二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 戦国BASARA【月に誓う…〜記憶を追い続けて〜】 ( No.742 )
- 日時: 2010/05/16 10:03
- 名前: ターフ ◆lrnC2c/ESk (ID: 3c0JYUg8)
- 参照: http://名前変えたよ★(元はトコ)
葵の言葉に政宗は呆気を取る。
行き成りの話し過ぎるのだ。
ごくりと喉の音を呻らせ、葵に聞いた。
「・・・どういう事だ?」
葵は真っすぐした瞳で政宗を捕らえて言う。
「理由はある。だけど・・・内容は教えられないんだ」
「・・・・・・」
政宗は深く考え込んだ。
内容を知らせないで行き成り甲斐に行くなどありえない。
政宗は首を横に振った。
「駄目だ、内容を教えられない限り納得しないぜ」
葵は少し考えるような素振りをして政宗の表情を見ていた。
「やっぱりね・・・そうだと思って正解だったよ」
「——?」
政宗は意味が分からなく首を少し傾げた。
葵はきりっとした瞳をぶつけ言う。
「少しなら教えとくよ・・・。だけど、これはあくまでの話なんだけどね・・・」
「どう言う事だ?」
「・・・甲斐に行く理由は、僕の幼い頃の記憶を——取り戻せるかもしれないと考えたからだ」
「——!」
政宗は驚き目を見開いた。
葵は少し俯いた感じだったが、決心したような覚悟が伝わっている。
「葵・・・・お前・・・」
政宗は何か少し知っているような言葉を漏らす。
葵は気にしないまま立ち、部屋から出ようとする。
その時、少し振り向いて言った。
「政宗・・・僕は追い続けなきゃいけないんだ・・・。例えそれが・・・・——最悪な結果でもね」
ガラッと勢い良く閉めて出て行った。
だが、すぐさま入って来る者がいた。
そこには、小十郎の姿があった。
「——小十郎・・・!」
「・・・少し、葵様のお話を聞いてしまいました」
深く礼をした後、正座で政宗を見る。
「聞いていたのか・・・・」
さっきの話に少し政宗は不満があったように言う。
小十郎は少しため息を付いて葵がいた場所を見た。
「えぇ、少しだったのですがね・・・。まさか、甲斐に行くとは思いもよりませんがね・・・」
「・・・・俺もだ」
小十郎の言葉に政宗は賛成した。
甲斐に行くという事は、自分自身を変装していかないと敵にバレてしまうのだ。
葵は変装するのは上手いが、バレてしまったら終わりだ。
小十郎は政宗を見て口を開いた。
「——政宗様、そろそろ・・・葵様に教える日が来ているのではありませんか?」
「——!・・・流石は俺の家臣であり、良く知っているな」
冷や汗をかきながら政宗は言った。
そう、小十郎が言ったように葵に教える日が近いのだ。
その内容は・・・・——元々葵は、従妹ではなく政宗の実の妹だと言う事。
政宗は焦るばかりどころか、葵が心配でしょうがないのだ・・・・・・・・・・・・・・・———。
其の壱百弐拾四中 教える日