。
葵の瞳から涙が流れそうなのだ・・・・・・———。
しかも、大粒のように・・・・。
葵は自分が泣くのを知って、自分の浴衣でふき取る。
「あ・・・葵・・・・」
ムスッと葵はし、政宗に少しキッと睨んだ。
ドクン・・・・・・・———。
政宗の心に痛い何かが突き刺さった。
俺は・・・・・何をしているんだ・・・・・?———。
「政宗・・・・客人に良くないことをしたこと、分かってる?」
「・・・・っ、・・・・So sorry」
嫌われた・・・・・———。
その言葉が何回も何回も渦巻いていた・・・・・。
葵は少し言いすぎたのかこれ以上何も言わないようにし、慶次を見る。
「・・・・久しぶり、慶次。僕の当主が驚かせて・・・ごめんね?」
慶次は焦った顔で「大丈夫、大丈夫だから;」と言った。
「・・・雨もかなりひどいから、今日は泊まっていってよ・・・・慶次」
「あ、うん、そうすっかな。なぁ、夢吉」
夢吉と呼ばれた猿は、コクンと小さく頷いた。

其の壱拾参竜 雨の涙