二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 戦国BASARA【月に誓う…〜記憶を追い続けて〜】 ( No.744 )
- 日時: 2010/05/16 10:50
- 名前: ターフ ◆lrnC2c/ESk (ID: 3c0JYUg8)
- 参照: http://名前変えたよ★(元はトコ)
「葵様・・・・・」
小十郎は葵が出て行ったのを見て呟いた。
従兄妹ではなく実の妹・・・・・・・・———。
本当は前に教えたい事情だったが、教えられない理由がある。
それは、葵の両親に言われていた理由・・・・・・・・・・———。
小十郎はその理由を知ってながら政宗と葵は従兄妹だと言っていた。
「やはり・・・・傷つきますね・・・;」
自分が今言った事を少し小十郎は後悔した。
だが、そうしてはいられない。
「後は何とか頼みましたよ・・・・——政宗様」
「——・・・チッ、俺がいたのに気が付いていたのか」
天井から政宗は降りてきた。
葵が荷物作りをしようとする雰囲気をか持ち出していた為、政宗は小十郎に真実を伝えるよう指示したのだ。
まぁ、小十郎は政宗が天井にいるとは知らなかったがそれは後にする。
「私の役目は此処で終わりですよ、少し違う展開ですけどね;」
「・・・・・まぁな、後は俺がやる」
小十郎は苦笑して頷く。
政宗はすぐさま葵の後を追った・・・・・・・・・・・・・———。
☆****☆
「父上・・・・母上・・・。僕は・・・——」
葵は知らぬまま、母が好きだった椿の木の下にいた。
優しくしてくれた父と母・・・・・・・・・・———。
それは本当の両親ではない・・・・・・・・・・———。
そう思ってしまうと葵はドッと涙が溢れ出た。
「なんで・・・・泣いているのさ、自分」
ゴシゴシと手でやっても止まらなかった。
政宗の実の妹と言われたのは正直嬉しいが、両親を否定するような感じで嫌だった。
止まらない涙にはその思いがあった。
するとそこへ・・・・・・・・・・・・・・・———。
「——・・・葵」
「——!」
葵は振り向きもしなかったが誰だかすぐに分かった。
従兄妹という枠ではなく兄という枠にいる・・・・・・・・・・・——政宗本人。
政宗の足音が近くの所まで聞こえた。
「・・・・何の用?・・・政宗」
「・・・・・小十郎から教えてもらったんだろ?」
「——!・・・・・・」
葵は政宗を一つも見ないでジッとした。
何故だか従兄妹として大切な人として見て近くにいた政宗が急に・・・・・・・・・——遠い存在のような人となっていた。
「・・・・何が言いたいの?」
「・・・葵、黙っててごめんな」
「——!」
フワッと優しく包まれた感じのように葵は政宗に抱きしめられた。
政宗の隻眼には少し後悔の色が見えたような気がした。
「俺も・・・俺も本当は従兄妹だと思いたかった。だが、あの本を見てしまった・・・。最初は驚いてしまったが嬉しかった。だが、葵に直接言うとshock受けてしまいそうで怖かった・・・。だから、あんな形になってしまったのは・・・・俺のせいだ」
「・・・・政宗」
「俺を恨んでも良い。・・・だが、俺は恨まれてもお前が——好きだ。例え兄妹でもそんなの関係ない。俺はお前をいつまでも・・・愛し続ける」
囁いたように言った後、ギュッと少し強く抱きしめる。
葵の涙は何故かそこでピタッと止まった。
いつまでも隣でいつまでも一緒にいた従兄妹として過ごしてきた日々・・・・・・・・・———。
それはもう今日で終わりになる。
「・・・・政宗、顔上げてよ」
「・・・・・・・・・・」
少し泣きそうな顔がそこに合ったのに少し葵は辛かったが苦笑して言う。
「そこまでの覚悟があったなら・・・先に言ってほしかったよ」
「——!・・・葵」
「・・・・ありがとう。・・・教えてくれて」
政宗の気持ちを受け取った葵は思わず笑顔になった。
政宗はいつも見てきた笑顔よりも・・・・その笑顔に惹かれた。
「・・・戻ろうか、政——」
葵は言葉を切らした。
いや、切らしたわけではない。
喋れないのだ・・・——政宗の唇の重なりによって。
「ん・・・・」
葵の吐息が間から漏れる。
そして、政宗から離れた。
一瞬、葵は何があったのか気が付かない。
「・・・・政宗?」
政宗は自分がやった行動し赤面した。
「So sorry、俺のした事が・・・!/////」
ツカツカと政宗は早歩きで先に戻って行った。
一人残った葵は唇に手を当てる。
さっきの感触を思い出し、何があったのか悟って少し赤くなった。
「・・・さっきのは接吻だよ、ね?///」
初めての「Kiss」は政宗が持って行ったのに、葵はなんだか恥ずかしくてしょうがなかった・・・・・・・・・・・・・・・———。
其の壱百弐拾六西 兄妹は似たもの同士